見出し画像

スマホ脳

いきなりですが、質問です。

私たちは一日に何回スマホを触っているでしょうか?





答えは・・・



2600回以上!


おそらくこれを読まれている人のほとんどが一日の多くの時間をスマホに支配されているのではないでしょうか。

「いや、俺はしっかりとスマホを使いこなし、スマホは自分の生活を豊かにしている!」と反発される方もいるかもしれませんが、この本を読めばきっとそんな威勢のいいことは言ってられなくなります。なぜなら本書の著者であり、スマホと脳科学の関係においては第一人者でもあるハンセン氏自身がスマホの奴隷になっていることを認めているからです。そして、あのスティーブ・ジョブスやビル・ゲイツは自分の子供たちにはスマホやタブレットの使用にかなり制限をかけていたのは有名な話です。そのくらいスマホは厄介な奴なんです。

スマホ依存

スマホは依存性が高いのは誰もが知るところですが、なぜそんなに我々はスマホに依存してしまうのでしょうか。

原因は簡単です。脳がスマホを欲するからです。

「ドーパミン」はご存知の通り『快楽』にかかわる神経伝達物質で、快楽を得られるように駆り立てる脳内物質です。スマホはこのドーパミンをどんどん放出させ、スマホ中毒が出来上がるのです。

なぜスマホでドーパミンがたくさん生成されるのかというと、スマホに対する『期待感』がそうさせていると言えます。著者曰くスマホを持っていることは「ポケットに一日中できるカジノが入っているようなもの」だそうです。ギャンブルをやらない私はこのたとえがいまいちピンときませんが、中毒性においてはギャンブルもスマホもどちらもそん色なくやばいことは想像に難くありません。要はギャンブルなら「次は勝てるかもしれない!」という期待感が、スマホであれば「SNSにいいねが押されているかもしれない」「面白い動画やつぶやきがあるかもしれない」などという宝探し的な期待感があるから、ついつい手に取ってしまうのです。

スマホ依存を自覚していますか? (出典:MMD研究所)

実際に、「スマホ依存か」という質問に対して、50代を除くすべての年齢層で80%以上の人たちが「かなり/やや依存している」と答えています。5人中4人が依存傾向ということになります。

スマホ依存度チェック(出典:MMD研究所)

さて、皆さんの依存度はいかがでしょうか。私は依存していないと自覚があり、当てはまるのは「ちょっとした待ち時間にスマホをいじる」と「移動中スマホを持ち歩きチェックしている」の2つだけでした。(何個以上当てはまったら依存なのかは知りませんが、2個ならセーフですよね?)

私はこの本を読む前からスマホの恐ろしさは理解しており、ゆえに仕事中は必ずカバンの中にしまっています。(同僚はポケットの中に入れている人や机の上に置いている人が多いです)

ただし、スマホの誘惑に負けることも毎日のようにあります。特に通勤中によく誘惑に負けます。電車の中では本を読むと決めているのですが、特に帰りは疲れているせいもあって、スマホでニュース記事やSNSを見てしまうことが多いです。(難しい内容の本を読みたくない)

スマホの恐ろしさ

言うまでもなく、スマホは心身に害を及ぼします。

  • 肩こり

  • 腰痛

  • ストレートネック

  • 眼精疲労

  • スマホ老眼

  • ドライアイ

  • 猫背・巻き肩

  • うつ病

上記はスマホの害悪として知られるものですが、他にも学習能力・記憶力・集中力が低下するという研究結果が出ています。

2014年のプリンストン大学の研究では、スピーチ動画を紙とペンでまとめるグループと、パソコンでまとめるグループとで比較した場合、後者アナログなグループ)の方が内容の理解度が高いことが分かりました。これは、紙とペンでまとめたグループの方は、内容を理解してから自分の言葉でまとめるのに対し、パソコンでまとめたグループは、スピーチをそのまま模写するようなまとめかたになってしまうような違いが出たためと見られています。

ここで少し余談を。

私の学校は全国的にもICT教育の先進校として知られています。私自身もう10年以上板書をしていないですし(基本PPTやGoogle Slide、デジタル教科書、教育系アプリなどを使用)、生徒もMac BookやiPadを持っているので、ノートを取ることは他校に比べたらかなり少ないです。(提出物もほぼ全てオンラインです)

以前にも手を動かしてノートに書くことの効用をどこかのnoteで書いた気がするのですが、実際に便利さにかまけてテクノロジーを駆使した授業を実践しています。本書を読んで、改めて生徒に板書をさせることの意義を考えさせられました。(ホワイトボードの情報(スライドなど)を写真で撮ろうとする子もいますが、以ての外です)

閑話休題。

集中力に関して言うと、テキサス大学が行った調査では、机の上にスマホを置いた学生と置かなかった学生で成績を比べたところ、後者(置かなかった学生たち)の方が成績が良かったそうです。

恐ろしいことに、無意識のうちにスマホの存在を感知しているため、集中したい時でも意識がスマホに向いてしまい集中力が削がれるというのです。

SNSの恐ろしさ

また、本書ではスマホのみではなく、SNSの恐ろしさにも多くの紙面を割いて言及しています。

英国Royal Society for Public Health(RSPH)は2017年に発表した調査レポートで、SNSはタバコやアルコールよりも中毒性が高いと指摘し、若者への影響が無視できない状況まで発展していると警告している。その影響には、心配・うつ、睡眠障害、サイバー空間でのいじめなどが含まれる。

AMP[アンプ] – ビジネスインスピレーションメディア Catch the business inspirations.より引用

ピッツバーグ大学の調査によると、SNSを毎日2時間以上使う人と30分未満しか使わない人では、前者の方が社会的孤独を感じやすいという結果が出ました。これはよく言われますが、SNSは承認欲求モンスターの巣窟のようなところなので、人の幸せや成功などを見るにつれて孤独感が増すという仕組みです。

また、スマホ依存は睡眠時間を削り、睡眠の質を下げます。

特に若者の中には睡眠の重要性を理解していない人が多い気がしますが、それはスマホに依存することで拍車をかけます(ブルーライトの影響もあります)。睡眠の質の低下は健康に有害なのは言うまでもないですが、最悪の場合うつ病にもつながってしまいます。寝る前にスマホを見ない、寝室にスマホを持ち込まない、というのはスマホ脳対策の基本中の基本のようです。

スマホ脳対策

上記の他に、スマホ脳にならないためにどのような対策を講じればよいのでしょうか。

答えはいたってシンプルです。それは「運動をせよ」です。

身体活動量が多い者や、運動をよく行っている者は、総死亡、虚血性心疾患、高血圧、糖尿病、肥満、骨粗鬆症、結腸がんなどの罹患率や死亡率が低いこと、また、身体活動や運動が、メンタルヘルスや生活の質の改善に効果をもたらすことが認められている。

厚生労働省HPより引用

またまた余談ですが、私は週2回走っています。これまでは1回10キロほど走っていたのですが、今年になってなぜかもっと長い距離を走れる気になり、今は毎回15キロほど走っています。これって結構不思議で、もう何年も「10キロ」という壁を自分の中で作っていて、12キロとか15キロ走るって発想は全くなかったのですが、今年はなぜか「15キロ走れそう。なんなら20キロ走るようにして、ハーフマラソンの大会に出たいな」とか思ったのです。もちろん初めの方は体がきつかったのですが、今はもう慣れました。

また、これまでもちょくちょく筋トレをやってきましたが、今年に入ってからは平日は毎日朝活の一環として10分間の筋トレをやっています。筋トレに関してはかつてこんな投稿も昔書きました。

2020年5月には「筋トレ週3回やる」と公言していましたが、まぁ全然できていませんでした汗。↑の投稿でも自分で言っていますが、今回こそ筋トレを習慣化したいと思います。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。スマホに支配されるのではなく、スマホはスマートに使いこなしたいですね。


この記事が参加している募集

読書感想文