うらがみ

1999/生活の模索

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マガジン

  • 2024年5月

    毎日投稿の集合場所

最近の記事

覚書 2024.5.22

傾きはじめた太陽の黄色い光をうけて葉はきらきら すすきの白いところは光をとおす 紫色の空 まだ残る水色の空にピンクの雲と朧げな月、ぴかぴかライトの飛行機がとおる 振り向くたびに濃くなる真っ赤な夕焼け オレンジ色の窓ガラス 一面の緑 白い花の青っぽい匂い わしゃわしゃ重なる細い葉のヴェールは辺りを包む 遠くの空からくる風がのんびり通る 言葉や写真に変えなくてもずっと残っていたらいいのにね

    • バクの頭は重い 2024.5.21

      今日は、湖に浮かぶボートに寝そべっていた。 水面は深い青色をして、鈍く光っていた。 ボートから見える山も空も、紺色に近い青色だった。山の麓に赤い屋根の建物がひとつ。青の中の赤がアクセント。 気温は過ごしやすく、眩しい日差しもなかった。曇っていたのかもしれない。空が白かった記憶はないからよくわからない。心地良い肌触りの涼しい風が吹いていた。冬という認識だったと思うが寒くはなかった。 ボートには友人が同乗していて、哲学とか、抽象に近いような話をぽつぽつと交わしていた気がする。 時

      • 書きたいもの 2024.5.20

        書きたいものを書かなかった学生時代でした。当時理想としていた「書く」は、小説や脚本の作品を完成させる、というものです。目指すゴールは商業的なものでした。普段目につくのはそれらで、それ以外にどんな選択肢があるのか知りませんでした。 壁が高くて、どこから始めたら良いかわからなかったし、創作本を読んでもぴんとこなくて取りかかれませんでした。そして、自分がそういうものを作れるとも思っていませんでした。自信がなかったというよりは、同時代のコンテンツにあまり触れていなかったからです。馴染

        • 憧れ 2024.5.19

          「能ある鷹は爪を隠す」案件が発覚しました。 能ある鷹に爪を隠された身としては、「え、早く言ってよ〜!」という気持ちでいっぱいです。かつてその方とその“能”に関係あるような話をしたものの、まったく食いついてこなかった気がするし、いろいろと驚きました。 たとえば実はピアニストなのにピアノの話に乗って来なかった、という感じです。相手にされていなかったのでしょうか…。 なにかと喋りたがる私は、「実は…」とすごいことを隠し持っている方々に憧れます。すごいことなのに自分からは言わない、

        覚書 2024.5.22

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        • 2024年5月
          22本

        記事

          占い 2024.5.18

          ふと思いたち、ネットで姓名判断をしました。 「うらがみ」でひとつのまとまりですが、姓名判断の都合上「うら」と「がみ」に分けて。なんだか良さそうで安心です。 ついでに本名でも。 あるサイトでは、水に関係する職業が向いている、と出ました。酒屋、クリーニング業、浴場、魚店、水商売など、とのことです。職業を「水」という観点で捉えたことがなかったので新鮮でした。というか、水商売は水関係にして良いのでしょうか?名前だけでは?おもしろいですね。 生年月日をもとにした占いなんか、結構当た

          占い 2024.5.18

          美味しい 2024.5.17

          皆さんにとって、舌の上で美しさを感じる食べ物はありますか? 私はあります。大好きなうどん屋さんのかけうどんと、台湾で食べた小籠包です。 口に入れて、味わって、飲み込んで喉を通るときまでずっと美しい。今の何!?と思っているうちに食べ終わります。「おいしい」はひらがなで書くのが好きですが、このふたつだけは「美味しい」のほうがしっくりきます。 大好きなうどん屋さんに行くと、いつも冷たいかけうどんを頼みます。つやつやとしてコシのある麺。見た目も味もクリアに透きとおるつゆ。目の前に運

          美味しい 2024.5.17

          写真、記憶、ずれ 2024.5.16

          大切な写真集がある。撮影者は写真好きで、日常で撮ることを楽しむ人らしい。写真集は、ご家族がまとめて出版したものだという。 旅先での写真が多いのかな?そんな感じ。 被写体は、人物が印象に残る。同じ部屋の中にいる人、同じ車に乗っている人、何枚にもわたって登場する人。または、たまたま交通機関に乗り合わせた人、道行く人。撮影者と被写体との関係性はわからない。写真にはタイトルも説明もないから撮影場所もわからない。 同じ場所・同じ構図で、ピントを合わせるところだけ変えた2枚の写真はチャー

          写真、記憶、ずれ 2024.5.16

          たらたらつぶやく 2024.5.15

          夢を諦めなければならなかった人に対して、「新しいことを見つけてみたらいいかもよ。世界は広い」と言ったことがある。世の中に数多ある物事からすれば、その夢は何万分の1の存在だ。他にも良いものがあるかもよ、と励ましたかった。けれどその人にとっては、かけがえのない、ただひとつのものだった。見えていたはずなのに何もわかっていなかった。とても反省している。 失恋した人への「次だよ次!相手はいくらでもいる」もそうだけど、たとえ本当に“いくらでもいる”としても、少なくともその時のその人にはそ

          たらたらつぶやく 2024.5.15

          会話 2024.5.14

          「えーすごーい」と言って、「思ってないでしょ!?」と返されたことが幾度となくある。本当に数えきれないほど。その度に「思ってないと言わないよ」と言うけれど、あれは信じてもらえているのだろうか。 本当に、思ってないことは言わない。すごいと思ったからすごいと口にした。うまく感情が出ていなかっただけで。 あと私は、物静かな抑揚の少ない話し方ではなく、わりと感情豊かに、調子良く話すほうだ。それで棒読みのプラス発言は信じてもらえず、「えーすごーい」が「本当は思ってないけど気を遣って言って

          会話 2024.5.14

          あめんぼ 2024.5.13

          あめんぼには、はねがあって飛べる。 飴のような甘い匂いがするからあめんぼ。 雨、じゃないんですね。 子供の頃、水たまりに彼らが泳いでいるのをよく見ました。だから雨のあめんぼだと思っていました。 昨日までは乾いたアスファルトだったのに、どこから来たんだろう?歩いて来たのかな。いつもはどこにいるのかな。とかとか、不思議に思って見ていた記憶があります。幼き日の私にとって、どこか現実離れした、妖精みたいな存在でした。 あめんぼといえば「あめんぼあかいなあいうえお」ですが、赤いあめ

          あめんぼ 2024.5.13

          今後の課題 2024.5.12

          毎日投稿、ひとまず続いています。嬉しい。 今日は一旦一息ついて、次に進むための準備をします。 先日投稿用のネタ出しをしたら、「気になってたけど深く調べたことはない」テーマがいくつかあがりました。そしてその影響で、大学生の頃から気になっていた本をようやく入手しました。趣味に改めて目を向けるきっかけになったというか、もっと深掘りしてみよう、という気が起きています。良い変化です。 ただ、テーマの幅が狭くなりそうなところが懸念点です。どう幅を広くするかが今後の課題だと感じました。元

          今後の課題 2024.5.12

          物語が運ぶもの 2024.5.11

          「物語作品は、歴史を伝えることができると思います。教科書で習う政治的事実だけではなく、人々の感情のレベルで。」と昨日の投稿に書きました。社会の状況と、人々が何を感じたのか、をどちらも知ることができるのです。だから史実ものや昔の作品に触れることが好きなのかも、と気がつきました。 たとえば戦争なら、後世にはどうしても被害の状況が歴史的事実や数で伝えられることが多く、「何人は帰還できた」と聞けば「良かった」という気分になります。もちろん命が助かったことは素晴らしいけれど、当人たち

          物語が運ぶもの 2024.5.11

          天使の記憶 2024.5.10

          いま、『ベルリン、天使の詩』のことしか考えたくありません。 それ以外書けそうにないです。でも、とても大切な作品であり、まだ言葉にはしたくないしできないし、作品を言葉で分解していくようなことはもはや永遠にしたくありません。 さて。 『ベルリン、天使の詩』は1987年公開、ヴィム・ヴェンダース監督の映画です。冷戦下のベルリンを舞台にしています。ベルリンの街を見守る天使たちには、人々の心の声が聞こえます。天使たちは傷ついた人々に寄り添うけれど、人間に対して何かを為すことができませ

          天使の記憶 2024.5.10

          なくした本たちへ 2024.5.9

          こんな話をするのも気がひけるけど、行方不明の本が2冊あります。 ベケットの戯曲集とヘミングウェイの『移動祝祭日』。 どちらも私にとって一度きりの付き合いではなく、何度も手に取る機会がありそうな本です。なぜ大切な本を2冊もなくしたんでしょう?どちらも「余所に置いてきた」「人に貸して返ってこない」ではなく自分のテリトリーにはあるはずで、どこかにしまいこんだとか紛れ込んだとかだと思います。 また読みたいから、思い出すたびに少し探しています。とはいえどうしても今すぐ必要なわけではなく

          なくした本たちへ 2024.5.9

          岡山・香川旅行計画 2024.5.8

          関東生まれ関東育ち、瀬戸内海に夢を見ています。 おそらくうどん県香川に行きたいという想いをこじらせたものだと思います。友達と、家族と、旅行の話があがるたびに香川!四国!と提案しては、予算や諸々で実現せず。じゃあ一人旅をと宿を取ったものの、いろいろと立て込んで行けませんでした。 一昨年広島に旅行し、そのとき飛行機から見たのが初めての瀬戸内海だった気がします。きらきらとした海、ゴツゴツとした土地と島、すべてが美しく輝いて見え、感動しました。 先日、自分が7年前に書いた「大学生に

          岡山・香川旅行計画 2024.5.8

          イヨネスコ先生 2024.5.7

          ウジェーヌ・イヨネスコ(1909-1994)、フランスで活動した劇作家。 不条理演劇の代表的作家のひとりです。作品も興味深いですが、ここでは演劇論的な文章を取り上げます。あまりにも人生の参考になるので、イヨネスコ先生と呼びたくなりました。 わくわくする文です。違う結末を選ぶこともできるのは、すべての再演を(広義にせよ)再解釈といえる演劇だからこそかもしれません。2つ以外の候補は戯曲には示されていないから、「三十六通り」の結末がイヨネスコのなかでどれだけ具体的に形を取っていた

          イヨネスコ先生 2024.5.7