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高いパフォーマンスを発揮する意外な要素 #116 ストレス

現代では、様々な場面でメンタルあるいはマインドという言葉が使われています。
これほどまでに注目されているのは、成長するためであったり、目標を達成する上で欠かせないものだからです。

例えば、目標を達成するためには、経験に裏付けられた知識や技術などが必要ですが、最終的には、メンタル、そして、そこから確立された強いマインドが欠かせません。

メンタルとは、心や精神そのものではなく、そこに関連する心理状態ですので、その時々の行動で、好不調があって当たり前です。


なかなか目標を達成できなかったり、なかなか上手く行かないとメンタルはネガティブな状態となります。
そうなると、どんな行動も良い結果を得られないような気持ちになります。

対して、目標が達成できたり、順調に物事が進むとメンタルはポジティブな状態となります。
結果、どんな行動も良い結果が得られるような気持ちとなります。

まず、メンタルタフネスといわれるように、如何にしてメンタルをポジティブな状態に保てるかが重要となります。
そして、そこから確立されて来るのが徹底して取り組むための信念であったり価値観であるマインドとなります。

強いメンタルを維持する上での阻害要因の代表がストレスです。
そもそもストレスとは、平常状態が外部からの圧力や刺激によって歪みが生じた覚醒状態とされています。

外部からの圧力や刺激には、天候や騒音などの環境的要因、病気や睡眠不足などの身体的要因、不安や悩みなど心理的な要因、そして人間関係がうまくいかない、仕事が忙しいなどの社会的要因があります。
つまり、日常の中で起こる様々な変化や刺激が、ストレスの原因になるといえます。

特に集中力が必要な検査工程などの仕事では、ストレス状態に陥り易く、パフォーマンスの低下であったり、イライラなどの精神不安、体調不良などを引き起こし、「百害あって一利なし」であるかのように思えます。

ところが、ヤーキーズ・ドットソンの法則 と呼ばれる考え方があります。
あって良いことがないように思えるストレスですが、高いパフォーマンスを発揮するためには、適正レベルのストレスは欠かせないというものです。
勿論、適正レベルがポイントですので、それを超えた過剰なストレスは、パフォーマンスを低下させてしまいます。

脳科学者の茂木健一郎さんは、この適正なストレスの状態をフロー状態とおしゃっていました。
茂木さん曰く、フロー状態とは、「集中力が極限まで高まった流れる感覚の状態」なのだそうです。

高いパフォーマンスを発揮できる方は、「ここぞ!」と言う時の集中力が半端じゃないと言います。

例えば、将棋の羽生善治さんは、車の運転ができないらしいです。
何故なら、運転中にうっかり、将棋のことを考えてしまうと、頭の中に将棋盤が表れてしまい、運転どころではなくなってしまうからなのだそうです。
この話がどこまで事実なのかは定かではありません。
しかし、羽生さんの様な一流の方なら、このフロー状態を自分の思い通りに再現させたり、長時間維持させることが可能なのかもしれません。

しかし、一般の方々だと容易ではないかと思います。
その意味でも、このフロー状態を導くために注目されていのがマインドフルネスです。
マインドフルネスによって、環境や仕事の中で適切なストレスと必要なリラックスの両方が、バランス良く発動されるようにコントロールするテクニックを学びます。

アメリカではグーグルをはじめフェイスブックやインテル、マッキンゼーといった企業のほか、政府機関の研修でも取り入れられている様です。
日本でも、テレビや雑誌で特集が組まれるなど、企業での研修に取り入れられている事例が出て来ています。

手法は様々ですが、一般的な瞑想のやり方をご紹介します。
あまり難しく考えることはなく、基本は、姿勢を正して、自分の呼吸に意識を向けることの様です。

①姿勢を正す
立っていても座っていても構いません。骨盤を起こして安定させ背筋を伸ばし、体を軽く揺すって体の中心を探ります。肩の力を抜き顔の力も抜いていきます。目は軽く閉じるか、半眼でどこか一点を見つめるようにします。

②呼吸に集中する
ゆったりと気持ちの良い呼吸をしていき、繰り返される呼吸にただ意識を集中して雑念から離れ、意識を身体感覚とつなげます。コツは、呼吸に合わせて肺が縮んだり膨らんだりするイメージを持つと良いようです。

①時間
一般的なのは、3分程度のようです。慣れてきたらもっと長時間、逆に短時間と使い分けられるようになるとのことです。最初はマインドフルネスの動画やリラックスするような音楽をガイドとすると入り易いそうです。

その他、病は気からという言葉があります。
その逆で、例えば、ストレスが高まりそうな状況だからこそ、笑顔を意識することで、抑制や改善につながるという考えもあります。

近年、ハラスメント行為など、モノ事に対して、過剰に善し悪しを決めつける傾向が強いと思います。
確かにハラスメント行為を肯定するつもりはありません。
しかし、適切なストレスまでもを否定してしまったら、高いパフォーマンスを発揮するチャンスまでを排除してしまいかねません。
これからは、適正レベルのストレスであれば受け入れることも考えて、マインドフルネスなどのようなストレスと向き合うテクニックを活用する必要があると考えます。

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