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英国判例紹介

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ロンドン在住、日英の両資格を持つ弁護士です。イギリスはコモン・ローを主体とした先例法の国です。そのため、日本にも増して判例が重要な位置を占めています。そこで、①国際法務に役立ちそ…
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記事一覧

【英国判例紹介】Morris v Murray ー危険の引受けの抗弁ー

こんにちは。 お読みいただきありがとうございます。 今回ご紹介するのは、Morris v Murray事…

【英国判例紹介】Walford v Miles ーロックアウト条項・誠実交渉条項の有効性ー

こんにちは。 お読みいただきありがとうございます。 今回ご紹介するのは、Walford v Miles事…

【英国判例紹介】Tulk v Moxhay ー土地承継人に対するコベナントの執行ー

こんにちは。 お読みいただきありがとうございます。 今回ご紹介するのは、Tulk v Moxhay事件…

【英国判例紹介】Chester v Afshar ー手術のリスクの不告知と損害の因果関係ー

こんにちは。 お読みいただきありがとうございます。 今回ご紹介するのは、Chester v Afshar…

【英国判例紹介】Butler Machine Tool Co v Ex-Cell-O Corp (England) ー書式の戦いー

こんにちは。 お読みいただきありがとうございます。 今回ご紹介するのは、Butler Machine To…

【英国判例紹介】King v Dubrey ー死因贈与の法理ー

こんにちは。 お読みいただきありがとうございます。 今回ご紹介するのは、King v Dubrey事件…

【英国判例紹介】Gray v Thames Trains Ltd ー違法性の抗弁ー

こんにちは。 お読みいただきありがとうございます。 今回ご紹介するのは、Gray v Thams Trains Ltd事件(*1)です。 不法行為における著名な判例であり、違法性の抗弁に関するリーディングケースです。 なお、このエントリーは、法律事務所のニューズレターなどとは異なり、分かりやすさを重視したため、正確性を犠牲しているところがあります。ご了承ください。 事案の概要ある男に起こった悲劇 ロンドンの自治体で働いていたグレイ氏は、健康で何不自由ない生活を送って

【英国判例紹介】Cavendish Square Holding BV v Makdessi ー違約罰として無効な条項…

こんにちは。 お読みいただきありがとうございます。 今回ご紹介するのは、Cavendish Square …

【英国判例紹介】Hadley v Baxendale ー契約違反に起因する損害の遠隔性ー

こんにちは。 お読みいただきありがとうございます。 今回ご紹介するのは、Hadley v Baxendal…

【英国判例紹介】Autoclenz v Belcher ー労働者の契約の合目的的な解釈ー

こんにちは。 お読みいただきありがとうございます。 今回ご紹介するのは、Autoclenz v Belch…

【英国判例紹介】Fairford Water Ski Club v Cohoon ー取締役の利益相反の申告義務ー

こんにちは。 お読みいただきありがとうございます。 今回ご紹介するのは、Fairford Water Sk…

【英国判例紹介】Chappell & Co v Nestle ー"sufficient"な約因ー

こんにちは。 お読みいただきありがとうございます。 今回ご紹介するのは、Chappell & Co Ltd…

【英国判例紹介】Burmah Oil v Lord Advocate ー制定法による判決の遡及的変更ー

こんにちは。 お読みいただきありがとうございます。 今回ご紹介するのは、Burmah Oil v Lord…

【英国判例紹介】Fearn v Tate Gallery ーガラス張りの家に住むのは自業自得か?ー

こんにちは。 お読みいただきありがとうございます。 今回ご紹介するのは、Fearn v Tate Gallery事件(*1)です。 この事件は、不法行為法における私的迷惑行為(private nuisance)について、2023年に出された新しい判例です。 事件名からも分かるとおり、ロンドンの国立現代美術館であるテート・モダン(Tate Modern)が当事者となった事件で、それなりに社会的な注目も集めました。テート・モダンを訪れたときの話のネタにするぐらいの気持ちで、