白鳥和也/自転車文学研究室

『丘の上の小さな街で 白鳥和也自転車小説集』(枻出版社)、『自転車部品の美学』『七つの…

白鳥和也/自転車文学研究室

『丘の上の小さな街で 白鳥和也自転車小説集』(枻出版社)、『自転車部品の美学』『七つの自転車の旅』『自転車依存症』(以上平凡社)、『静岡で愉しむサイクリングライフ』(静岡新聞社)など9著作あり。 note 等の情報利用は自己責任でお願いします。自転車の愛車はランドナーなど数台。

マガジン

  • 白鳥和也の紀行文集

    主に自転車旅の紀行文集です。ガイド的内容ではなく、紀行的文学と思っていただいたほうが良さそうですな。一部は有料化する予定。

  • 白鳥和也の視聴覚室

    動画&音楽ファイルのコーナーです。オリジナルミュージックやスライドショーなど、あれこれ。演奏も自前なので、もちろん無料であります。

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    次元上昇的ネタを含む多次元的エッセイシリーズでして、現在のところ無料記事。サポートはもちろん大歓迎であります。

  • 白鳥和也の旅エッセイ

    紀行文というより、旅のあれこれについての随想です。自転車以外の旅についても取り上げます。現在無料記事で、サポート大歓迎。

  • 白鳥和也の掌編&短編小説(一部有料)

    掌編と短編の小説集です。一部を除き、無料でお読みいただけますが、サポートしてくださると大変ありがたいです。

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亡き知人を想う

しばらく音信のなかった、知人であり友人でもあった人の消息を リアルタイム検索(ツイッター検索)で探した。2日前のことである。 某大学の名誉教授であり、請われてよく講演などに登壇していた人なので、そういう活動の様子が分かるだろうと思って検索したのである。 そうしたら、「亡くなられたらしいが詳細は分からず」というツイートがあり、血の気が引いて愕然とした。 どうか誤報であってほしいと願いながら、facebookなどの知己を通して照会していたら、昨日になって、まことに残念極まる

    • 本栖湖キャンプと西湖の感動的な鳥見

      キャンプ仲間の友と久しぶりに本栖湖キャンプ場で合流することになって、2024年6月8日の土曜日15時半頃、われわれ夫婦は自宅を中古小型キャンピングカー「ピクニック・ゲリラ号」で出発した。 市内で給油とタイヤ空気圧の調整を行ってから高速を経由し、途中のコンビニで薪などを買い込み、仲間のS氏に電話して「あと15分で着きます」と連絡。現地の本栖湖キャンプ場に着いたのは17時半頃だった。 最近の本栖湖キャンプ場は週末は凄く混むので、グループキャンプは難しい。混みこみで近くに車を止

      • ちぐはぐな自転車行政(追記あり)

        先日、日本平(といっても山の上である)という富士山と清水港の景勝地としてけっこう知られたところに自転車で登ってきた。ここは、地元のローディなどがよくヒルクライムの練習に使うところでもあり、自動車や単車に比べると自転車が通行していいルートは限られるが、週末を中心にかなりの数のサイクリストが訪れている。 山頂付近にはそこそこの台数が駐車可能な無料駐車場があり、その一角に単車の駐車場と自転車の駐輪場らしき一角も設けられている。ところがこの駐輪場、画像にあるような数カ国語表記の立派

        • 探鳥会に行ってきた

          6/2(日)、久しぶりに探鳥会に参加してきた。6時にかみさんと二人して早起きし、そそくさと支度をして、8時頃に車で出発。集合場所には集合時間の9時少し前に着いた。静岡市駿河区の小鹿の森公園の駐車場である。 今回のターゲットは、静岡県の県鳥であるサンコウチョウなのだ。私もかみさんもまだ見たことはない。双眼鏡は私がヴァンガードのエンデバー8×42、かみさんが、ゲットしたばかりのコーワYFⅡ6×30である。 集合場所にはベテランからわれわれのような初心者まで10数名が参集した。

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          52本
        • 白鳥和也の『真夜中の自転車』
          6本

        記事

          双眼鏡に昂ぶる

          双眼鏡は面白い。しかし、愛用者は限られる。同じ光学機器であるカメラに比べてもずいぶん少ない印象だ。天体望遠鏡の愛用者よりは多いのかもしれないが。 近頃はカメラも多くの場合スマホが代用しているので、シリアスに写真を撮る人でなければミラーレスや一眼のデジタルカメラを使い込んでいる人は少ない。コンデジは、ご承知のようにスマホにとって代わられ、今はごく限られたモデルしか市場に存在していない。数えたことはないが、もしかしたら今では双眼鏡のほうがモデル数が多いのかもしれない。 が、双

          リハビリ・サイクリングの経過

          もろもろの事情があって、ここ10年ぐらいはあまり自転車に乗っていなかった。特に最近数年は、余暇の多くをキャンプやバード・ウォッチングに費やしてきたこともあり、ほとんどサイクリングらしいサイクリングをしていなかったのである。 もちろんそのあいだに体はすっかりなまってしまった。二階に仕事場があって、一日30回以上は十数段の階段を上り降りしているので、最低限の脚力は維持できていたというものの、自転車は下半身だけで乗るものでもない。 また乗れるようになりたいと思ったのは2023年

          リハビリ・サイクリングの経過

          この世のたいがいはまやかし

          この世のたいがいの事柄は、まやかしである。 額面通りに受け取れるものは少ない。 善のように見えるもののなかにも悪が潜んでいるし、もっともらしい立派な理念もまた偏ったドグマの変奏に過ぎなかったりする。 まやかしのないものは、野生や自然、一部の芸術であるが、それを生涯にわたって追い求める人は多くはない。 まやかしはどのようなところにあるのか。 政治のほぼ100%、教育や信仰の大半、情愛の一部であろうという気がする。 まやかしは趣味や道楽の領域にも入り込んでいる。 ま

          この世のたいがいはまやかし

          本栖湖キャンプ場GWリベンジ

          前回の記事で2024年5月連休に、混雑や渋滞のために本栖湖キャンプ場に行けなかったことは書いた。そのリベンジを翌週末にやってきた。その顛末を記す。 5/11(土)の15時過ぎに道具や食料をしこたま積んだ、わが家の中古小型キャンピングカー/ピクニック・ゲリラ号で家を後にした。買い物を少々と給油・タイヤ空気圧調整を済ませて高速に乗ったのは16時頃。 新東名新富士ICで高速を降りて、一路国道139号を北上する。天気は悪くない。富士山目当てにキャンプに行くわけではないが、霊峰はあ

          本栖湖キャンプ場GWリベンジ

          連休後半出掛けたけど出掛けなかった話

          5/2(木)の宵の口に、わが家の中古小型キャンピングカー、ピクニック・ゲリラ号にキャンプ道具やら食料やらをしこたま積み込んで出発した。しかし、まず向かうのはキャンプ場ではなく、かみさんの神奈川の実家である。 新東名も、御殿場からの東名も、走っている車の台数は多いが、幸い渋滞はなかった。22時頃にマンションの駐車場に無事到着。必要な荷物だけを持って階段を上り、とりあえずかみさんの実家で一服する。 実家には92歳になる元気な義母が一人で生活している。かみさんもときどき生活の手

          連休後半出掛けたけど出掛けなかった話

          自転車ブームのもたらしたもの

          自転車ブームは終わった。いつ終わったのかは自分には正確に判じきれないけれども、10数年前のようなブームの盛りのようなことは今はもう見られない。 物事は変化するのだ。そして変化の多くは止めようがない。7年周期説というのが囁かれるように、ブームというのは7年ぐらいを目途に盛衰を辿ると言われている。人間の体細胞だって7年で全部入れ替わるとされている。 自転車を取り巻くいろいろなものがこの10年くらいで大きく変化した。まずもって自転車自体が変わってきた。 かつてのMTBはフロン

          自転車ブームのもたらしたもの

          芝川白糸スローサイクリング

          4/28(日)に出力過剰T君と出掛ける予定だったのだが、前の晩に体調と気分があまり良くないので、すまんが明日はキャンセルなのだと電話をしたら、とりあえず了解してくれたが、明日の朝の体調で決めればいいじゃないですかみたいなニュアンスもあった。 案の定、翌朝になったら気分も良くなったので、かなり迷惑人間だが、ドタキャンのドタキャンをして、出掛けることになった。しかしそういう事情なので出発は遅くなり、彼がN-Vanで現れたのは12時を回ってからだった。そそくさと私のBSモールトン

          芝川白糸スローサイクリング

          昔のアウトドアギア

          画像はカセットガス缶などの穴開け用の器具。けっこうやれているが、まだ機能的には問題なかった。さきほどもこれでカセットガス缶に穴を開けたところだ。 長いほうの筒を左回りに緩めると、針が筒の中に格納される仕組みになっている。買ったのはもう30年くらい前だろう。私の記憶が正しければ、スノーピーク製だったはずだ。 当時は1000円ぐらいして、割と高いなあと思いながら、コンパクトにできていることも気に入って購入した。現在では検索しても出てこないから、ディスコンになったらしい。 今

          中古ガスランタンを買った

          車中泊中心でオートキャンプをしているので、ストーブ(バーナー)やランタンはガス仕様のものが中心となっている。ホワイトガソリンの機器にも執着があり、ストーブやランタン合わせて四つほどの機器を持っているのであるが、最近は出番が少なく、クラシック・キャンプみたいなテーマで集まったりするのでなければ、なかなか使うことが少ないのだ。 ガスはいわゆるアウトドア缶(OD缶)の機器類と、カセットガス缶(CB缶)の機器類を両方とも保有しているものの、燃料の入手しやすさと安さからして、多くの場

          中古ガスランタンを買った

          与えることより難しいこと

          スポーツ選手などはよくこういう言い方をする。「勇気を与えたい」。 なるほど、なかには実際に試合で躍動する選手らを見て、勇気や覇気をもらったという人もいるだろう。 しかし個人的にはこういう言い方には違和感がある。私はスポーツ観戦のときには、選手らのスリリングでエネルギッシュな活躍を見て楽しみたいのであって、別に私自身に勇気をもらいたいわけではない。 一般的に人間は他人に何かをあげることは好まないが、もらうことは好きだと考えられている。100万円人に贈呈する気にはなれないが

          与えることより難しいこと

          東海道旧道スローサイクリング

          4/14(日)、出力過剰T君と待ち合わせして、東海道旧道を少しばかり走ることにした。かねてから、由比(ゆい)のとあるカフェに自転車で行くことを誘われていたのだ。距離はたぶん往復で30kmぐらいだろうから、最近長距離を走っていない私でもなんとかなるかなと思って、ケルビムのランドナーを引っ張りだした。 集合時間はJR清水駅東口に12時というおっとり刀であったが、その時間より10分ほど遅れて私が到着すると、T君はまだ来ていない。しょうがねえなと、電話してみると「今出るところです」

          東海道旧道スローサイクリング

          「有名」の貧困さと「無名」の豊穣さ

          ネットニュースに京都の「観光公害」のことが書かれていた。ゴミの散乱とか、バスのひどい混雑とか、私有地やこれに類するところへの立ち入り等である。観光都市が観光で苦しんでいるのである。 オーバーツーリズムとも呼ばれるこの問題は、ともかく一定の観光エリアに過度に観光客が集中することから生じる。 解決は簡単である。そこに行かなければいいのだ。観光で食べているところは、規制をかけたり、観光客を追い払うのは難しいから、観光客の側でそういうエリアを避ければいいということになる。 私な

          「有名」の貧困さと「無名」の豊穣さ