技術の雑談

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学び続けよう|元エンジニアの中学校技術教師|毎日、技術に関連した雑談を配信|自分の中学生時代を思い出すと、先生の授業は覚えていないが、雑談は覚えている。|0歳5歳の子育て中

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【技術科教師旅】岐阜かかみがはら航空宇宙博物館

岐阜県各務原に行ってきた。内陸で交通のべんがよいとはとても言えない場所にも関わらず、日本の航空機産業の原点がここにはあります。 “かかみがはら航空宇宙博物館” 飛行機の成り立ちから運転の仕方まで、飛行機関連のことを歴史も踏まえて学べる総合的な飛行機の博物館です。屋外のYS-11やP2Jなどの実機を4機も展示し、室内も各務原の歴史から飛燕、飛鳥に至るまでの過程をわかりやすく展示していて、大変勉強になりました。 博物館に入ると各務原での航空機産業の始まりとなった、記

    • 防氷装置

      飛行機は他の乗り物にくらべて非常に厳しい環境にさらされます。氷点下の雲の中やマイナス80℃にもなる1万メートル以上の高度になると着氷が起こりやすいため、防氷装置が装備されています。 ウィンドヒートは車の後部窓ガラスにもついていますが、構造と目的が異なります。 【車の窓】 電熱線ヒーターが内蔵されていて内側のくもり止めをします。 【飛行機】 窓の全面をほぼ透明な伝熱ヒーター層でおおい、主に外側のガラスを温めています。 外側を温める理由は、 ①着氷を防ぎ視界確保 ②ガラスは低温に

      • 太陽光発電施設の送電用ケーブルが狙われる

        太陽光発電施設から銅製の送電用ケーブルを持ち去る窃盗事件が急増している。 送電線には銅が使われている。金属の中で最も効率よく電気を伝えられるのが『銀』です。2番目が『銅』3番目が『金』です。金や銀は価格が高いため、送電線に使うのはコストが合わないため、銅が送電線に使われます。一部コネクター類には銀や金が使われることもありますが。。 しかし、世界的な原材料高の影響で銅の価格も高騰しています。さすがに電柱に登って電線を盗むのはリスクが高い。こういった太陽光発電システムはその点

        • バニラの魅惑的な香りは、牛からもつくれる?

          香料としてのバニラは、バニラの種子を原料に発酵や乾燥を繰り返して作り出す甘い香りがする化合物です。19世紀中盤に花開いたカフェ文化の影響もあり一気に広まりました。バニラアイスなど、私も大好きです。 しかし、2007年のイグノーベル賞には驚きです。「牛の排泄物からバニラの香り『バニリン』を抽出した研究」受賞会場では、審査員らに「牛のバニラ」のアイスクリームが振る舞われました。動物の腸内でも作られる芳香物質であることが判明しました。

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          変幻自在のヒーター

          SMKは、自由自在に変形できるヒーターを実用化する。柔軟性がある樹脂製フィルムに、伸縮に強い銀の素材を回路に採用し、曲げた際に回路にひびが入るなどの課題を解決し、電気を通すと発熱する回路を印刷した。 顔や首回りを温める理美容や家電機器、車やバイクのハンドルなどに応用されそうだ。 『参考資料』 https://mitec.smk.co.jp/mitec/heater/

          変幻自在のヒーター

          尾根はアカマツ、中腹はヒノキ、谷はスギ

          ハイキングなど山に行くときは、地形と樹形にも注目してみたい。標高や地形によって生育状態がかなり異なる。 尾根筋は雨が降ってもすぎに流れ去ってしまい、風も強いので乾燥しやすい。光は上方、側方、斜め下からくる。そのため、尾根筋の木は背が低く下枝が大きく張り、根は広く伸びている。 谷筋は水が集中し風が弱いので水分環境がよいが、光は上方からしかこないので、隣接する木との光獲得競争が激しい。そのため、谷にある木は背が高く、幹下部の下枝はなく、根はあまり発達していない。 中腹は水分が流れ

          尾根はアカマツ、中腹はヒノキ、谷はスギ

          トマトは"野菜"か"果物"か

          19世紀のアメリカでは、野菜に関税をかけ、果物は無関税であった。そのため、トマトは果物なのか野菜なのかで裁判沙汰になったことがある。 植物学的には「フルーツ」というのは植物の果実のことである。そのため、トマトは果実である。しかし、フルーツという言葉は、植物学以外でも用いられる。つまり、デザート的に食べるものがフルーツであり、料理の食材として調理して食べるのが野菜である。結局裁判でも、「トマトはデザートではない」ということで、野菜であるという判決になった。 しかし、トマトが

          トマトは"野菜"か"果物"か

          飛行機の排水方法

          飛行機は自動車と同じで、重量が軽いほど消費燃料は少なくて済み、排出される二酸化炭素が少なくなります。そのため、排水は上空で蒸発させています。 高度3000m以上になると、機内の調理台の流し台とトイレの洗面台からの排水は、胴体下部のドレインマストから機外へ排出されます。排水された水は気流によって水しぶきとなり、地上に到達することはなく蒸発してしまいます。

          飛行機の排水方法

          プラスチックを分解する細菌

          プラスチックの一種である熱可塑性ポリウレタンは、携帯電話ケース、履物、自動車部品など広く使用されている。しかし、現在のところ、ポリウレタン類のリサイクルの流れは存在しないため、ほとんどは使用後に埋め立て廃棄物となるか、環境中に浸出する。 Nature Communications掲載の論文によると、プラスチック分解細菌の遺伝子操作して、ポリウレタンの製造に必要な高温に耐えられるようにしたところ、枯草菌の胞子は、ポリウレタンの加工温度である135℃でほぼ全て生存できるようにな

          プラスチックを分解する細菌

          虫歯治療

          虫歯治療に行くと、プラスチックとシリカの粉末を混ぜた複合樹脂「コンポジット・レジン」を虫歯の穴に入れ、紫外線ライトを照射すると瞬時に固まり虫歯治療が終わる。実に簡単に虫歯治療は終わる。 一昔前は、合金「アマルガン」が使われていた。水銀を含む液体を虫歯の穴に入れ、銀とスズを混ぜると水銀が反応しはじめ、固体になる。有害な水銀が常に口の中にあるのは、今考えると怖いことだ。 さらに昔の人は、虫歯とどう付き合っていたのだろう。日々歯の痛みを抱え、限界にたっしたところで、ペンチのような

          虫歯治療

          ボーイング787には風力発電がついている

          787型機では、飛行中に必要な電力は、すべてエンジンに取り付けた発電機から供給されています 発電機は、主翼にある左右のエンジンにそれぞれ2台ずつ、計4台が装備されており、普段の飛行中は、もっぱらこの発電機が必要な電力をすべて供給しています。 また、これらエンジンの発電機が故障した際のバックアップ用として、補助動力装置にも2台の発電機が装備されており、さらに、これら6台すべての発電機が故障するという万一の事態に備えた緊急用として風力発電機1台が装備されています。 (普段は胴体

          ボーイング787には風力発電がついている

          工場排水からアンモニア

          大阪大学は工場の排水などに含まれる環境汚染物質の硝酸を、太陽光のエネルギーでアンモニアに変えることに成功した。 肥料の原料になるアンモニアは次世代燃料としても注目を集めている。 阪大は光で化学反応を進める光触媒に着目した。鉄などでできた光触媒を新たに開発し、硝酸や塩素を含んだ溶液に入れて光を当てると、硝酸がアンモニアに変わった。 『参考資料』 https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2024/20240403_2

          工場排水からアンモニア

          農業と気象情報

          農業にとって気象情報はとても大切だ。雨が降りそうだ。気温が高くなりそうだ。という利用方法もあるが、もっと攻撃的に気象情報を活かす農家もあるようだ。 例えば、競合するライバル産地の気象情報を常に見て、ライバル産地が台風の影響を受けるのが何月何日になりそうだとわかると、自分たちの農家の作物の出荷体制を整え、台風の翌日から大量に出荷する。 ただし、生育期間を数日程度調整できるトマトなどの作物でないとなかなかピンポイントに狙いを定めるのは難しいだろうが。 農家も凌ぎを削っている。

          農業と気象情報

          あなたは針葉樹タイプ・広葉樹タイプ?

          理科の時間にならった“針葉樹”と”広葉樹“、この2つは成長の仕方が全く異なっている。 針葉樹は太陽の光をもとめて、真っ直ぐに伸びる。上方に他の木が覆い被さっていてもおかまいなし、目標に向かって突き進む。 広葉樹は太陽の光をもとめて、柔軟に伸びる。上方に他の木が覆い被さるとより多くの光のくる方向に主軸の向きを変えながら、目標に向かっていく。 人間の性格にも似た、成長の仕方だ。どちらが良い・悪いではない。 ちなみに、成長の仕方が異なるので、木材として利用されるときも特徴を

          あなたは針葉樹タイプ・広葉樹タイプ?

          木材輸入量に見る日本のエネルギー事情

          2023年の木材輸入量を品目別に見ると、主に住宅など建築向けの丸太、製材、合板及び集成材が、金利の上昇にともない住宅着工件数減少のあおりを受けて減少した一方で、木質バイオマス燃料用の木質ペレットの輸入が急増加しています。 原発の稼働もままならない状況の中、化石燃料に傾きすぎるのも世界情勢をみると危険、木質バイオマスを取り入れたエネルギーミックスが積極的に行われているのがよく分かる。 『参考資料』 https://www.rinya.maff.go.jp/j/kouhou

          木材輸入量に見る日本のエネルギー事情

          和牛の血縁関係を数値化

          農業・食品産業技術総合研究機構は、黒毛和牛の血縁の近さをゲノム分析をもとに数値化する手法を開発した。 黒毛和牛をはじめとする肉牛の品種改良では霜降りの質などが良いごく少数の雄を種牛に使うため、同じ種牛を先祖に持つ牛が増えて近親交配が進んでいるという。 近親交配は、発育の悪化や受胎率の低下につながる。 そうならないように現状、農家は牛の家系情報を3代前まで調べることができる仕組みがあるようだが、種牛と雌牛の血縁の近さを正確に調べるのは難しい。 ゲノム解析をもとに、手軽に検

          和牛の血縁関係を数値化