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母のスマホを自分の手で機種変更する

先日、母のスマホを新調した。


およそ3年ほど使い続けていた母のスマホは、この頃使いにくくなっていると悩まされていた。

各々のアプリがアップデートを繰り返していくうちに、容量がいっぱいとなってしまう他、使い始めの時よりも動きがニブイと嘆いていたらしい。

母は昨年あたりから、そろそろ機種変更をするべきだろうかと、検討していたところであった。だが案の定、各機種の異常な値段の高さに抵抗を覚えてしまい、この日に至るまで変えず仕舞いとなってしまう。


元から機械音痴である母は、本体の機能だの料金プランが何だのと、細かい話においては全くついていけてない人だ。

そのためスマホを変えようと、キャリアショップに行く話が上がっていたが、なぜか私に「不安だから一緒にお店までついてきてほしい」と云ってくる惨状だった。

数年前にガラケーを使用していた時期まで、普通に一人でショップに出かけていた姿は、一体どこへ消えてしまったのか…。とは考えてみたものの、改めて振り返ってみれば、それは致し方のないことでもあった。


iPhoneやAndroidなどのスマートフォンが世に放たれてから、すでに10年は経過しているものの、未だに複雑な部分はあるがゆえに、使いこなせていない人は少なからずいらっしゃる。

母についても、スマホの使用歴はまだ日が浅い方である。ほとんどのアプリを使っていないものがある上、色々と懸念している様子はわからないわけでもない。

ただ、このまま店員さんの云われるがままに、機種を変えたり料金のプランも変わってしまった日には堪らないものだ。現在よりも、多くのお金を支払わなくてはならない事態に直面するのは、もはや目に見えていた。


そんな母に「じゃ、こっちの手で変えてみようか?」と、私は打診してみるのであった。



私は一人暮らしを始めるタイミングから、再度スマホに手を出すあたりで、格安SIMを使うようになった。

そこからは今使っているiPhoneを含め、本体購入からSIMの設定までの機種変更に関わる工程を、ショップの店員さんなどといった第三者を介さず、ほぼほぼ自分でおこなっている。


今やSIMフリーの機種は、数年前と比べたらだいぶ出回ってきた印象だ。Amazonのみならず、家電量販店や各メーカーの公式通販などを探せば、品数は粗方取り揃えてある。

それにうまくやれば、キャリアショップで機種変更するよりも、割りかし安上がりで済むことができる。その代わりに、万が一本体自体に何かしらの問題が発生してしまった日には、自分の方にしわ寄せが来ることは間違いない。

とはいえ、どの道…というかこれまでも事あるごとに、母からスマホの操作方法を中心に、いろんな質問等が飛び交ってきている。

変に他からのアドバイスを鵜呑みして、収拾がつかなくなった状態でこられるのも、正直にしゃくだと感じる部分はある。ならば、初めからこちらに聞いてもらった方が、金銭面を含むあらゆる事柄においても救われると思うのだ。


自分で云うのも難だが、大体の解決法は心得ているつもりである。そして、ようやく手元に届いた新品のスマホと、予め入手しておいた情報を元に、初めての試みとして一作業を進めていくのだった。




そうして先日、ショップを介さずに自分の手で、母のスマホの新調作業を終えたのだった。

一昔前よりも、一個ずつ設定だったりダウンロードし直さなければいけなかったものと比べて、いくらか容易にはなった。USBケーブルで接続するなり、自宅のWi-Fiを繋ぐなどして、データ移行が簡単にできるようになったのは正直ありがたい。

ただ思ったよりも、作業完了に一時間以上も時間を有してしまった。そのうえ、LINEやキャリアメールのバックアップから引き継ぎまでは、かなり手こずったものだ。

自分のものを自分で変える分ならまだしも、今回に至っては自分で言い出したとはいえ、人様のものを支障きたすことなく設定しなくてはならない。

それでいて、一つでも工程を外してしまうような失敗が許されない中、果たしてデータを引き継ぎできるか不安になりながらも、プレッシャーは口に出さずとも計り知れないものがあった。


一部のアプリでログインする作業は母でやってもらうとして、他全般の設定は完了している。ここ2、3日間様子を見続けていたが、今のところは何の不自由もなく快適に操作できているようであった。

我ながら、なんとかうまくいくことができた。これなら、自分以外の人のスマホの機種変更の作業を代行できそうだ…とも考えてみたが。

やはり今の自分の力量では、到底カバーし切れないものがあると痛感したのである。今回については多少時間を有して設定することができたが、場合によってはさらに時間がかかることもあれば、想定外のトラブルに見舞われることもあろう。

もしも本気でやるという意思があるなら、今よりもさらに経験を積まなくてはならない。加えて、それらの未曾有の事態に備えて事前に情報収集に取り掛かるなど、万全の体制にしなくてはならない。

それも一から十までのことを完璧にできるくらいの…。


ちなみに今回の作業で失敗したものがあるとするなら、保護フィルムをうまく貼り付けられなかったことだろう。貼り付けしようとした途端に埃が入ったおかげで、わずかばかりの気泡ができてしまった。

その結果、貴重な一枚をムダにしてしまったのが、今でも悔やまれる。

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