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それでも僕は「公教育」にこだわりたい


はじめに

株式会社Libry(リブリー)代表の後藤です。

私たちLibry(リブリー)はデジタル教材プラットフォーム「Libry(リブリー)」を開発するEdTechベンチャー企業です。
「なめらか」に教育を変えていくことをコンセプトに、全国の出版社と提携し、教科書や問題集をデジタル化しながら、AIサポートによる学習の効率化や、宿題をデジタル化することによる先生の働き方改革に取り組んでいます。

リブリーは、2012年、私が大学院生の時に「全ての人たちが、自分の可能性を輝かせられる世界を作ろう」と学生起業し、おかげさまでもう11年間公教育と向き合ってきました。中学高校を中心に、毎年多くの学校に導入され、数十万人の中高生に使われています。
私個人としては、「学習eポータル」や「教育データ標準」に関する有識者会議の委員を拝命するなど、事業で教育に貢献することはもちろん、日本の教育政策を良い形にすることにも尽力しています。

教育業界では、ここ数年、コロナによる一斉休校や、「GIGAスクール」という政策により、子どもたちが1人1台のPCやタブレットを持つようになりました。最近は、ChatGPTなどの生成AIの利用が話題になるなど、教育業界にいまだかつてない大きな変化が起きています。

激動の時代の中で、私たちも大きな波に揉まれ、本当にワクワクする経験も、夜も眠れなくなるほどの悔しい経験もしてきました。

色々と悔しい経験をしている中で、「自分はなぜこの事業をやっているのだろう」と見つめ直す時間がありました。そこで、自分の思考を整理するためにも、自分の考えを周囲により理解してもらうためにも、文字に残すことにしました。

「なぜこの事業をやっているのか」は既に下の記事があるので、今回は「なぜ私たちは公教育にこだわっているのか」を書いていきます。

なぜ「公教育」にこだわるのか

みんなに考え直せと言われた「公教育」

みなさんは、ビジネスをしようと考えたとき、「公教育」や「学校」にどんな印象を持っていますか?

・先生が非常に忙しい
・保守的で変化が遅い
・お金がない
・ビジネスとして入り込みづらそう

当然、先生の中には「強い意志をもって、変革できる人」もいますが、平均したら、この印象は概ね正しいでしょう。

実際、私も起業しようと周囲の大人に事業の相談をしたとき、十中八九「学校向けはやめたほうがいい。塾の方が絶対儲かるから、塾向けにするべきだよ。」とアドバイスを受けました。

では、周囲からそんなことを言われたのにも関わらず、なぜあえて「公教育」にこだわっているのでしょうか?

誰かがやらなきゃいけないなら、俺がやる

その答えは、リブリーの「志(ビジョン)」にあります。
リブリーは「一人ひとりの可能性が最大限発揮できる社会をつくる」というビジョンを実現するために起業しました。

私たちが「可能性を最大限発揮」できるようにしたい「一人ひとり」とは、
「塾に通うお金がある親の子」だけじゃなく、
「教育に積極的にお金を使おうという意志にあふれる親の子」だけじゃなく、
「先進的な教育を実践しようとする先生の生徒」だけじゃなく、
この世に生を受けた”全ての人たち”の「可能性」を開花させる支援がしたいんです。(わがままですね)

一方で、塾に通っている子どもたちは、中学生で6割、高校生で3〜4割。
それでは、全ての塾に導入されたとしても、全ての子どもたちにアプローチはできません。

中学は義務教育なのでほぼ100%の子どもたちが通います。また、高校への進学率は97%程度です。
私たちが「一人ひとり」にアプローチするのであれば、塾でもなく、直接個人に学習アプリを売るのでもなく、公教育に浸透させられる事業じゃなきゃダメだと考えました。(学校に通えない子向けの支援はまた別の方法でやりたいです)

さらに言うと、一部の学校だけで導入されるようなサービスではなくて、全ての学校に導入されるようになりたい。
全ての子どもたちが"必ず"使うもの...それは「教科書」なんです。

ということで、一人ひとりが自分の可能性を最大限発揮できる社会をつくるために、私たちがやることが決まりました。
「公教育」、その中でも学校で必ず使われる「教科書」や「問題集」をデジタル化することで、全ての子どもたちにアプローチできる高速道路をまずは作ろう。並行して、リブリーを、子どもたちが「自分の可能性」に気付き、それを発揮させられるサービスに進化させていこうと考えました。

「公教育を変えること」のハードルが極めて高いことは、最初からわかっていました。
ただ、「ハードルが高いからやめる」と言って、全ての人たちが公教育から目を背けてしまったら、日本の教育の根幹たる「公教育」に変化は訪れません

誰かがやらなきゃいけないんです。
本当に「一人ひとり」を目指すのであれば、「できない理由」を探すのではなく、「どうすればできるか」を考え抜いて、どれだけ時間がかかってもやりきる覚悟を持って、挑戦する以外はないんです。
もちろん、想いだけでは社会は変えられないのですが、公教育は参入が難しい領域だからこそ、やりきることができれば、ビジネスとしても大きな成果に繋がると確信を持って、この事業をやっています。

さいごに

私たちが「公教育」にこだわる理由をまとめます。
・リブリーのビジョンの実現には、全ての子どもたちが通う「公教育」を変える必要がある
・険しい道であるが、誰かが変えなければ変わらないので、強い信念を持ってやり切らなきゃいけない

Libryのビジョンに共感し、公教育を本気で変えたいと思っている方は、ぜひこちらを御覧ください。教育を変える熱意のある方をお待ちしています!

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