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#7 口唇口蓋裂治療記 No.4「術前矯正と小手術」

(シリーズ編の第4回目となります。第3回目は#6に掲載していますので,まだご覧になっていない方は,まずそちらからお読みいただけますと,内容がスムーズに入ってくるかと思います。)

このページを開いていただいて、ありがとうございます。
今回は、口唇口蓋裂治療記第4回として,前回までとは期間が開き、2023年(19歳)の手術を行うために、2021年(17歳)の時から実施していた、術前矯正と行った小さな手術についてお伝えします。


人間とは思えない口の中

見出しの通り、治療前はまるで人間とは思えないような位置に歯が生えていたんです。これは口唇口蓋裂によって特に上顎の骨の形がおかしいから起こった現象、なんですけれども。6歳の時に、骨が欠損していたところに骨を移植する手術をしていたとはいえ、やはり正直歯の生え方は無茶苦茶でした。上の前歯はガッタガタ、右の2番の歯は斜め45度に生え、左側2本と右側1本は2列目に生えてしまうという。これにより何が問題となるかというと,やはり歯がガッタガタですし,何より反対咬合でしたから,写真を一緒に撮るときに歯を出して笑うことができないということ,なんですね。実際に,小学校の時の卒業アルバムを見ると,私以外の全員は歯を出して笑うことができていたので,そのような観点で少し孤立感を感じていました。写真を撮ろうと誘われても拒否していたこともしばしば。そんな悩みが長い間ありました。

矯正治療の始まり

2021年秋,当時から見て2年後に控えた手術のために矯正治療が始まりました。歯の表面にワイヤーを取り付け,歯の位置や向きを少しずつ直していく治療です。歯の位置が変わるということは,歯の根の骨も動くということです。やはり痛かったですよ,矯正は。歯の位置向き,そしてその根にあたる骨の位置をを半強制的に変えていくわけですから。矯正の始めたてはかなり苦労しました。噛むたびに激痛が走るわけですから,食事がしにくかったり,会話にも支障が出たり。ワイヤー装着からおおよそ2週間くらいは痛みが残りましたね。2年経過した今は痛みはありません。

4度目の手術(17歳8ヶ月)『手術のための手術〜親知らずの手術による抜歯〜』

矯正が順調に進み,およそ半年後にあたる2022年4月,親知らず全てを抜歯しました。
これは,2023年夏の骨延長手術,骨切り手術を行うにあたり,邪魔な位置に親知らずが存在していたためです。親知らずを抜歯しないと手術ができないということで,見出しの通り,「手術のために手術をした」のが2022年4月の出来事です。
本来は外来通院でも親知らずは抜歯できるのですが,私の場合は下の親知らずは真横に生え,上の親知らずは歯茎の中に埋まっていたので,かなり大変な治療になるという観点から,全身麻酔による手術で一気に抜いてしまおうという話になりました。全身麻酔はリスクもありますし,医療費もかかりますが,眠っている間に全て終わってしまうという観点から見ると,精神的な負担はかなり少ないのかなと感じます。特に私は大変怖がりなものですから(笑),意識がないうちに抜いてしまった方が結果的には良かったんですね。
全身麻酔による手術ですから,入院が必要になりましたが,前日入院,手術,翌日退院の2泊3日の入院で済みました。まあ,所詮抜歯ですからね。

小手術後の治療

親知らずを抜いて,その後1年間は矯正治療に専念しておりました。2列目に生えていた歯を1列目に割り込ませたり,歯全体のバランスを整えたり。この術前矯正でかなり口の中が綺麗になりましたね。大変な治療でしたが,かなりいいところまで持って行けたので良かったと思います。

(次回予告)いよいよ砦

矯正治療が始まりおよそ2年。2023年8月〜9月にかけて,人生の中で最も大きな治療である「上顎骨延長手術」「骨切手術」を行いました。1ヶ月の入院に2度の手術。書きたいことは沢山あります。次回は,その手術の詳細についてお伝えします。

ここまで読んでいただきありがとうございました。
次回もよろしくお願いします。

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