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本当の喜びを

(俺にとっての喜びってなんだろう)

2022年1月、その年から千葉県3部リーグに参入予定のNAGAREYAMA F.C.のトライアウトに参加した。アップとゲーム形式で行われ見知らぬ選手達が集い合格を勝ち取るために皆が奮闘していた。あの日の出来は正直いけたって思っていたし入団する気満々で家に帰ったが結果は案の定不合格。正直過去に別のチームにトライアウトにいき落ちたことが無かったためショックでしかなかった。ただ諦めたくなくて不合格のメールに返信をした。自分の過去の動画も添えて。
今思えば必死すぎたな(笑)って思うけどこの1ヶ月後、安芸代表から練習参加のメールを受け取った。ガッツポーズをしながら喜んだ。
そして数回の練習と練習試合で入団することが決まったのだ。
日本に来て一番お世話になった流山の街で流山のチームでJリーグを目指すことに情熱が止まらなかった。
安芸代表の強い思い、環境や備品そして選手ファーストをモットーに立ち上げたこのチームに大きな可能性とその思いに応えたいという気持ちが芽生えた。ただサッカーをするのではなく、誰かのためにサッカーをすること。もちろん、自身のキャリアのために努力するのは当たり前だけどそれ以上に応援してくださる方々がいるということ。今この状況に甘えず何か一つでも貢献することを学ぶことができた。土曜日のクリーン活動やファン向けのイベント、スポンサー会社様とのお食事など色々な場面でサッカーを中心に繋がっているのを知った。これが地域活性化にも繋がっていくんだなと。流山市は全国1位を誇る子供たちの街。その利便性の高さ、市長の街づくり改革のおかげで育成面として伸び伸びと成長できる環境にある。その流山市にJリーグを目指すチームができるなんて憧れでしかない。茨な道だけどそれでもそこに希望があると分かったから努力できたんだ。

シーズン通して私は3ゴールしか決めることができなかった。正直悔しい。でも、所属している高いレベルの選手達の実力を肌で感じて毎回の練習で一個でも盗める技術を盗んで練習に励んでいた。
転機が訪れたのは2022年9月だった。知り合いからのお誘いもあり、自分は故郷・香港のプロチームであるHongKong Football Clubに連絡をした。
コンタクトを取り合いながら少しずつだけど自分の移籍についての話も具体的になった。ただ葛藤があり、流山でJを目指す。この夢を叶えたい。けど、その頃には自分は何歳になっているのだろうか。21歳の自分からしたらもっと若いうちにプロに挑戦したい気持ちもあった。決断し難い日々が続いたが、香港に戻りHKFCに移籍することを決めた。悩んだ末に出した答え、後悔などない。
プロになることが一番の夢で叶えなくてはならない約束でもあったからだ。
だからこそシーズン残りわずかだったけど必死に練習に励み中川監督とも戦術やサッカーに大事な知識を学んで大坪コーチにフィジカル面で科学的根拠に基づいたトレーニングを実践し中井整骨院さんにて高山先生にケアの部分をしてもらった。
そしてつづくさんで美味しいご飯食べて。

プロになるための意識改革をしていくためだった。

そして2022年12月、シーズン最後の試合。
相手は流通経済大学だった。香港に帰国すると決断をした自分にとって最後の試合だった。自分にとっては全部を出し切るというメンタルより今後のためのテストマッチというメンタリティで臨んだ。実を言うと、その2日前にコロナから療養を終えたばかりで監督とコーチも自分をあまり出さないプランでいたが、アクシデントも起き急遽ピッチに入った。
けど、自分も予想だにしていないくらい走れていたしやり合えた。サイドでのドリブル突破も一番大きな自信となった。そしてあっという間に試合が終わり、1:4で敗北したがここまで来れたんだって嬉しくなった。
努力した先に何があるかはわからない。それでも努力することに深い理由はない。好きなことのためならば乗り越えられる。そして心が嬉しい気持ちでいっぱいになった時に初めて本当の喜びを感じることができるんだ。

そして2022年2月に香港に渡った。冬の移籍市場に間に合わなかったためセカンドチームでのスタートとなったが着々と結果残すことができ来季トップチームの帯同許可を得ることができた。

私はまだ何も成し遂げてはいない。プロという夢がある限り何度だって喰らいつく。それでもこれまでの過程で「失敗」をしたという事実があり経験がある。そして何度も何度も「成功」に変えてきた。私の人生はその繰り返しなのだ。

「これから待っている未来はどうなんだろう。
プレミアのチームと試合することもあるのかな?(笑)」
と軽い気持ちでいた自分がそう遠くない未来に初の国際大会でアストンヴィラとも戦うことをこの時の自分はまだ知らない。

-HK Soccer Sevens -

次回:香港での活動が始まり洗礼を受けながらも必死に足掻く。そしてシーズン途中にまさかのお誘いに。その先に待っていたのは、、


次回もお楽しみに!

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