【創作大賞2024応募作恋愛小説部門】ブルーアネモネ(8)
マサさんは一度、店の外へ出て行き、すぐに戻ってきた。
「今日は臨時休業にするよ。有紀ちゃんもいない事だしな。ゆっくり話そうか?」カウンターの中に戻りながら、マサさんがそう言った。
「えっ?いいんですか?」
「ああ、河端ゼミの連中は、今日から助教の大川君の引率で台湾に研修旅行で行ってるから来ないし、他の学生は札見てよそに行くだろう。まあ、たまにはいいじゃねえか。」
「ホント、すいません。」
「いいって、コーヒー飲むか?俺も飲むから。」
「はい」
マサさんは、コーヒーの粉を入れ、