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意識の低い個別株投資のすすめ

先日、「インデックス投資をやってはいけない理由」という記事を書きました。

では、インデックス投資がダメなら何に投資すればいいのか??ということですが、僕は「意識の低い個別株投資」を全力で推奨しています。

コレは僕が実際にやっている投資法ですが、自分でもかなり気に入っています。

今回のnoteでは、この「意識の低い個別株投資」について詳しく解説していきます。

*今回のお話はYouTubeでも詳しく喋っておりますので、気になる方は動画もぜひご覧になってみてください。


投資の原理原則「βαγの法則」

具体的な投資法の前に、まずは投資の原理原則「βαγの法則」を解説します。

「βαγの法則」とは、次の3つの法則のことです。

β(ベータ)=自動投資(インデックス投資)
α(アルファ)=楽しむ投資(個別株投資など、インデックス以外の投資)
γ(ガンマ)=教養投資(自己投資)

「教養としての投資入門」

この原理は、「教養としての投資入門」という本に書かれています。

投資の基本についてわかりやすく書かれている本ですので、興味のある方はぜひ読んでみてください。

この3つの法則について簡潔に解説すると、1つ目のβは、巷で人気のオルカンやS&P500など、インデックス積立投資のことを指します。

2つ目のαは、インデックス投資以外の投資のことを指します。例えば、個別株投資や仮想通貨投資など、いわゆる楽しむ投資のことです。

3つ目のγは、勉強のためにセミナーへ参加したり本を購入したり、自己スキルを身に付けるための投資のことを指します。

さて、この3つの原則を比較すると、最近は新NISAで浮かれている人が多いのか、βのインデックス投資しかやっていない人が多いように見受けられるのです。

もちろん、オルカンやS&P500へのインデックス投資をやり続ければ、過去と同様に資産が右肩上がりで増えていく可能性もあります。

しかしその一方で、リーマンショックのような出来事が起きる可能性もあります。

もしもリーマンショックと同様の暴落が起こったらどうなるでしょうか?

その場合、世界の株価指数は全て値下がりします。リーマンショック当時も、みんな大好きS&P500種指数は50%以上下落していました。

暴落が起こった場合、個々の銘柄のファンダメンタルズは何も関係ありません。とにかく、誰もが「売り!」「売り!」「売り!」の状態になるので、あらゆる資産が叩き売られます。

最近では、コロナショックが記憶に新しいのではないかと思います。

そんなとき、もしもβのインデックス積立投資しかやっていなかったらどうなってしまうでしょうか?

資産がみるみるうちに溶けていくのを、ただ見守っているしかないのです。

つまり、インデックス投資はリーマンショックやコロナショックのような暴落にとにかく弱いのです。誰も彼もが一斉に売ってきますからね。

では、そのリスクを和らげるためにはどうすればいいのでしょうか?

それは、βのインデックス投資もやりつつ、αの部分でインデックスとは異なる値動きをする資産を持つことです。

わかりやすい例を挙げれば、米国債は株価暴落の際に値上がりする傾向があります。

こちらの方のツイートをご覧いただければ、長期米国債ETFであるTLTはコロナショックの時に上昇しているのがお分かりになると思います。

つまり、βのインデックス投資だけでなく、αの楽しむ投資でインデックスと異なる値動きを持つ資産を保有することで、暴落時のリスクを和らげることができるのです。

とはいえ、αは「楽しむ投資」ですから、暴落時のリスクに備えて米国債を買うだけでは面白くありません。(保有していてもいいとは思いますが)

そこで僕は「意識の低い個別株投資」をオススメします。

儲けようとせず、趣味としての長期株式投資を嗜む

では、「意識の低い個別投資株」とは何か?と申しますと、

「儲けようと思わず、趣味として長期個別株投資を実践する」ことを言います。

βのインデックスのように、「絶対に儲かる!」という前提ではなく、「そもそも株式投資で儲けようとしなくていいじゃん」という考えです。

元お笑い芸人、有名個人投資家の井村氏は、「【井村俊哉】株式投資ほど面白くてコスパの高い趣味はない」という記事にて

「そもそも趣味というのはお金がかかるもので、沼にハマるほどその出費は大きくなるのが普通」

https://pivotmedia.co.jp/article/8587

と言っていました。

解釈はいろいろあるとは思いますが、αとしての個別株投資を趣味として捉え、"「趣味だからお金は無くなって当たり前、もし増えて儲かったらラッキー」程度の思いで始めてみよう"という意味で捉えることができると思います。

この考え、僕はとても大切だと感じます。推し活でもゴルフのような趣味でも、「趣味にお金を使って大損した!」という感覚には誰もならないと思います。それと同じです。

そもそも、株式投資は欲を出すと失敗する仕組みになっています。インデックス投資がなぜ儲かるかというと、この「欲」の部分を消してくれているからです。

一定の金額を毎月ひたすら積み立てるので、特別な感情も入らず、上手くいく可能性が高くなるというわけです。

一方、「欲」が出てしまうと、人間はその感情を制御できなくなりますよね。欲というのは際限がないものでして、放っておけばどんどんと膨らんでいきます。

先日、僕のYoutubeにも興味深いコメントがありました。

こちらです。

https://youtu.be/Z9YVXXVlDaM

楽しむ投資でなぜ大損するのか?ズバリ、欲があるからです。

楽しむ投資として個別株に手を出した結果、仕手株や信用取引に手が伸びてしまう事態が起こるのは、僕ら人間に欲があるからです。

儲ける投資はインデックス投資でも十分なんですから、αの楽しむ投資では、名前の通り欲張らずに、好きな会社を応援する気持ち、企業のIRやイベントを楽しむつもりで個別株投資を嗜めば良いのです。

実際、僕も現在、日本の個別株をいくつか持っています。

株主総会をはじめとして、会社によっては工場見学など、株主向けに様々なイベントが開催されています。

応援したい好きな会社であれば、個別株投資を趣味としてイベントを楽しむこともできます。

特に、インデックスに組み込まれていない中小型株であれば、例えリーマンショックのような事件が起きて株式市場全体が暴落したときでも、指数との連動性は低いのでそこまで下がらないと思います。

ポートフォリオ全体のマネジメントとしても、暴落時のリスクを上手に減らすことができるのが、「意識の低い個別株投資」なのです。

ということで、僕は趣味としての長期株式投資を皆さんへ推奨したいです。

例.石井食品の株主総会

ここで1冊、面白い本を紹介します。

この本には、趣味としての個別株投資の例がたくさん掲載されています。

一例を抜粋すると、石井食品という会社が紹介されていました。

この会社は長年、株価が上がっていないということが紹介されていました。

要は、お金を儲けようとして投資をしても全く儲からない会社です。

しかし、株主総会へ行ってみたところ、なんと200人の株主が参加していたとのことです。小規模な会社で200人も株主が参加することは凄いことです。

しかも、会場が縁日のようになっていて、自社の商品がずらりと並べられている状況にもかかわらず、株主はそれに対して不満も何も言話ないと。

それよりも「自分の好きな商品が棚から消えているから復活させて」などの要望がたくさん質疑応答されていたということです。

すなわち、石井食品の株主の方々は、儲けたいから投資しているのではなく、会社と商品を愛して応援しているのです。これぞ本当の「やるべき投資」ではないでしょうか?

株主になれば年に一度の株主総会に出席もできますし、企業によっては株主優待もあります。

製品発表・新商品試食・工場見学・株主優待品…などなど、色々な特典を楽しむつもりで、趣味として個別株を嗜めば良いのです。このスタイルなら無味乾燥とした投資も楽しくなりますし、下手に損切りしなくなるので場合によっては儲かってしまう可能性も十分にあり得ます。

保有銘柄の情報を追いつつ、投資の知識を深めていきましょう

もちろん、インデックス投資をはじめることも、続けることも構いません。

しかし、それとは別に長期個別株投資をして、趣味として好きな会社を応援していきませんか?インデックス投資は確かに儲かるかもしれませんが、いわば無味無感動な投資です。

αの「楽しむ投資」を嗜むことで、人生をもっと豊かにしていくことことができるのです。

また、個別銘柄を選ぶコツとしては、指数に組み込まれていない株を強くオススメします。例えば、ファーストリテイリングを購入してしまうと、日経平均との連動性が大きいので指数全体の暴落に巻き込まれてしまいます。

指数との連動性が低い株を持つことによって、ポートフォリオ全体の強靭性が高まります。

万が一暴落が来ても、強く立ち向かえます。もし下がるようなら買い増してもいいのです。自分がよく知っていて応援したい株を保有しているわけですから、暴落時にも自信を持って買い増すことができるでしょう。

とはいえ、個別株投資を嗜むわけですからある程度の勉強は必要です。

日本の個別株投資を嗜むための勉強法についてはYouTubeで詳しく解説しているので、興味のある方はぜひご覧になってみてください。

また、動画とは別で、日本の個別株投資を実践する上で役立つオススメ本はnoteにもまとめているので、こちらもぜひ参考にしてみてください。

リンクを貼っておきます。

ではでは

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