鳴神隼のただ一人の為の推理 二話
二.第一章②:君の為ならば推理などやってのけよう
はぁと琉唯は溜息を零した。それも隣を歩く隼のせいである。彼はサークル勧誘をしてきた部長に苛立っているようなのだ。琉唯に何を言って誘惑しようとしたのかと。隼に好意があるという邪なことは言わずに「サークル勧誘を受けて断るためにミステリー研究会に行ってくる」と訳を話したらこれだ。
別に誘惑されたわけではない。と、いうか部長の狙いはお前だよと言ってやりたいのだがやめておく。余計に面倒なことになるからだ。自分に近づくために琉唯を