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京都の下町から神戸の小さな海町へ②

京都では、JR二条駅から徒歩3分くらいの場所にある、古いビルの2Fで雑貨屋をしていました。

いつも二日酔いになりながら店を開ける私をみてゲラゲラ笑ってくる、めちゃくちゃ面白いご夫婦がやっているパン屋さんが1階にあり、3階にはBarがあって、変な名前なんだけど店内はかっこよくて、2mくらい身長のある大きなマスターも変な人で面白く、仕事終わりにフラっと飲みに行ってみたり。初めてやるお店がこの二店舗に挟まれていたことはとてもラッキー。

とにかく朝から夜まで、地元の人たちの出入りのあるビル。自宅も店から徒歩5分ほどのところに店を始める前から住んでいたし、この二条駅界隈は京都の中でも一番好きで落ち着くエリアなのでコロナが落ち着いたら皆様にもぜひ行ってみてほしいです。

近所には活気のある商店街があり、そこには大好きな飲食店や古着屋さん、八百屋やスーパー、揚げ物屋さんに漬物屋さん、とにかく「好き」な人や物がぎゅっと詰まってて、毎日ばったりだれかに会って立話したり、休日は昼間から突然呼び出されて呑みに出たりすことも沢山。とにかくジェットコースターのような激しい日々をこの場所で送っておりました。

京都の店では常設で作家さんの作品と、古道具、そして期間ごとに企画を組んで開催する展示会やワークショップ。店内のものを全て家に運び出してファッションショーもしたし、音楽ライブも定期的に開催した。6.5坪くらいしかない小さなスペースで、とにかく毎月ありとあらゆることをやって、少しでも「面白いことしてる雑貨屋がある」と知ってもらうことに必死だった気がします。もちろん私自身が楽しんでやっていたのですが、まだまだ雑貨屋だけでは収入も不安定だし、いろいろなバイトをしながらお店を開けてる感じ。

周りもバイトをしながら好きなことをやる人が多くて、そんなもんかなと思ってそんなに大変なつもりもないのだけど、なんだかいつも忙しくて、落ち着きのない生活を送っていました。今となっては他にもスキルアップのためにできたことは沢山あったんじゃないかと思うけど、毎日色々な場所で出会う人たちに違った刺激をもらえたので、それはそれで人生の中でとても大切なことを沢山学んだ時期でもあった。

ただ、ある頃から「このままで大丈夫か、私、、、」という気持ちがどんどん膨らんでいました。

それはお店を開けながらのバイト生活をすることで、このままでは身体がもたなくなる日が来るという不安もだけど、そもそものお店のやり方にも問題があることが見えてきたから。(何が問題だったかを詳しく一回書いたけど、これはここで書く必要はないかなと思い消しました。気になる方はまたゆっくり直接お話ししましょ。)

もちろん、どんなお店にも問題や悩みはあるのが当たり前だと思うし、それをどう解決して行くかもお店それぞれ。

私は私の中で問題は山積みだったのですが、とりあえず住居兼お店になるような広い物件も京都市内で探してみるも、思う金額では見つからず、どうしたものかなと迷走し出した頃、当時付き合っていた彼氏(現・旦那)の一言で運命が変わることになるのでした。


「もう、京都飽きたし海の近くに住みたい」


当時の京都はインバウンド全盛期。更に東京オリンピックに向けて、次々と町家は取り壊されて大きなホテルが恐ろしい勢いで建設されていました。

大好きだった京都の街並みは日々変化し、比例して上がっていく土地代。私の希望する家賃では到底京都にはいられない!

そして元々瀬戸内育ちの私は海が大好き。そうそう、実は一番最初は瀬戸内の何処かでお店がしたいと思って移住するつもりで場所探ししてたくらいだったことを思い出したのでした。(忘れてたのかよ。)

京都を離れることで解決できる問題が少なからずある。

その代わり、今までこの場所でコツコツと培ってきたものを手放さなくてはいけないことへの不安も大きくて、実際はとても悩みました。

とにかく悩んでる間にも実際足を運んでみよう!ということになり、、、彼の仕事は大阪なので、とりあえず大阪まで通える範囲で海の見えるところ、、、

そう、垂水〜明石あたりがいいんじゃない?(私自身、本当は香川や岡山、広島が希望だったんだけどね。)

というわけで、三ノ宮でレンタサイクルを借りて、三ノ宮から明石まで往復走ってみたり(体力の鬼)、家・店共に物件探しを始めているうちに、明石なら地元だし土地勘あるし、新快速(大阪まで35分くらいでいける特急電車)が停まるから便利やん。しかも行政の色々な支援もしっかりしていて住みやすそうね、、、何より魚が美味しくて昼から飲める!最高や!(←結局そこ。。)

そんな中、店も家も、良い物件を見つけてしまい、なんかいいかも!と、心を固め、腹を括り、京都のお店を閉店することにしたのでした。


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閉店後の京都のyamne。

壁は木版画の三浦さんと貼った思い出の壁。

今はマチマチ書店さんというイカした古本屋さんになっています。





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明石に引っ越してすぐは毎日海辺を散歩していた。

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