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金剛頂経概論

真言密教において大日経と並んで重要視されているのが金剛頂経です。

正式名は金剛頂一切如来真実摂大乗現証大教王経と言います。

7世紀ごろに成立し、不空三蔵によって中国によって、空海が日本にもたらしました。

内容は、大日如来が釈迦の問いに対して、自らの悟りの内容を明かして、それを得るための実践方法を説いています。
その悟りの内容を具体的に示したのが金剛界曼荼羅です。

その実践法の中心となるのが五層成身観です。
これは5段階に分かれた方法で、行者の心が本来清浄で、その体が仏の知恵に他ならないことを月輪や金剛杵をイメージすることによって悟りを開きます。
仏と行者が一体化して本来備わる仏の知恵を発見できるように組織だてられています。

大日経と合わせて2つの経典がありますがそれぞれが明確に分かれているわけではなく2つで宇宙の本質を示しています。

これにより、真言密教の世界観を説いているわけです。
ちなみに、天台密教の場合はこれに蘇悉地経を加えた3部立てとなっています。

悟りを開くために、多くの叡智が残されてきていることがよく分かりますね。
このような伝統的な経典には多くのヒントが書かれています。
それを理解するだけでも、かなりのことができるようになるでしょう。
見えない世界について、改めて学んでいきたいと思う方は、是非一緒に頑張りましょう。


これからも良い記事を書いていきます。