熊谷珠樹フラワーアーティスト

東京・恵比寿で隠れ家サロンのフラワー教室を運営、フルオーダーメイドのフローラルアートの…

熊谷珠樹フラワーアーティスト

東京・恵比寿で隠れ家サロンのフラワー教室を運営、フルオーダーメイドのフローラルアートの制作をしています。パリ仕込みのフィロソフィーを持ち、花で哲学するフォトエッセイを書いています。https://tamaki-flower.com/

マガジン

  • 読む花レッスン〜自分が整い人生がもっと豊かになる一花一葉術

    どこにいても、マイペースで花を学べるように「読む花レッスン」を始めました。読んだら実践してみましょう。無料添削を受け付けています。一輪の花を愛で、一枚の葉に遊ぶ。花のある暮らし実践講座です。

最近の記事

  • 固定された記事

今の自分が一番好き

若さを欲するより、細胞のアップグレードを目指す! 今回は、私がイベントアンバサダーとなって撮影に臨んでおります。 いやはや、30年のブランク。 26歳でモデルをやめて、フラワーデザインを学びに単身パリへ発ったのでした。 でも、今回の撮影で悟りました。現役モデルだった20代の頃より、今の自分はなかなか良いぞって。心に余裕ができたせいかもしれません。 アラカンなんて、アッケラカンで屁のカッパ。 細胞は死ぬまで進化し続けますからね。皆さんに少しでも元気をお届けできたらしあ

    • AKBと一花一葉

      Rome ne s'est pas faite en un jour. ローマは1日にして成らず。何事も継続力。 今年で3年目に入った「文学と一花一葉講座」、いよいよテレビ進出か。 先日、鎌倉で撮影が行われました。 10代のAKB 48の子達と一緒に一花一葉を楽しませて頂きました。 AKB48とモー娘の違いもわからない私なのですけれど・・・ (まだ番組の正式発表前で、詳細はまた後日) 近代文学に触れ(今回は夏目漱石・こころ)、花を生ける体験レポート。 花材はデンファ

      • 花は心の美容液

        瑞々しさは若さの象徴のように思います。 そして、乾き、枯れる… これは瑞々しさが損なわれて行くことを意味し、老いに繋がる。 雨音を聴いていると、心が潤って行くようで眠くなってしまう。 これはマイナスイオン効果でしょうか。 5月のレッスン花材は芍薬でした。 花には「ゆらぎ」があり、同じ品種の花でも少しずつ「ずれ」があります。 そして人間もゆらいでいるので、その瞬間の最適を創作しているのが分かります。 仕上がりが、どれ一つ同じではないから。 大輪の芍薬を手にしている生徒さん

        • 自由の自給率

          誰もが自由を求める。 しかし、自由を手にしたら、その責任は必ず負わねばならぬ。 今回は大輪の芍薬を使った、こどもみらい塾のフラワークラス。 「しゅんちゃん、今日はこれから外ご飯だって言ったでしょ!」と、3歳上の姉に叱責される小学1年生の男の子。 先生もね、持ち運びを考えて、「もうちょっと短くしたら?」とアドバイスするも「自由にさせて!」と却下される。 この作品を見たら、パパが持ってくれるよ、きっと。 それだけの説得力あるもん。心が自由を求めているって。 想像を超えな

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        • 読む花レッスン〜自分が整い人生がもっと豊かになる一花一葉術
          1本
          ¥300

        記事

          美とは、生と死のハイブリット

          香り、質感、色、その全てが並外れた花、芍薬。 特に今回は、芍薬と牡丹のハイブリット種である「コッパーケトル」という品種が悩殺レベルで参りました。 花仕事というのは死を生きるテーマにするようなものです。私など、死について考えない日はありません。それは子供の頃からずっとそうだった。 ゆえに、天職ってことかもしれません。 香りはいつか死臭に変わるし、張りのあった花びらや葉も瑞々しさを失い、ある日パラリと散っていく。 大地から切り離されたこの切り花は、特に、老化のスピードが加

          美とは、生と死のハイブリット

          蒼き情熱の花々

          子供達のリクエストにより「青を生ける」の巻! まずは、ブルーゼリー作りから始まった。 こういう作業、こどもって本当に熱中してしまうのです。 ただ目の前の事に熱中できるって、本当に楽しそう。 この時期の花々は明るい躍動感があり、子供たちのエネルギーに呼応して楽しい作品となりました。 ためらいなくバチバチ切っては挿す。 その勢いが清々しい。 今回は、新一年生を迎えてのフラワークラスでしたが、自立心旺盛でたくましい事! 残った葉っぱなどを集めて器用に花束を作っていました

          ファンキーなフォレスト・ロック

          若葉萌える季節をむかえた軽井沢。 四季の中で最も熱いビートを響かせる。 ゴールデンウィークはTTY(徹底的にゆるむ)のバカンス作戦。 バカンスとは、英語で言うところの空っぽ”vacant ”。 フランス語ではvacance。 今では長い休暇のことをそう呼ぶけれど、元は貴族やブルジョア階級の人たちのもので、何もしない空っぽな時間を過ごすことからvacancesと言ったそうです。 予定を沢山詰め込んで、疲れて家路につくのはアドベンチャー。 空っぽで意味を持たないのがヴァカ

          ファンキーなフォレスト・ロック

          世界と踊る一花一葉

          un seul delphinium danse avec des feuilles le cœur battant elle devient bella-donna 一本のデルフィニウムの花。 葉と出会い心通わせベラドンナ(美しい女)となる。 デルフィニウム属のベラドンナ品種の花の名前にひっかけているのですが、世界との関わりを生ける一花一葉。 群衆の中にあったらデルフィニウムだけれど、大地から切り離し器に生けた瞬間に「名はなんと申す」と問われる。 ベラドンナ。 そ

          季節の最前列で美を奏でる

          【Quand refleuriront les lilas blancs】 「リラの花咲く頃」とは、一年で一番気持ちの良い季節(初夏)で、フランス人が愛する花。 フランスで大ヒットしたシャンソン「リラの花咲く頃」は、宝塚歌劇団の「すみれの花咲く頃」の原曲です。 今月のレッスン花材はライラックでした。 出始めたばかりのライラックに、春の終わりを告げる宿根スイートピー。 季節のバトンリレーは終わりと始まりのグラデーション。 初夏は個性豊かな花々が咲きそろう季節。 まずは、

          季節の最前列で美を奏でる

          枯れるな腐るなヴィンテージ

          bouquet mère et fille - même si la rose se fane cœur ne se fanera pas 「母と娘のブーケ- バラは枯れても 想いは枯れず」 母の誕生日にバラを贈る娘。 フローリストは想いを枯らさない為に仕事をする。 こちらはプリザーブドフラワー。枯れないで欲しい!という願いを叶えてくれた花。 そして、人間は寿命が伸びて人生100年。 アンチエイジングはどこまで進化するのだろうか… 努力の方向を間違いたくはないけれど。

          枯れるな腐るなヴィンテージ

          ノートルダム大聖堂・聖地へ向かわせる力

          名著、名画と世に言われる名作は沢山ありますが、人によって様々で必ずしも学校の教科書に載っているような、正しい名作じゃないかもしれない。 子供達が夢中になって読む漫画や見ているアニメ、またはゲームのなかに隠れた名作があるかもしれない。 大人が奪ってはいけない聖地の入り口。 私にとっての名作は何といっても”ベルサイユのばら”と”ラ・セーヌの星”。どちらもフランス革命が舞台です。 それらは、私を聖地へ向かわせ人生を変えた作品です。それを名作と言わずしてなんとする。 2019年

          ノートルダム大聖堂・聖地へ向かわせる力

          幸せのデジール

          美の根源には必ずデジール(デザイア)がある。 パリの故恩師は「善きデジールを持つ為には哲学が必要」と教えてくれた。 その時、「欲望」に対する概念が変わった。 日本の教育では欲望を削ぎ落とすことが善と言うけれど、知性ある欲望が美を創造するのだと学んだ。それが美学だと。 削ぎ落とすべきものを間違ってはいけない。 江戸のリゾートと呼ばれた東京の目黒界隈は桜がたくさん植えられています。大名の別荘地としても発展した土地ですから。 広重の浮世絵を思わせるシーンがあちらこちらに見

          アートとは救い

          花を生けるこの瞬間こそが永遠なのだ。と、 私自身がそう気付くことよりも、レッスンにいらした方々から確信を得ることで悟りになる。 無心に花に向かうその姿から、悠久の彼方を漂っていることを窺う。 花は悠久の彼方へ誘う神…おいおい、麻薬か(合法だよね)?! 花が枯れた時、人は「終わった」と言うけれど、残念ながらそこが始まりなのだよね、友よ。次にやって来る新しい時代が。 この地球で、植物は30億年以上も先輩なのだから人間の物差しでは計り知れない(もっと謙虚にならねば)。 ゴ

          5000年の水中呪術

          香味料として、また薬草として長年に渡って人類の営みに寄り添った植物Dill(ディル)。その歴史は5000年以上前から使われて来たと言われています。 ディルの語源は古代バイキング語ということで、もうこの物理世界からの視点ではディルの正体は掴めない。 その強烈な香りを放つディル。古代ローマ時代には精油から強壮剤を作ったり、魔除けとしてリースや冠を作ったり、様々な用途があったそうです。 この様に、ニーズがありまくることから富の象徴とされ、年貢をディルで納めたようなことも聖書に

          人間臭さから生まれる美的カルチャー

          パリという街はカフェと花屋がやたらに多い。カフェ文化が育ったのはよくわかる、彼らは討論が好きだから。議論を熱く戦わせるのにコーヒーはそのテンションを上げる役割もあるのだろう(ワインでは酔っ払ってしまうから)。 そのようにして、市民たちの憩いの場であり、議論を展開する場所から王政を倒すフランス革命にもカフェ文化は一役買ったのでした。 では、パリの街に花屋が多いのはなぜか。パリジャンがブーケを女性に贈るイベントといえば、ヴァレンタインデーや誕生日、結婚記念日などがあるが、実は

          人間臭さから生まれる美的カルチャー

          春爛漫、衰えないクリエイティビティの鍵

          春爛漫で天真爛漫。そこに創造の根源があると気付かされました。 スイートピーと桜で、春を奏でるこどもみらい塾フラワークラス。 それぞれ天真爛漫に創作を楽しんでいました。 こんなふうに、自主的にワイヤーで花を作ってラッピングまで! まず、大人のレッスンではありえない光景です。 天真爛漫であるとは、優れたクリエイターであると気付かされました。 天真爛漫。これをフランス語で何というのか?まずは言葉の分析をしてみました。ググると”イノセント”になってしまうのだけれど、全然ピンと

          春爛漫、衰えないクリエイティビティの鍵