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東京そぞろ走り

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我が地元である東京都内の至るところに出没し、勝手に走った記録です。
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ふがいない僕は (世界平和のために) 空を見上げ、走る  “東京そぞろ走り #4“

ふがいない僕は (世界平和のために) 空を見上げ、走る “東京そぞろ走り #4“

2022年2月24日、ロシアがウクライナに軍事侵攻した。
その前日、私はランニング仲間たちと米軍基地の近くにある港町で遊んでいた。極東の島国でぬるく生活している私は戦争の足音に耳を傾けておらず、それは青天の霹靂であった。

今から30年以上前、私が高校生の時に湾岸戦争が勃発した。ブラウン管越しに「スカッドミサイルvsパトリオットミサイル」の映像が、シューティングゲームのようなアングルで流されていた

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走るため フェリーで行って 飛行機で 帰る場所でも 東京なのだ  “ 東京そぞろ走り #8 ”

走るため フェリーで行って 飛行機で 帰る場所でも 東京なのだ “ 東京そぞろ走り #8 ”

2024年1月6日、土曜日。時刻は22時を回ろうとしている。

私は港区にある竹芝客船ターミナルに到着した。

これからフェリーに乗る予定なのだが、まだ切符も購入していない。お目当てのフェリーはすでに接岸しており、乗船手続きも始まっている。まずは切符売り場に急いだ。

「八丈島まで1枚」。受付で伝える。早く乗りたいので、早く売ってくれ。「あちらで乗船票にご記入の上、乗船口に進んでください」

切符

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 品川で 鉄道ラリー 6駅を 電車に乗らず 駆け巡るラン “ 東京そぞろ走り #7 ”

品川で 鉄道ラリー 6駅を 電車に乗らず 駆け巡るラン “ 東京そぞろ走り #7 ”

2023年2月10日金曜日。関東甲信地方全域に大雪の恐れが生じ、多くの地域に大雪警報が発令された。

ここ、松本市も例外ではなかった。朝から降りはじめた雪は止むことなく、昼過ぎには20cm近くの積雪となった。

私は信州大学の客員研究員としてゼミに参加するため、毎週金曜日に松本キャンパスまで通っている。周囲の話によると「あまり雪が降らない松本では、数年に一度の積雪量」とのことで、午後のゼミは休講と

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長野との 二拠点生活 久しぶり 東京のコース 走る晩秋 “ 東京そぞろ走り #6 ”

長野との 二拠点生活 久しぶり 東京のコース 走る晩秋 “ 東京そぞろ走り #6 ”

先月から、長野に住んでいる。

信州大学が中心になって、長野県内の自治体やらNPOやら財団法人やら地銀やらその他もろもろが関わっている「大学で学び直しながら、地域の企業の課題解決を図る」半年間のプログラムに参加することになったのだ。
今回で5期目を迎えるこのプログラムは、96人の応募者と13社の応募企業から4組がマッチングした。マッチング率はなんと4%強という狭き門だ。一浪の末に都内無名大学を卒業

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ラグビーと AEDと レモネード 絶望を超える 勇敢さとは  “東京そぞろ走り #5“

ラグビーと AEDと レモネード 絶望を超える 勇敢さとは “東京そぞろ走り #5“

2022年7月8日、金曜日。朝8時半。浜松町駅に私は降り立った。

芝消防署で、上級救命講習を受講するのだ。
私はかつて近くの飲食店で店長をしていたことがあり、防火防災管理者の登録をするために一度ここまで足を運んだことがある。そんなことはすっかり記憶の彼方に消え去っていたが、面白いもので実際に現地に足を運ぶと記憶の欠片がチラホラと脳裏をよぎり、ジグソーパズルのピースのように連結して記憶が鮮明によみ

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内川の 旧源流から 河口まで 辿った先で 平和を祈る “ 東京そぞろ走り #3 “

内川の 旧源流から 河口まで 辿った先で 平和を祈る “ 東京そぞろ走り #3 “

私の家は丘の上にある。

この場所は、多摩川崖線の際地になるらしい。最寄りの地下鉄駅から帰宅する際には、坂を上ってすぐに下り、下りきったところで脇道に入り、そこからさらに階段を47段も上がらねければならない。毎日の通勤だけでも、私の足腰はかなり鍛えられているに違いない。

階段の下、脇道に入る手前の道を挟んだ向こうに、私が子どもの頃は内川という名の川が流れていた。たまに友人たちと川に降りて、水遊び

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休日に 水辺を求め 隅田川 等々力渓谷 東京浴場  ” 東京そぞろ走り #2 ”

休日に 水辺を求め 隅田川 等々力渓谷 東京浴場 ” 東京そぞろ走り #2 ”

この記事は、「都内の様々な場所、特に地域の人たちの日常に根差した場所や道を走ったり歩いたりする」連載の2回目となります。今回はイベントに参加し、他の方のアテンドによって都内のあちこちを巡ります。

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2021年11月の終わりから12月初旬にかけて、私が所属するクラブの小規模なイベント3つに立て続けに参加した。その3つのイベントに共通するテーマは、偶然にも「水辺」に関わるものだった。



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馬込から 大田区縦断 多摩川を 折り返しにして 洗足池へ  “ 東京そぞろ走り #1 ”

馬込から 大田区縦断 多摩川を 折り返しにして 洗足池へ “ 東京そぞろ走り #1 ”

週末に、夕方の街を走るのが好きだ。

私の住み処は、海沿いの街にある。自宅からわき目も振らずに4kmも走れば海にたどり着けるような場所だ。午後の日差しが山側から海側に向かって、低い角度で差し込んでくる。この時間帯特有の、太陽の光を背負って走る感じが好きなのだ。

行き先は海ではなく、川や運河にすることが多い。
対岸の景色を眺めながら、日が暮れる前の一時間くらいだけ味わえる特別な空気感を身体全体で味

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