多羽(オオバ)くんへの手紙 ─14─
新学年の始まりは、たいてい50音順の座席だ。
まずは隣の席、近くの席。同じ班。
そうやって徐々にクラスが出来上がっていく。
多羽の席は私の前方対角線上にあった。
私は教室の後ろ扉から近い席。
汗だくの多羽が席に着く。
始業前にグラウンドでサッカーをするために
野球部の多羽は奇特にも毎朝早くに登校していた。
朝起きるのがやっとの私とは真逆のタイプだ。
汗だくの背中に張り付いたカッターシャツ。
下敷きでパタパタと煽ぐ少し猫背の背中を見る。
私の朝のルーティン。
─ 後に開