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教育学部で学んだことは意味がない


 「大学で学んだ理論は全く使えない。大学で学んだことは、現場では何も役に立たない。」

 と主張される方々に僕はたくさん出会ってきました。

 僕自身も、現場でそれを痛感する日々です。

 ただ一方でこうも思うんです。


「未来を育てている僕たちが、最新の理論を否定していいのか??」










「いや!ダメだろ!!」 




 


 理論って何でしょうか?

 僕は現代社会を形作っている基盤だと捉えています。

 じゃあ何のために日々、最新の理論が生成されていくのでしょうか?

 より良い社会を作っていくためだと思っています。現代社会の課題をもとに「こうありたい」という理想を掲げ、これらの道筋を示したものが最新の理論であると考えます。最新の理論とは理想を具体化したものであり、未来に託す願いでもあるのだと思います。

 だとすれば大学で学んだ最新の理論を我々教員が否定することは、より良い社会を作っていくという意思を放棄することと、同義なのではないでしょうか??

  そう考えた時に、「大学で学んだ知識を現場で活かしていこう!」と意欲をもって入ってきた若手教員が、強力な現実を前に「大学で学んだことは意味がない」と理論を切り捨ててしまいがちな現状は非常に危機的なことだと感じます。

 このような現状からはきっと、新しい教育は生まれません。

 

 では、これらの危機的な状況(だと勝手に思っている)に対応するために、僕が上の世代の先生方にお願いしたいことはただ一つです。

 「すぐにはうまくいかないかもしれない。これまでよりも教育力は落ちるかもしれない。すぐに戦力にならないと思うし、先輩たちに迷惑をかけまくると思う。ただでさえ、戦力が足りない現状ありです。でも、やらせてください!」

 僕たちの世代はこれからの変化の激しい時代で新しい教育を作っていかなくてはいけない世代です。(っていうかどの世代もそうです。)

 そのために、新しい教育を実践していくための理論を大学で学んできました。だから、先輩たちから見たら「????」な実践でも、成長していないように見えても、見守って頂きたいのです。(怠惰は別です。厳しく叱ってください)。

 そして、できることなら、若手の意見も「現実を知らない若造の意見」として聞くのではなく「最新の理論を学んだ若者の意見」として聞いて頂きたいのです。

  そしたら、若造はきっと勝手に理論と現実のバランスを見極め、主体的に先輩方の技術を盗んで学んでいくと思います。

 これをすることで、理論を諦める新人が減り、新しい教育が生まれる素地が生まれるのではないでしょうか。



 僕個人の話をします。

 僕は何となく、学校の中で見守ってもらっているような気がするんです。

 突飛なことをして失敗しても、結果が出なくても、やり方を否定されることはあまりありません。

 
 僕は同期に比べて重要な仕事を任せてもらえないことに悔しさを感じていましたが、よくよく考えたら

 「即戦力にならなくてもいいから。失敗しても良いから。迷惑かけても良いから。たくさんチャレンジしてごらん。」

 っていう計らいなのかもしれません。

 だから僕は、理論を諦めず、自分が信じる「新しい教育」に向けて進んでいけたらなと思います。そしていつか、自分が先輩にしてもらったように、後輩を見守り、失敗を引き受けて挙げられるようになりたいです。

 


  先輩方、いつも見守って頂き、本当にありがとうございます☺️


  




 

 

 


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