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様々な撫物

ひな祭りのルーツとして、紙の形代人形で身体を撫でて、悪いものを人形に移すことができました。
それを川に流したり火で焼くなどの処分をしていました。

撫でることによる方法というのは、宗派ごとに様々なやり方があります。

修験道では撫でる時に使うものは、人形ではなく経典錫杖を用います。
病人の体を撫でて邪気を追い出していました。

日蓮宗のやり方ではふきとり紙というものがあります。
これは法華経の文呪術的な図形を書いた紙を用います。
ある種の霊符といったものです。
これによって病人だったり呪われている人の邪気や憑依された霊を拭き取ってしまうという方法です。
ふきとり紙は人の形には切っていないのですが、これも撫物です。

また、こうしたものは償物とも呼ばれます。
これは生身の人間の犠牲となって罪や穢れを代わりに背負って処分されていくわけですが、陰陽道ならではの方法です。

また、しめ縄や松飾りも同じような思想の背景によって成り立っています。
これらも最終的には焼き捨てられていますからね。

罪や穢れを何らかのものに背負わせて厄災を避けるというのは、お正月のものでもあるように、とても身近なものです。
きちんとした思想の背景もあるわけですから、そのようなものも関心がある人は、是非一緒に頑張りましょう。


これからも良い記事を書いていきます。