綱渡鳥@目指せ学芸員2.0

中世考古学が専門の行政内研究者。夢は晴耕雨読。歴史文化の価値が高まる社会の実現を目指す…

綱渡鳥@目指せ学芸員2.0

中世考古学が専門の行政内研究者。夢は晴耕雨読。歴史文化の価値が高まる社会の実現を目指す。仕事ポートフォリオ:自治体学芸員として【松島町歴史文化基本構想】考古学者として 【2018「中世」『宮城考古学』20】

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第1回 自己紹介

はじめまして綱渡鳥(つなわたりどり)と申します。 このハンドルネームは大学生の頃から使っていて愛着があります。 別に実名を出しても困ることはないのですが、ネット上での名乗りはこちらの方がしっくりくるので、こちらを使わせていただきます。 どうしても実名をお知りになりたければ連携しているFacebookをご参照ください。 1 立ち位置の説明中世考古学が専門の行政内研究者です。 言葉の意味を少し説明しますと、 考古学はモノから歴史を研究する学問です。 日本で言うと中世

    • 第1479回 2024/5/28〜6/4の歴史ニュース

      1、安全第一でいこう 5月は忙しく過ぎ去って、いつのまにかもう6月。 ラジオからは一年の半分が…という穏やかでないワードも聞こえてきました。 個人的には6月は運気が下がりがちなので、より一層注意を払っていこうかと思います。 さて、いつものようにヘッドラインの後ろのRはX(旧Twitter)でシェアした時のリアクション数、コメントが付いたらCと表記しています。 ちなみに前回はこちら。 2、ニュースヘッドライン ①三重県多気町の郷土資料館で資料収集方針を明確化 R5

      • 第1478回 江戸の旗本のお墓を掘る

        1、読書記録351 本日ご紹介するのはこちら。 竹内俊之編 2022『東京都新宿区 市谷柳町遺跡Ⅳ(緑雲寺旧寺域)』株式会社四門 お世話になった方からご恵送いただきました。 本稿ではご遺骨など生々しい画像は掲載しませんが、お墓の遺構写真は出てくるので、苦手な方はスクロールせずにここで閉じていただけると幸いです。 2、個人の歴史がここまで明確に 調査地点は牛込川田窪の谷筋で、牛込七軒寺町と呼ばれる境内地や大名の下屋敷などが散在する地域です。 延宝4~7年(1676

        • 第1477回 創建1300年記念に合わせた指定ラッシュ

          1、読書記録350 今回ご紹介するのはこちら。 月刊文化財 令和6年6月号 通巻729号 ◆新指定の文化財ー美術工芸品ー 今回のテーマは美術工芸品、ということもあり、指定件数は膨大なものとなりました。 2、多賀城フィーバー 国宝に指定されたものは 京都市大報恩寺 木造六観音菩薩像 木造地蔵菩薩立像 文化庁保管 和漢朗詠集         奈良県 金峯山神社 金峯山経塚出土紺紙金字経           (経箱と分割して国宝指定) 宮城県多賀城市 多賀城碑 三

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        • 週間歴史にゅーす総まとめ
          258本
        • 読書記録
          376本
        • 文化財調査報告書
          73本
        • 日本刀
          106本
        • ミュージアム見学
          34本
        • 狛犬探訪
          3本

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          第1476回 2024/5/19〜27の歴史ニュース

          1、ずっと体がいたい 今週は仕事で仙台城に登城して、休みの日にたまたまカフェに行ったら駐車場から何故か山越えして行かされたり、山城調査にでかけたりと 1日おきぐらいで足腰を使ってたためか、ずっと筋肉痛でした。 さて、いつものようにヘッドラインの後ろのRはX(旧Twitter)でシェアした時のリアクション数、コメントが付いたらCと表記しています。 ちなみに前回はこちら。 2、ニュースヘッドライン ①鳥取県境港市で出土し、行方不明になっていた後期旧石器時代の人骨を発見

          第1476回 2024/5/19〜27の歴史ニュース

          第1475回 漢詩の勉強会②

          1、老師の人柄 瑞巌寺老師の漢詩講座第2回受講してきました。 ちなみに第1回目のレビューはこちら。 2、儒学者は当時の専門人材 今回は頼山陽にテーマを絞って紹介されました。 頼山陽(1781〜1832)は大坂生まれの思想家で『日本外史』という著作で知られています。 父の頼春水も儒学者として広島藩浅野家に仕えていますので、幼少期から英才教育を施されたのでしょう。 漢詩も散文も両方優れている者は稀だ、と老師は強調します。 例えば空海、弘法大師は散文は上手いが、漢詩

          第1475回 漢詩の勉強会②

          第1474回 2024/5/5〜19の歴史ニュース

          1、再発見しました 仕事の一つのヤマが終わりました。 と言っても私はサポート役を務めて講座の前座をやっただけですが せっかく専門家の方をお呼びして調査してもらったので、 しっかり成果が上がって、地域の方に還元できてホッとしました。 今月はまだ主担当の委員会と展示作業が一つ残っているのでまだまだ一息とはいきませんが、こなしていくしかありませんね。 さて、いつものようにヘッドラインの後ろのRはX(旧Twitter)でシェアした時のリアクション数、コメントが付いたらCと

          第1474回 2024/5/5〜19の歴史ニュース

          第1473回 川崎町の砂金氏

          1、読書記録349 今回ご紹介するのはこちら。 川崎町の文化財第13集「城館」 発刊したばかりの城館調査報告書です。 2、お城のことについては本書をご参考に 東北福祉大学名誉教授の吉井宏氏らを中心とした有志で調査した小野城と前川本城を中心に、本砂金城、前川城、大森山館、上楯城、小屋館山館、今宿清水城館遺跡の8件の城跡について遺された絵図、縄張図、赤色立体図などを駆使し、川崎町内の城跡について現在までの到達点を示した報告書。 また前段には元仙台市博物館市史編纂室長の

          第1473回 川崎町の砂金氏

          第1472回 飢饉より恐ろしいものは

          1、読書記録348 今回ご紹介するのはこちら。 藤木久志2018『飢餓と戦争の戦国を行く』 本書のキモは8年ほどかけて作られたという中世の飢餓をひきおこす災害に関するデータベース。 平成5年、1993年の冷夏による東日本の大凶作に衝撃を受けて調べ始めたといいます。 中世の記録や古文書に旱魃、長雨、疫病や飢饉に関わる記事を見出して年表風にしたもの。 7000項目余りのデータベースから1150年から1600年までの450年分が本書に掲載されています。 これを一覧する

          第1472回 飢饉より恐ろしいものは

          第1471回 2024/4/22〜5/4の歴史ニュース

          1、満喫している感はある GWも半ばが過ぎましたが、みなさまはいかがお過ごしでしょうか。 私は前半で地元サッカーチームの試合をスタジアムで観戦したり、庭でBBQ、石碑巡りツアーの下見をこなし 後半戦は息子とゴジラの映画をみたり 自宅の庭いじりからの日帰り温泉で汗を流す、など 休日をしっかり満喫しております。 さて、いつものようにヘッドラインの後ろのRはX(旧Twitter)でシェアした時のリアクション数、コメントが付いたらCと表記しています。 ちなみに前回はこち

          第1471回 2024/4/22〜5/4の歴史ニュース

          第1470号 いつかは漢詩を読めるようになりたい

          1、禅寺で漢詩を学ぶ 本日は先日参加したこちらのご紹介。 宮城県松島町の瑞巌寺で老師による漢詩についてのご講話。 全4回のうち第1回目は4月14日に開催されました。 2、漢詩は人類の宝 初回ということもあり、まずは漢詩の歴史から。 老師は中国春秋時代にまとめられた『詩経』に始まり、8世紀初頭、唐の時代には完成した、と評していました。 日本最古の漢詩集『懐風藻』は天平勝宝三年(751)に成立したとされていますが、藤原不比等やその子ら最上層の貴族は除くと 大多数の

          第1470号 いつかは漢詩を読めるようになりたい

          第1469号 2024/4/4〜21の歴史ニュース

          1、世界観に浸れる読書に勝る喜びはない 4月ももう20日。 ミヤギでも桜は散ってしまいましたね。 今日は予定していた調査が同行者の体調不良で中止になったり、図書館来てみたら休館していたりと、ままならないことが多い1日でしたね。 その代わり楽しみにしていたファンタジー小説の最新作を1日で読み終えてしまいました。 これもまあいい休日ですかね。 さて、いつものようにヘッドラインの後ろのRはX(旧Twitter)でシェアした時のリアクション数、コメントが付いたらCと表記し

          第1469号 2024/4/4〜21の歴史ニュース

          第1468号 いつか日本刀を買おうと決意した

          1、日本刀は買えないけど 先日こちらにお邪魔してきました。 ちゃっかり私も写っていますが、 「刀剣商による日本刀基礎講座」ということで きっちり座学を受けた後に刀の持ち方、鑑賞の仕方を学んできたので 少しだけシェアさせていただければと思います。 2、現状と課題、そして魅力 まずは日本刀の現状。 現在日本の法律、銃刀法で所有が認められる美術品としての刀は約230万本。 この数字を多いとみるか、少ないとみるか。 蔵から新しく見つかった!などの場合は警察署に発見

          第1468号 いつか日本刀を買おうと決意した

          第1467号 人の心性はこんなところに現れるもの

          1、読書記録347 本日ご紹介するのはこちら 平野多恵2024『おみくじの歴史: 神仏のお告げはなぜ詩歌なのか 』吉川弘文館(歴史文化ライブラリー 583) 2、こんなおみくじがほしい 日本人でおみくじを一度も引いたことがない、という人はなかなかいないのではないでしょうか。 それだけ身近なものなのに、意外とその歴史は知られていません。 本来容易に決断できない時に、それを神仏にうかがうためのもの。 甲骨文字として漢字のルーツにあたる、中国で占いに使われた亀の甲羅に

          第1467号 人の心性はこんなところに現れるもの

          第1466号 2024/3/23〜4/3の歴史ニュース

          1、新年度になりました! なんかぬるっと始まりましたが、いまいちペースが掴めずイライラしがちな4月です。 どうも歯車がうまく噛み合わないこと多いし。 こんな時には何をして気分転換しましょうね。 さて、いつものようにヘッドラインの後ろのRはX(旧Twitter)でシェアした時のリアクション数、コメントが付いたらCと表記しています。 ちなみに前回はこちら。 2、ニュースヘッドライン ①滋賀県近江八幡市で川の中洲から前方後円墳を発見 R18 ②奈良市の富雄丸山古墳で

          第1466号 2024/3/23〜4/3の歴史ニュース

          第1465号 郷土の偉人を調べるきっかけに

          1、読書記録346 本日ご紹介するのはこちら。 https://bookmeter.com/books/21702804 古田義弘2023『仙台領に生きる 郷土の偉人傳Ⅴ』 住宅問題評論家から郷土史家へと変遷した稀有な経歴の持ち主の著者。 あとがきには米寿を迎えた、とありますからそのバイタリティに驚かされます。 しかもすでに郷土の偉人傳も5冊目ということ。 やはり継続することは素晴らしいですね。 2、文化人により惹かれる 既刊でも江戸から明治大正昭和の偉人た

          第1465号 郷土の偉人を調べるきっかけに