梅雨すみれ

短歌を詠みたくなるほど日常を丁寧に送りたい。2024.4 短歌21世紀所属。

梅雨すみれ

短歌を詠みたくなるほど日常を丁寧に送りたい。2024.4 短歌21世紀所属。

マガジン

  • 梅雨の短歌評☔️

    素敵な歌人さんが梅雨すみれの短歌に評を書いてくれています。

  • 短歌を読む🦋すみれちょう📓

    お気に入りの歌人、短歌ユニットの感想を書いています。🦋すみれの手帳です📓

最近の記事

「塩っぱいどころじゃないで」と笑う子は海にあやされ まえへうしろへ 足がつき上半身が見える場所そこから先の海恐ろしき 目の前でひとり足から浸かりゆく海は広いぞ大きな一歩 海の味知らぬ子はしゃぐ潮風は肌ベタつきて湯に浸かりたし 冷たくて気持ち良い海つかまえて我に投げくるいたづらな顔 初体験したい子のため海の家で買えた水着は江頭2:50 ただ海に浸かるだけでも許すまじライトセーバーいと頼もしき 海岸に打ち上げられた透明なクラゲの死体きれいに浮かぶ 「ワカメちゃう?」「ワカメちゃう

    • 主文

      短歌連作20首 かき混ぜてゆけば氷も溶けはじめグラスの汗も繋がってゆく 頼りない味にスパイスかけるごと夏が始まる便りが届く 生ビール注げば泡が溢れだす隠したいことあわあわ増える めくるめく落ちるスコール聴きながら飛び込み台に立てばたちまち この恋に名前がなくて抽斗をたびたび開けて開けてしまえり はちみつのようなことばをかけられてだらしないままひらかれてゆく 気の抜けた炭酸水がからだじゅうながれてしまう足のつま先 終わらない宿題みたいに夏空と胸に広がる花火は遠く 戯れと遊びは同

      • 短歌21世紀9月号小川優子選

        • 月のうた

          女は生まれたときから業が深い。前世の行いのよいものは男に生まれる。 こんな考えは令和の時代にそぐわない言葉だろう。しかし私は祖母、伯母から幼い頃そのような言葉をかけられ育ってきた。 祖母は大正、伯母は昭和の初め戦後の厳しい時代を生き抜いた九州の女たち。その女たちから受け継がれた「おなごは月を見んほうがええ」呪いのような言葉にも聞こえる。 小さい頃から私にとって月は綺麗なものというよりも先に「見てはいけないもの」と感じていた。見たら何か不吉なことが起こるのではないかと思ったり

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        • 梅雨の短歌評☔️
          3本
        • 短歌を読む🦋すみれちょう📓
          11本

        記事

          約束(推敲)

          約束(推敲)

          スイミーの成長

          保育園の頃、息子はスイミーの絵本を好み何度も読んでいた。と保育園の先生に聞いて家にも絵本を置いてある。 そしていま小学二年生になり、こくごの授業でスイミーがまた登場している。毎日の宿題にスイミーの音読をするのだが、それは親の贔屓目を外しても上手い。感情を込め、スイミーや仲間、語りになりきる姿は森本レオさんを超えるだろう。(と思う。) 私も絵本を取り出し一緒に読んだ。すると、教科書との若干の違いに気付く。大きな違いは絵本は全てひらがなである。そのことを息子に伝えると「そりゃそう

          スイミーの成長

          上半期自選五首

          上半期自選五首

          短歌21世紀7月号掲載小川優子選

          短歌21世紀7月号掲載小川優子選

          先日「怪獣8号」のTシャツを買った。子の好きなキャラである。すましていたが気に入ったようで喜んで学童保育に着て行った。 学校では毎日体操服を着ていて、そのうえに上下のジャージを着て登校している。これもお気に入りの二着を着まわしている。寒いときは問題ないが流石に、6月ともなるとジメジメと暑い。けれど脱ぐ気配はない。 親としては熱中症や、悪目立ちはしないか?など何かと心配が尽きない。 今朝はジャージプラス、怪獣8号のTシャツまで着込んでしまった。朝から「脱ぎなさい」で一悶着。子

          短歌21世紀五月号掲載小川優子選

          短歌21世紀五月号掲載小川優子選

          +2

          耳鼻咽喉歌

          かけっこは苦手

          勝ち負けではないはずなのに‥と思うことがよくある。例えば入試、結婚、就職、短歌etc人生において様々な場面で、どうしても他人と比べてしまう。比べてしまう感情を扱いきれず持て余す。やらかす。ハングリー精神で頑張れるメンタルがあるひとを羨ましく思う。自分は自分。そんなふうにカラッと切り替えることができるには少し時間がかかる。 NHK短歌4月号の付録短歌手帳より おくれても咲くべき花は咲きにけり身をかぎりとも思ひけるかな 藤原為時「後拾遺和歌集」 毎週楽しみにしているNHK大河

          かけっこは苦手

          ねぎらうということ

          体調を崩してしまい、仕事、家事、育児の負担が全て夫にのしかかってしまった。 それでなくても、うちのご主人様は、いつも世間の「夫という生き物」より断然、協力的で羨ましがられるような夫である。けれど私は本人に面と向かって伝えていなかった。「ありがとう」とは言っても、こと細かく伝えていない。なんか気恥ずかしいというか、感謝していることを態度で表しきれていなかった。親しいからこそ気を使わないとあかん。 言葉やカタチで感謝を表すことが大切なんだよなぁ。って反省している。 シンクとか猫

          ねぎらうということ

          万年筆

          子どもがギターを習っているのだけれど、そこの先生が指導の際、ポイントを楽譜に万年筆で書いていく。その様子が何ともカッコ良くてちょっと見惚れちゃう。 もちろんギターを爪弾く姿は言わずもがなにカッコいい。先生のレッスン時、息子もそれなりに弾けるのをみるとまたまたカッコいい。 話がそれたけれど、万年筆欲しいなって思った。自分の短歌を詠むとき万年筆で書き残すなんて超カッコよくないか? 両の手で万年筆の蓋を開けインクがリズムを奏ではじめる

          ライナスの毛布

          先日子どもが夜中に嘔吐した。 毛布の上に何度も。心配なのでとりあえず夜間救急受診し胃腸炎ということで嘔気どめをもらって帰宅。幸い数日で回復しことなきを経た。 いつものように寝かしつけ「毛布をかけて‥」これが家族みんなの布団と毛布を全て被って3、4枚に埋もれて眠るのが恒例。 多分、布団の重みが落ち着くのだろう。寝入ったところで毛布や布団を剥いでという感じ。 ところが、先日の嘔吐で汚れた毛布はどうしようもなかったので処分していた。 その毛布がないことに激怒。号泣。 なだめても

          ライナスの毛布