石川 葉
リリィとリリィの連作短歌
石川葉の日々のこと。その虚実。
私の世界はどこまでも平ら、レイヤーの目を入れたり消したりして、時々君の前に現れよう。 石川葉による小さなお話の連作。
ボルヘスの『幻獣辞典』から、モチーフの幻獣をピックアップして描く。そして、それをアイテム化する。 幻獣を着るのでウェアウルフ。狼男、wereをwearにして幻獣を纏う。
【カフスのうたう】 リリィとリリィの連作短歌 0201 寝坊する両親置いて四姉妹教会への道雛に手を振る
【カフスのうたう】 リリィとリリィの連作短歌 0200 駒鳥の雛の真似するリリィたち大きな口にトフィーを入れる
【カフスのうたう】 リリィとリリィの連作短歌 0199 ラバーダックの双子を追って赤い傘ソール・ライター俯瞰している
【カフスのうたう】 リリィとリリィの連作短歌 0198 洗われた朝にそよいだ風追って双子は腕をはためかせ飛ぶ
【カフスのうたう】 リリィとリリィの連作短歌 0197 マムはどこ？ メグの両手を掴む双子だってマミーガミガミなんだもん
【カフスのうたう】 リリィとリリィの連作短歌 0196 雨の中ひとり傘さす通学路ほっと息吐く遠くに鳥鳴く
【カフスのうたう】 リリィとリリィの連作短歌 0196 キッチンで紅茶を淹れるありがとうダッドの声にメグはほほえむ
【カフスのうたう】 リリィとリリィの連作短歌 0195 双子たちダディとマミーにべったりでおしゃべりしながら眠りに落ちる
【カフスのうたう】 リリィとリリィの連作短歌 0194 散歩から家に戻ると車ありメグは静かに涙をこぼす
【カフスのうたう】 リリィとリリィの連作短歌 0193 パスポート埋め尽くされたスタンプの向こうに見えるまぶた焼く夕日
【カフスのうたう】 リリィとリリィの連作短歌 0192 風邪を引き双子は園を休んでるメグのつぶやきマムは今どこ
【カフスのうたう】 リリィとリリィの連作短歌 0191 あらかじめ備えられてる星々の昼の眠りのまたたき見える
【カフスのうたう】 リリィとリリィの連作短歌 0190 沈黙をうながすような夏が来る鳥よ騒げよ風起こしせよ
【カフスのうたう】 リリィとリリィの連作短歌 0189 雨ザーザーラバーダックの双子ゆく水たまりなどお構いなしに
【カフスのうたう】 リリィとリリィの連作短歌 0188 手を広げ爪切りを待つ双子たちパチンパチンと三日月こぼれ
【カフスのうたう】 リリィとリリィの連作短歌 0187 髪を透き光の雫足元に光たまりを跳ねる双子ら
