勝者の買い物
少し前のことになりますが、仕事終わりに友人から「今からコストコに行くけど一緒に行く?」というお誘いを受け、二つ返事でついて行きました。
そう、私は人生で一度もコストコに行ったことがない、今や絶滅危惧種人間なのです!
高い天井まで続く陳列棚に
広々としたワンフロア
見渡す限りぎゅーぎゅーとひしめく商品は飲食品はもちろんお洋服やお鍋や電化製品などなど幅広いラインナップ。
久々にゴリゴリ資本主義の波に揉まれる心地よさを感じました。
入店前は「よっぽどじゃなきゃ買わないぞ」と心に誓っていたのに、
素直な心の人間なのでまんまとコストコマジックにかかってしまい、こんなサイズいらんやろと思うビッグサイズでも「あら、お得じゃない」つってついつい籠の中へポイポイポイ。
レジ前に来ても、「え、でもやっぱせっかく来たしさぁ」とか言いながらまたUターンしてポイポイポイ。
「これ多いけど半分こにしたらいいんちゃう」とポイポイポイ。
入店前のわたしは簡単には買わないぞと強い意思を持っていたのに結局¥10,000分以上のものをお買い上げ。
まぁ滅多に来るところじゃないしたまにはええかとレジに並びながら卑しい人間(素直な人間じゃなかったのか)なのでついつい他人の籠の中もこっそりチェック。
みんなモリモリ買っとるなぁ、ふむふむ、あんな商品もあったんかいな。
家族連れはあの量も消費できるしそりゃええわなぁと見渡していると、二つ向こうくらいのレーンでサラリーマン風の男性(若め)の方がバナナ一房だけ籠に入れて並んでいたのを見て、わたしは膝から崩れて落ちそうな衝撃を受けたのでした🍌(大袈裟)
いやいや、この物欲にまみれた閉鎖的空間の中で、バナナ一房で帰れるだとぉ??
ちょっとすごくない?そんな勇気ない。
わたしには彼がキラキラと一際輝いて見えたのでした。
あれが勝者か。
勝者の買い物の仕方か、、、。
と。
ご近所さんでよく来るから余裕なのかもしれないし、本当に欲しいものがないのかもしれないけど、バナナ一房ならコストコでなくとも良い訳で、ここに来てその意思を貫きレジに並べるって強い、、、強すぎる、、、。
自分の籠の中身を見てセンスねぇなと思いながらも大量の買い物を家へ運び、なんやかんや満足を得たのでした。
わたしはやっぱりミニマリストにはなれないし、とびきりこだわりの一つも、このエンターテイメントなお買い物も、どちらも好き。
どちらの買い物も愛してモノに埋もれて生きていくのだ。
とは言いつつも何にどうお金を使うか、ということに関しては結構大切にしていて
例えば本なら大型書店よりも個人でやっている好きな店で買いたいし、チェーンの居酒屋よりも小さな家族でやってるような飲み屋に行きたい。
推しの店をいくつか持つようにしていて、限られたお金はなるべくそう使いたい。
なぜなら無くなって欲しくないから。そういうお店たちが。
先日お客様の一言でとても素敵だと思った言葉があります。
「断捨離してるので、この洋服買うことにします」って。
矛盾してるようだけど、そうなのよね。
本当に気に入ったもの身近に置いて生活してゆく。
断捨離やミニマリストって、なんでもかんでも捨てたら良いわけでなくて、
必要ないけど、役に立たないけど、ずっと箱に仕舞ってたとしても、それでも捨てたくないものもある。
一着のとっておきの服を買うことにより、手放す勇気を持てる服たちがある。
長く着る自信のある一着を手に入れる瞬間こそ、まさに素晴らしいお買い物なのかなって思う。
そしてそのお買い物をするときのドラマやシチュエーションは想い出になり、そのもの以上のプライスレスになる。
心の栄養とは、これだな。と。
そんな一着に出会える、そんなモノに出会える瞬間に立ち会えたときが、わたしがお店をやっていら中で一番の幸せであり、結局は買い物に勝者も敗者もないってこと。
色んなことを、お客様から、沢山の言葉を、日々学ぶなぁと改めて思う。
“お買い物”って何ですかね?
バランスよく、気持ちよく、わたしたちの循環を回していきたい。
【現在開催中の展示会】
“LAILAH exhibition”
2023.4.15.sat - 25.tue
close:18.tue
11:00 - 17:00
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