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【米国株】次に生成AIの波に乗るのは?8つの中堅ソフトウェア企業を抽出、多角的に分析

直近の決算発表を見ていると、生成AIに関して興味深い傾向が見られます。これまでは「生成AIを活用する」と言っておけば株式市場で好感されていましたが、今は違います。

生成AIによって実際に収益を上げているのか、あるいは実際に成長を加速させているのか、が具体的に見えなければ、株価上昇には繋がらなくなってきているのです。

逆に言えば、生成AIによる収益貢献や成長加速が明確に示されれば、株価上昇が期待できるということです。実際、グーグル(決算日株価+10%)、アマゾン(同+2%)、マイクロソフト(同+2%)は生成AI関連需要によりクラウド事業の成長が再加速していることが好感され、決算発表後に株価が上昇しました。

次に注目されるのは、ソフトウェア業界だと考えています。

もっとも、まだ多くのソフトウェア企業で、生成AI活用を打ち出しながらも、明確な収益貢献、成長加速の事例は少ないのが現状です。マイクロソフト(オフィス・コパイロット)、アドビ、セールスフォース、サービスナウといった大手ソフトウェア企業でも、その傾向ははっきりとは見えていません。

そこで今回は、それらの大手よりも規模が小さい中堅ソフトウェア企業を中心に、生成AIによる成長加速の潜在性を持つ有望株を8社ピックアップしてみました。銘柄選定の方法としては、以下の2点に着目しました。

  1. アナリストが将来の成長再加速、または成長の下げ止まりを予想している

  2. 決算説明会においてAIの活用、収益化について具体的に語られている

包括的な投資判断材料を提供するため、各社について以下の観点から多角的に検討しました。

  • 投資ストーリー(AIの活用と収益化状況)

  • バリュエーション(DCF/PER/アナリスト目標株価)

  • テクニカル(チャート分析)

  • 株主・ファンド動向

取り上げた企業は以下の通りです。
大きく2つのグループに分類できると考えています。

それぞれの企業を見ていきます。

【直近決算の概要に関してはこちら】



パランティア・テクノロジーズ(PLTR)

パランティアは、既に生成AIによって売上成長を目に見えて再加速させている、数少ないソフトウェア企業です。


会社概要

パランティア・テクノロジーズ(Palantir Technologies Inc.)は、2003年に設立されたアメリカのソフトウェア会社で、主にビッグデータ解析を専門としています。同社のソフトウェアは、企業や政府機関が大量のデータを分析して意味のある洞察を得るためのプラットフォームを提供しています。

  • 創業者の一人であるピーター・ティール氏は、PayPalの共同創業者としても知られる著名な投資家である。

  • 当初は米国の諜報機関向けにソフトウェアを開発していたが、現在は金融、ヘルスケア、エネルギーなど幅広い分野の大手企業にもサービスを提供している。

  • 2020年9月にニューヨーク証券取引所に上場。

  • AIやビッグデータ解析の需要拡大を背景に高い成長が期待されており、シリコンバレーで最も注目されている企業の一つとされる。

  • 防衛分野でも活用が進んでおり、宇宙開発におけるAI活用などにも取り組んでいる。


生成AIの活用・収益化状況

パランティアは、自社開発のAIプラットフォーム「AIP」が大きな成功を収めていると報告しています。特に米国の企業向けは、AIPの需要が非常に高く、大幅な売上増加を達成しました。

パランティアがAIPで目指しているのは、単なるチャットボットを超えた実用的なAIツールの提供です。AIPは企業の業務プロセスを自動化・効率化することができ、顧客から高い評価を得ています。導入企業では、これまで数ヶ月かかっていた案件が数日で実現できるようになるなど、生産性向上の成果が表れています。

またパランティアは、自社のAIソリューションに真の競合はいないと自負しています。それは、ソフトウェア基盤とオントロジー(知識体系)を組み合わせた独自のアプローチによるものだそうです。

加えて、顧客企業内で自走できるAIビルダー人材の育成にも注力しています。パランティアが直接関与しなくても、企業がAIを活用していける体制づくりを支援しているのです。


バリュエーション

DCF(ディスカウンテッド・キャッシュフロー)分析とPER(株価収益率)のどちらの手法で見ても、現在の株価には将来の成長期待がかなり織り込まれている水準にあるようです。アナリストも同じような見方をしています。

DCF
DCF分析では、割高ではないものの、パランティアがAI分野で成功を収めるシナリオはすでにある程度株価に反映されています。

【DCF分析の前提】

  • 3年間目までの売上成長、利益率はアナリスト予想

  • 売上成長は15年目に3%まで低下。永久成長率3%

  • 設備投資はアナリスト予想。対売上で同水準継続

  • 減価償却は短期はアナリスト予想。15年目で対売上で設備投資と同水準に

  • 純運転資本(対売上)は過去5年間平均

  • エクイティー・リスク・プレミアム:1%

  • マイノリティ・ディスカウント:15%


PER
PERで見ても、パランティア株は市場平均と比べて割高な水準にあります。

【グラフの見方】
下のグラフは、主要な米国企業上場企業を、X軸に売上成長率、Y軸にPERを取ってプロットしたものです。大きく、「成長率が高いほどPERが高い」という関係が見られます。白い線が市場の平均的な成長率とPERの関係を示したもので、この線より上であれば成長率の割にPERが高く割高、この線より下であれば成長率の割にPERが低く割安、と見ることができます。


アナリストの視点
パランティア株は株価の上昇にアナリスト目標株価が追い付いていない状況です。現状でのアップサイドは大きくないと見られています。

パランティアのAIビジネスは大きな可能性を秘めていますが、現在の株価はかなり楽観的な見通しを織り込んでいるようです。リッチなバリュエーションは上昇余地の限定要因となります。AIによる成長加速を期待しつつも、株価水準には注意が必要かもしれません。


株主・ファンド売買状況

ファンドの法定保有株式届け出から売買状況を分析します。株式のファンダメンタルズとバリュエーションを重視して投資するファンドの動向が重要です。これには、ロングオンリー、ファンダメンタルズ重視のヘッジファンド(HF)、政府系ファンドなどが含まれます。

最新の保有状況(24年3月末)の多くが空欄なのは、ちょうど今が届け出が行われる期間でり、出揃っていないためです。

最新の届け出状況(3月末時点)はまだ限定的ですが、有力なロングオンリーが買い増しの傾向にあります。また、キャシーウッド率いるアークも上位株主として持ち分を増加させています。

また、日本の投資家も大きな持ち分を保有しています。

【留意点】

  • 投資ファンドは四半期ごとに、米国証券取引委員会(SEC)に対してポジションを報告する義務がある。

  • 本データは、各ファンドによるSECへの届け出(13D)から、各企業のファンド保有状況をまとめたデータベースを基に作成されている。

  • ファンドのカテゴリについては、独自の調査に基づいて以下のように分類されている。

    • ロングオンリー:株式の買い持ちのみを行うファンド。

    • ヘッジファンド(HF)ファンダメンタルズ重視:企業の基本的な財務状況や競争力などのファンダメンタルズを重視して投資を行うヘッジファンド。

    • ヘッジファンド(HF)テクニカル重視:株価のチャート分析などのテクニカル面を重視して投資を行うヘッジファンド。

  • データは企業単位での届け出に基づいているため、一つの企業が複数のカテゴリのファンドを保有している場合、各ファンドの持ち分は不明である。

  • ここでのカテゴリは、その企業を代表すると思われるファンドのカテゴリを示している。

  • 特に、ロングオンリーファンドとファンダメンタルズ重視のヘッジファンドの動向が重要である。これらのファンドは、企業の長期的な成長性やバリュエーションを重視する傾向があるため、その動向はプロの投資家がその株についてどう見ているか、に関して重要なシグナルとなる。


チャート/テクニカル分析 

パランティア株の週足チャートを見ると、明確な上昇トレンド線を引くことができます。この上昇トレンド線は、株価の重要なサポートラインとして機能しているようです。

先日の決算発表では、パランティア株は一時的に15%下落しましたが、この上昇トレンドのサポートラインで下落に歯止めがかかりました。また、150日移動平均線(下記週足チャートでは30日移動平均線(黄色)に相当)もサポートとなっており、株価を下支えしています。

テクニカル的に見れば、パランティア株がこのサポートラインと150日移動平均線を割り込むことなく反発できるかどうかが、今後の株価動向の鍵を握っています。


まとめ

パランティアは生成AIによって成長を再加速させている数少ないソフトウェア企業の1つです。他社と一線を画しているのは、短期間で企業の業務プロセスを自動化・効率化できる実用的なAIサービスを提供している点です。

株価については、テクニカル面に支えられて上昇する可能性があります。ただし、ファンダメンタルズの観点からは、将来の成長期待がすでに株価に大きく織り込まれている状況です。


フェア・アイザック(FICO)

フェア・アイザック(FICO)は、信用スコアリングサービスに注力しており、同社の「FICO(ファイコ)スコア」はアメリカの消費者金融において広く使われています。同社のクラウドベースのアプリケーションプラットフォームは、金融機関を中心とする顧客企業が、AIを用いてリアルタイムの意思決定アプリケーションを構築・展開できる環境を提供しています。

会社概要

フェア・アイザック(Fair Isaac Corporation)は、データ分析会社です。主に信用スコアリングサービスに注力しており、同社の「FICO(ファイコ)スコア」は消費者の信用リスクを測る指標として、アメリカの消費者金融で広く使われています。FICOスコアは300~850の範囲で表され、貸し手は借り手の信用力を判断するためにこのスコアを参考にしています。

事業はスコアとソフトウェアの2つのセグメントで展開しています。スコアセグメントでは企業向けのスコアリングソリューション、ソフトウェアセグメントでは分析・意思決定管理ソリューションを提供しています。


生成AIの活用・収益化状況

同社のクラウドベースのアプリケーションプラットフォームは、顧客企業が生成AIを活用したリアルタイムの意思決定アプリケーションを構築・展開できる環境を提供しており、FICOにとって今後の重点投資分野となっています。

FICOは説明可能なAIやモデルガバナンスの分野で20年以上の実績を有しており、偏見検知、モデル構築・実行・監視、ブロックチェーンを活用したモデルガバナンスなどの独自の手法を提供してきました。これらの技術を活用することで、顧客企業は生成AIを安全かつ効果的に活用できます。

プラットフォーム製品の年間収益は前年比32%増と高い成長率を示しており、新規販売と既存顧客の利用拡大の両面で収益増加に貢献しています。生成AIの活用により、既存顧客の利用拡大が促進されていると考えられます。

FICOのプラットフォームは金融機関を中心に100以上の大手企業で採用されており、生成AIを活用したデジタルトランスフォーメーションの成功と戦略的なビジネス成果の達成に貢献しています。同社は責任あるAIの実践にも注力しており、金融サービス業界におけるAIイニシアチブをリードしています。

バリュエーション

FICOの株価バリュエーションは、将来の業績拡大に対する期待を一定程度織り込んだ水準にあります。

DCF
DCF分析では、一定のアップサイドが見込まれます。

PER
PERに着目すると、市場全体の成長率とPERの関係から判断して、FICOの株価は少し割高な水準にあると言えます。

アナリストの視点
2023年以降、株価は大きく上昇しましたが、現在もアナリストの目標株価は株価を上回っています。

総合的に見ると、FICOの株価には生成AIを活用したプラットフォーム製品の拡大に対する期待がある程度織り込まれていますが、それでもなお、株価は大きく割高ではないとの見方ができます。


テクニカル

FICOの株価は、強い上昇トレンドを形成した後、2024年に入り調整しました。その後、足元では再び上値を試す動きが出てきており、上昇トレンドに戻るかどうかが注目されます。株価が直近の高値を抜けることができれば、新たな上昇トレンドの形成が期待できます。


株主・ファンド売買状況

株主・ファンドの売買状況を見ると、FICOの良好なファンダメンタルズを背景に、ロングオンリーの投資家が多いことがわかります。

例えば、T.Rowe PriceやNorgis Bankなどの優良投資家が多数存在しています。T.Rowe Priceは米国の大手運用会社で、長期的な視点で投資先を選定することで知られています。また、Norgis Bankはノルウェー政府年金基金を運用する機関投資家で、グローバルな投資先を厳選して投資を行っています。

これらの優良投資家がFICOの株式を保有していることは、同社の生成AIを活用したプラットフォーム製品の拡大による業績拡大シナリオを評価している証左と考えられます。

ただし、最新の保有状況の届け出において、株価が上昇した後のファンドのポジション調整の動向には注意が必要です


まとめ

FICOは、生成AIを活用したプラットフォーム製品の拡大により、売上再加速が期待できる有望な企業です。同社の強みは、説明可能なAIやモデルガバナンスの分野で20年以上の実績を有し、金融機関を中心に100以上の大手企業で採用されていることです。

株価はこの期待を一定程度織り込んでいますが、DCF分析、アナリストの目標株価からはアップサイドがあります。テクニカル面では、再び上昇トレンドに戻れるか、注目される局面です。


ガイドワイア(GWRE)

ガイドワイアは、AIを活用した保険業界向けソリューションで業界をリードする企業です。


会社概要

ガイドワイア(Guidewire Software, Inc.)は、損害保険業界向けのクラウドベースのソフトウェアプラットフォームを提供する企業です。

ガイドワイアの主力製品は、InsuranceSuiteと呼ばれる保険会社の基幹業務システムで、保険契約管理のPolicyCenterや損害サービスのClaimCenter、データ分析ツールのAnalyticsなどが含まれます。ガイドワイアは、クラウドへの移行を積極的に推進しています。

さらに、2021年8月にはHazardHubを買収しました。HazardHubは、AIを活用した、気象、地質、人的災害など1,400以上の危険データを提供する地理空間リスクデータプロバイダーです。Guidewireは、HazardHubの不動産リスクデータをコア製品に統合することで、顧客企業の的確な引受け判断と適正な価格設定を支援する狙いです。

Guidewireは損保業界に特化したソフトウェアベンダーとして、クラウドシフトと製品強化、M&Aを通じて顧客のDXを支援する存在となっています。


生成AIの活用・収益化状況

ガイドワイアは、保険業界向けにAIを活用したソリューションを提供しています。

例えば、同社のHazardHubは、AIとデータサイエンスを用いて住宅や商業施設のリスクを包括的に評価するツールです。自然災害リスクや人為的リスクを高度な予測モデリングで分析し、保険会社の意思決定を改善することができます。ガイドワイアは、HazardHubを自社の基幹業務システムと連携させ、保険業務全体での活用を促進しています。

ガイドワイアは、保険業界全体のリスクプロファイリングと意思決定の改善を目指しています。クラウド移行後は、パートナーとの連携によりマーケットプレイスアプリの導入が進んでいます。今後もHazardHubのような分析製品を投入していく計画です。

顧客からは、同社のソリューションによる業務効率化と顧客体験の向上が評価されており、サブスク(クラウド)事業は堅調に成長しています。一方で、ライセンスとサポート事業は変動が大きい状況です。


バリュエーション

DCF
DCF分析では、ガイドワイアの株価は正当化可能ですが、アップサイドは限定的です。

PER
PERで見ても、同社の株価は市場平均の売上成長率とPERの関係と比較して大きく割高な水準にあります。

アナリストの視点
アナリストの視点では、2023年以降、アナリスト目標株価を株価が追いかける形で上昇してきました。現在も、アナリスト目標株価は株価よりも上の水準にあります。

ガイドワイアの株価は、DCF分析ではアップサイドが限定的であり、PERで見ても市場平均と比較して大きく割高な水準にあります。アナリストの目標株価は株価を上回っているものの、2023年以降は株価がアナリスト目標株価を追いかける形で上昇してきました。現在の株価水準では、バリュエーション面からの魅力は乏しいと考えられます。


テクニカル

ガイドワイアの株価は、長期的な上昇トレンドにあり、サポートラインが有効に機能しています。2024年に入り一時調整しましたが、サポートラインで反発しました。過去の重要な高値を超えて上昇を続けられるかどうかが、現在の注目点です。


株主・ファンド売買状況

ガイドワイアの株主やファンドの売買状況を見ると、2023年第4四半期の株価上昇局面では、Invescoなど有力ファンドがが持ち分を増やしています。これは、ファンダメンタルズを重視する機関投資家が同社の成長性に期待していることの表れと考えられます。一方で、直近の届け出ではWilliam Blairが大きく持ち分を減少させているのが気になるところです。ただし、現時点ではデータが限定的であるため、シグナルを判断するのは難しい状況にあります。

ガイドワイアは、AIを活用した保険リスク分析ツールHazardHubを中核に、保険業界のデジタルトランスフォーメーションを支援しています。サブスクリプション事業は堅調に成長している一方、バリュエーション面では割高感が見られます。株主・ファンドの売買動向や、テクニカル面での上昇トレンドの持続性に注目が集まります。


オートデスク(ADSK)


オートデスクは、設計・製造ソフトウェアへの生成AI統合で大きな成長が期待できる企業です。ただし、AIによる本格的な収益貢献までにはまだ時間を要すると同社は見ています。


会社概要

オートデスクは、建築、エンジニアリング、建設、製品設計、製造、メディア、エンターテインメント業界向けの3D設計、エンジニアリング、エンターテインメント技術ソリューションを提供する多国籍ソフトウェア企業です。

1982年に設立され、代表的な製品にAutoCAD、Revit、Fusion 360、Maya、3ds Maxなどがあります。世界180カ国以上で400万人以上の有料サブスクライバーを有しています。


生成AIの活用・収益化状況

オートデスクは10年以上前からAIを製造業に導入しており、AI活用のための下地作りを着実に進めてきました。現在、同社は主力のFusion製品へのAI組み込みを本格化させており、自動図面作成や自動ツーリングなどの機能で、エンジニアの生産性向上に貢献し始めています。

ただし、AIの活用はまだ初期段階にあり、実際の顧客の生産性向上や、それに伴う収益貢献には時間を要すると同社は見ています。AIを活用したソリューションによる収益化は、長期的な戦略の一環として位置づけられており、段階的に具体化が進むものと捉えられます。

長期的には、デザインから製造までのライフサイクル全体において、AIを活用したクラウドベースのソリューションを提供し、生成AIでの市場リーダーを目指す方針です。


バリュエーション

DCF
DCF分析からは、まだ大きなアップサイドが残されていると考えられます。これは、同社がAIを活用したソリューションで市場をリードし、収益を拡大させていくシナリオが、現在の株価に十分反映されていないことを示唆しています。

PER
PERで見ると、オートデスク株は市場平均並みの水準にあります。

アナリストの視点
アナリストの評価も、DCF分析、PER分析と同様の見方になっています。アナリストは目標株価を高く保つ一方、株価は下落し、目標株価へのアップサイドは拡大しました。

ただし、オートデスク自身が認めているように、AIによる本格的な収益貢献にはまだ時間を要すことから、現時点では株価へのAI期待の織り込みは限定的になっており、実際の収益貢献が見られることにより株価が反応する可能性があります。

テクニカル

オートデスク株の週足チャートを見ると、コロナ禍での急激な上昇の後、株価は大きく下落しました。現在はその下落局面からの回復過程にあります。

株価のボラティリティは高いものの、下値は上昇トレンドのサポートラインによって支えられています。現在、株価はちょうどこのサポートラインを試すような動きを見せており、ここから再び反発するか注目されます。


株主・ファンド売買状況

ファンダメンタルズを重視するロングオンリーファンドが多く株主に入っていますが、上位株主が持ち分を減らしている傾向があります。まだ出揃っていない最新の届け出に注目したいと思います。


まとめ

オートデスクは、AI活用の先駆者として、設計・製造業界におけるAIソリューションの提供で大きな成長が期待できる企業です。同社は10年以上前からAIを導入し、着実に下地作りを進め、現在は製品へのAI組み込みを本格化させ、エンジニアの生産性向上に貢献し始めています。

ただし、AIによる本格的な収益貢献までにはまだ時間を要すると同社は見ており、その点が現在の株価バリュエーションに反映されています。

テクニカル面では、株価はコロナ禍での急落後の回復過程にあり、サポートラインを試す動きを見せています。ここからの反発が注目されます。

長期的には、オートデスクがAIを活用したソリューションで着実に成果を上げ、収益貢献が見えてくるようになれば、株価はそれに反応して上昇していく可能性があります。


ベントレー・システムズ(BSY)

ベントレー・システムズは、生成AIを活用したインフラ資産の「アセット分析」ビジネスを成長の柱に位置付け、収益化を加速させる方針を示しています。政府のインフラ投資法案、再生可能エネルギー対応を含む送電網の拡張・老朽化対策需要も追い風です。


会社概要

ベントレー・システムズ (Bentley Systems, Inc.) は、インフラ設計・構築・運用のためのソフトウェア・ソリューションを提供する企業です。

  • 建築、エンジニアリング、建設 (AEC) 分野のソフトウェアを開発・販売

  • 主力製品はMicroStation、ProjectWise、AssetWiseなど

  • 2020年9月にIPO

  • 2024年4月、シュナイダーエレクトリック社による買収の可能性が報道された

同社は長年にわたり、道路、鉄道、橋梁、ビル、プラント、電力・ユーティリティネットワークなどのインフラ資産の設計・エンジニアリング・構築・運用を支援するソフトウェアを提供し、業界をリードしてきました。近年はサブスクリプションモデルへの移行やクラウドサービスの強化を進めています。


生成AIの活用・収益化状況

ベントレー・システムズは、AIを活用してインフラ資産の状態を把握し、保守・メンテナンスの最適化などを行う「アセット分析」に注力しています。携帯電話の通信塔やインフラの路面状態を対象とした既存のアセット分析ビジネスを大幅に拡大させる計画です。

アセット分析のビジネスモデルでは、ベントレー・システムズがリアリティモデリングとスケーラブルな大量処理のバックエンド機能を提供し、パートナー企業が専門的なアナリティクスを提供するエコシステムを構築します。

また、設計時のエンジニアのコパイロット的な支援機能の開発にも取り組んでおり、AIを活用した生産性向上も図っています。今年は同分野でのM&Aを優先し、処理能力やAI活用など基盤強化を進めるとともに、通信塔に加え送配電網など適用資産を広げる方針です。エンジニアリング会社との協業も重要な要素と位置付けています。

さらに、米国のインフラ投資雇用法(IIJA)の成立により、交通インフラを中心とした需要拡大が見込まれることも追い風となっています。空港法案も追加の需要を生み出すと期待されます。また、再生可能エネルギー対応で送電網を2035年までに大きく拡張する必要があり、老朽化対策需要も堅調に推移すると見られています。


バリュエーション

DCF
DCFではアップサイドが大きなアップサイドが見られます。

PER
一方、PERで見ると、現在の株価は市場平均と比較して割高な水準にあります。

アナリストの視点
アナリストの目標株価は現在の株価を上回っており、将来の成長性に対する期待が反映されていると言えます。

総合的に見ると、短期的にはPERが割高な状況ですが、中長期的な成長ポテンシャルを考慮すれば、アップサイドがあると言えます。


テクニカル

テクニカル面では、ベントレー・システムズの株価は最近、長期にわたって形成されていたレンジからのブレイクアウトを示唆する動きが見られます。これは、2024年4月にシュナイダーエレクトリック社による同社の買収可能性が報道されたことが一因の可能性があります。テクニカル的には、このブレイクアウトが持続すれば買い場と見ることもできそうです。


株主・ファンド売買状況

株主には、有力なロングオンリー投資家が多く含まれています。 AllianceBernsteinやCALPERSなどファンダメンタルズ分析に定評あるファンドが上位株主になっています。2023年12月末時点では、これらの有力ファンドが総じて同社株式の持ち分を増やしている傾向が見られます。

この動きは、機関投資家が同社の長期的な成長性を評価していることの表れと考えられます。直近の届け出に注目します。


まとめ

ベントレー・システムズは、生成AIを活用したアセット分析ビジネスを成長の柱に位置付け、収益化を加速させる方針を示しています。同社は、AIを活用してインフラ資産の状態を把握し、保守・メンテナンスの最適化などを行う「アセット分析」に注力しており、大幅な事業拡大を計画しています。また、米国のインフラ投資雇用法(IIJA)の成立により、交通インフラ、電線網を中心とした需要拡大が見込まれることも追い風となっています。

バリュエーションについては、DCF分析ではアップサイドが大きいと考えられます。一方、PERで見ると、現在の株価は割高な水準にありますが、アナリストの目標株価は現在の株価を上回っています。

テクニカル面では、同社の株価は長期のレンジからのブレイクアウトする動きが見られ、このブレイクアウトが持続すれば買い場と見ることもできそうです。

株主・ファンドの売買状況を見ると、有力なロングオンリー投資家が多く含まれており、2023年12月末時点では、これらの有力ファンドが持ち分を増加、強気ストーリーを裏付けています。

総合的に見ると、ベントレー・システムズは、AIを活用したアセット分析ビジネスの拡大により、成長の再加速と利益率の改善が期待されるため、株価の潜在的なアップサイドは大きいと考えられます。一方で、買収観測や事業環境の変化などにより、株価の不安定性が高まる可能性にも留意が必要です。


コンフルーエント(CFLT)

コンフルーエントは、一般的な企業がAIを活用するために重要となる、データの統合とリアルタイムのストリーミングを可能にする、リアルタイム・データ・ストリーミング・プラットフォームを提供しており、生成AIによる需要の拡大を見込みます。


会社概要

コンフルーエント (Confluent, Inc.)  は、リアルタイム・データ・ストリーミング・プラットフォームを提供する企業です。

2014年に設立され、2021年にナスダック市場に上場しました。オープンソースのApache Kafkaをベースとしたデータストリーミングプラットフォームを提供しており、リアルタイムデータの収集、処理、ストレージをクラウドネイティブで可能にしています。

主要製品はConfluent Platform(オンプレミス)とConfluent Cloud(クラウド)で、収益モデルは主にサブスクリプション契約と従量課金制となっています。

顧客数は3,000社を超え、ネットフリックス、ペイパル、ウォルマートなど大手企業が利用しています。特にクラウド売上高が急成長中で、2021年第3四半期は前年比245%増と好調な伸びを示しました。Confluentはリアルタイムデータ活用の需要増加を背景に、データストリーミング分野で成長を続けている新興企業です。


生成AIの活用・収益化状況

コンフルーエントは、企業がAIを活用するためにデータの統合とストリーミングが重要だと考えており、同社のプラットフォームがその課題解決に貢献できると期待しています。テック企業だけでなく、幅広い企業がAIを導入する際にコンフルーエントのプラットフォームが必要とされる点により大きな事業機会を感じているようです。

企業がAIを使って顧客サービスを改善するには、大量のデータをリアルタイムに処理する必要があります。そこで「検索拡張生成」と呼ばれる手法が注目されています。これは、AIが膨大なデータベースから関連情報を素早く見つけ出し、それをもとに適切な回答を生成するというものです。コンフルーエントのプラットフォームは、データの収集・統合からリアルタイム処理までを一貫して行えるため、この分野で重要な役割を担えると期待されています。

コンフルーエントは「Flink」という新しいストリーミングデータ処理エンジンの提供を開始しました。これにより、リアルタイムでのデータ処理がさらに高速かつ効率的になります。

実際に、600社以上の顧客がFlinkを試用しており、本番環境への移行も進んでいます。2024年は導入拡大、2025年から本格的な収益化を見込んでいます。また、データ統合製品の「Tableflow」は高い顧客関心を集めており、早期アクセス提供を開始しています。

外部の専門家からも、コンフルーエントのプラットフォームが企業のAI活用を後押しするとの見方が示されています。IDCのアナリストは、断片化されたデータインフラがAI活用の障壁になっており、データ管理への投資の重要性を指摘。コンフルーエントのプラットフォームはそうした課題解決に寄与し得ると評価しています。また、AIスタートアップの経営者も、コンフルーエントのおかげで信頼性の高い最新データを継続的に利用できていると述べており、顧客目線でのメリットが示唆されています。


バリュエーション

DCF
DCF分析ではアップサイドが示唆されています。

PER
PERは100倍超と割高で、市場との比較は意味を持ちません。

アナリストの視点
アナリストのコンセンサス目標株価は現在の株価を12%上回っています。

全体として、割高感があるものの、DCFでは余裕を持って正当化可能、アナリスト目標株価も若干ですがアップサイドがあります。


テクニカル

2022年初の高値から大きく下落後、トリプルボトム(株価が同じ水準で3回底入)し、底入れしたように見えます。今は、株価の上昇トレンドを支えるサポートラインが有効に機能しているように見え、このまま2023年の高値をブレイクできるのかに注目します。


株主・ファンド売買状況

コンフルーエントの株主構成を見ると、他社と比べてヘッジファンド(HF)の保有比率が高いことが特徴的です。ヘッジファンドは、株価の短期的な変動を利用して利益を得ることを目的とするオポチュニスティックな投資家として知られています。

2023年12月の株価下落局面において、T.Rowe Priceなどの長期投資家が持ち分を増やしたという事実にも注目する必要があります。T.Rowe Priceは、企業のファンダメンタルズを重視して長期的な視点で投資を行うことで知られています。彼らが株価下落時に買い増しを行ったということは、コンフルーエントの長期的な成長性を高く評価していることの表れだと言えるます。


まとめ

コンフルーエントは、企業のAI活用に不可欠なデータ統合・ストリーミング基盤を提供する有力企業です。同社は生成AIの普及を追い風に、従来の企業を中心に事業機会が拡大すると見込んでいます。

バリュエーション面では、DCF分析でアップサイドが示唆される一方、割高なPERには留意が必要です。アナリストのコンセンサス目標株価は現在の水準を上回っています。

テクニカル面でも、底入れシグナルからの上昇トレンドにあります。

株主構成は、ヘッジファンドと長期投資家のバランスが取れており、T.Rowe Priceなどの存在は安心材料を提供します。




ユーアイパス(PATH)

ユーアイパスは、ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)にAIを統合することにより、顧客企業のデジタルトランスフォーメーションを加速させています。


会社概要

ユーアイパス(UiPath Inc.)は、ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)ソフトウェアを提供するグローバル企業です。
主な製品:

  • UiPath Business Automation Platform: プロセスの発見、自動化、運用を一元的に行えるプラットフォーム。AI、機械学習、自然言語処理などの機能を搭載し、人間とロボットの協働を実現。

  • UiPath Apps: ロボットとユーザーの対話を支援するアプリ。

  • UiPath Academy: RPAの研修・認定プログラムを提供。

ユーアイパスのプラットフォームは、金融、医療、製造、小売、公共部門など幅広い業界で利用されています。

ユーアイパスはグーグルクラウドとのパートナーシップを結び、グーグルクラウド上でユーアイパスのプラットフォームを提供しています。グーグル(アルファベット)はIPO前からの株主でもあります。グーグルのAIテクノロジーとユーアイパスの自動化ソリューションを組み合わせることで、企業のデジタルトランスフォーメーションを加速させることを目指しています。


生成AIの活用・収益化状況

ユーアイパスは、AIとオートメーションの融合によって顧客企業のデジタルトランスフォーメーションを加速させています。同社は、顧客がAIを実践的に活用し、アクションを起こせるようにすることで差別化を図っています。

ユーアイパスの新製品オートパイロットは、生成AIとプロセス・オートメーションを組み合わせることで、あらゆるスキルレベルのユーザーがオートメーションを構築しやすくし、開発時間の短縮とプロセス改善の発見を支援します。また、同社はSAPやグーグルクラウド、デロイトなどの大手企業とのパートナーシップを強化し、プラットフォームの幅広い機能を活かして大手顧客の獲得につなげています。

ヘルスケア保険や金融サービス、公共セクターでは、インテリジェントドキュメント処理(AIを活用した文書の自動分類、データ抽出、検証)の需要が高まっています。また、ユーアイパスのTest Suite(RPAの自動テストを支援)もオートメーション以外の分野に広がりを見せています。

また、同社は、会計士や監査人のような専門家の知識と業務システムの操作方法を組み合わせたAIモデルの構築を進めており、セキュリティや監査まで担保したプラットフォーム上で自律型エージェントを実現するのが強みです。

例えば、武田薬品は、プロセスマイニングを使用して臨床管理のコスト削減を実現しました。


バリュエーション

2021年のIPO以降、株価は大きく下落しており、現在の水準は割安に見えます。

DCF
DCF分析に基づく評価では、同社の株価には大きなアップサイドがあると見ることができます。

PER
PERを見ると、市場平均並みの水準にあり、同社の成長期待に対しては適正な評価とも言えるでしょう。

アナリストの視点
直近では、アナリストが目標株価を引き上げたにもかかわらず、株価は下落しています。現在の株価水準からアナリストの目標株価までは、大きなアップサイドがあります。

以上のように、ユーアイパスは、AI・オートメーション分野における高い成長ポテンシャルと割安なバリュエーションを兼ね備えているように見えます。


テクニカル

テクニカル面では、ユーアイパスの株価は、IPO後の急速な下落の後、回復局面にあると見ることができます。現在、株価は上昇トレンドのサポートラインが有効に機能しているように見えます。

まずは、2024年の高値を回復し、ブレイクアウトできるかに注目します。


株主・ファンド売買状況

株主・ファンドの売買状況を見ると、直近の届出によれば、ARKや日本の機関投資家が保有株式を減らしています。IPO前から大株主であったグーグルや一部のベンチャーキャピタル(VC)も、保有割合を下げています。

一方で、Norgisなどのファンダメンタルズを重視する長期投資家が、2023年12月末までに新たに株式を取得しています。これは、同社の長期的な成長性と比較した割安さに着目する投資家の存在を示唆すると考えます。


まとめ

ユーアイパスは、AIとオートメーションの融合によって顧客企業のデジタルトランスフォーメーションを加速させています。

バリュエーション面では、2021年のIPO以降、株価は大きく下落し、現在の水準は割安~フェアバリューと見ることができます。IPO後、一部の大口株主が保有割合を下げているため、それが圧力になって売られていたのかもしれません。テクニカル面では、上昇トレンドのサポートラインが下方を支えています。

総合的に見て、ユーアイパスは、AI・オートメーション分野における高い成長ポテンシャルと割安なバリュエーションを兼ね備えた魅力的があると見ることができます。

但し、アップサイドを期待できる反面、株価が安値で放置されている理由が明確ではないため、株価のモメンタム回復(例えば2024年高値のブレイクアウトなど)を待ってのエントリーという戦略も考えられます。


ファイブナイン(FIVN)

ファイブナインは、クラウドベースのコンタクトセンター(コールセンター、メッセージ含む顧客対応窓口)ソフトウェアのリーダーで生成AIの統合により大きな成長機会を有しています。

会社概要

ファイブナイン(Five9, Inc.)は、クラウドベースのコンタクトセンター・ソフトウェアを提供します。

顧客サービス、販売、マーケティング機能を提供するバーチャル・コンタクトセンター・プラットフォームを提供しています。

2021年7月、ビデオ会議ツールのズームがファイブナインを約147億ドルで買収する計画を発表しましたが、ファイブナインの株主の承認が得られず、2021年9月に両社は合併契約を相互に終了することに合意しました。2023年12月にも再びズームによる買収観測がありましたが、ファイブナインは「のような取引は追求していない」と発表しています。


生成AIの活用・収益化状況

ファイブナインは、AIとオートメーションの活用により成長を加速させています。同社のAIとオートメーションに関連する受注高が前年比15倍に増加したこと、AIアプリケーションが人間の担当者1席分よりも約2倍の収益を上げられること、AIによる自動化された対話が従来型の人間の対応よりも収益が大きく、粗利益率も高いことなどから、AIの導入が同社の業績に大きく貢献していく、としています。

また、新規受注と既存顧客への販売の両面でAIとオートメーションのアタッチレートが無視できない水準で増加しているという点は、同社のAIソリューションが顧客に広く受け入れられていることを示しています。

ファイブナインは、クラウドコンタクトセンタープラットフォームへの移行、顧客体験の改善、AIによる革新の3つのトレンドが大きな市場機会を推進していると考えており、大手企業での採用と国際的な拡大により市場リーダーとなっています。業界初のGenAIスタジオを発表するなど、AIの活用に積極的に取り組んでいる点も注目に値します。

バリュエーション

ファイブナインの株価は割安な水準にあると言えます。

DCF
DCF分析からは、大きなアップサイドが見込めます。

PER
PERで見ると、ファイブナインの売上成長率に対するPERは割安な水準にあります。

アナリストの視点
アナリストの評価においては、直近の株価下落によりアナリスト目標株価へとの乖離が拡大し、大きなアップサイドが存在します。

ファイブナインの株価バリュエーションは、DCF法、PER、アナリスト評価のいずれの手法で見ても割安な水準にあります。


テクニカル

テクニカル面では、ファイブナインの株価は2022年初めのピークから下落した後、一定のレンジ内で推移していました。現在は、レンジ内で、2023年末の安値を下抜けるブレイクダウンが見られています。

ただし、二度反発している過去の底値のサポートラインで株価がリバウンドに転じた場合には、トリプルボトムとして、新たな買い場として捉えることができるかもしれません。


株主・ファンド売買状況

株主・ファンドの売買状況を見ると、直近の届け出はまだ限定的ですが、いくつかの特徴的な動きが見られます。

小規模企業に特化し、ファンダメンタル分析を重視するWasatch Advisorsが直近で保有株式数を増やしています。また、FMR(フィデリティ)やPictet といった大株主の有力投資家も2023年12月末時点で保有を増加させています。

一方で、AllianceBernsteinやWellingtonは保有株式数を減らしています。


まとめ

ファイブナインは、生成AIの恩恵を大きく受けると期待されるAIコールセンター市場のリーダー的存在です。同社は、AIとオートメーションの活用により収益成長を加速させており、長期的には粗利益率の改善も見込まれています。

バリュエーションの観点からは株価は割安な水準にありますが、テクニカル面では株価が下落を続けており慎重なスタンスが必要と言えます。今後の業績動向や株価の推移を注視しつつ、中長期的な投資機会を探るのが良いと考えます。


全体まとめ

生成AIの活用が進めば、取り上げた企業が全て取り残されるリスクは少ないと考えられます。しかし、1-2年後の業績には大きな差が出てくるのが必然です。各社の投資ストーリーの見極めが重要になると共に、投資手法によって各社の状況を見て、投資判断は分かれるかと思います。

本記事が読者の皆様に新しい視点を提供し、投資判断の一助となれば幸いです。多様な視点で生成AIがもたらす変革の波を捉えて、有望な投資機会を見出していきたいですね。



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