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インド映画日記 ~きっと、何かある~

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2022年1月以降、インドで観た映画や、スマホが自動的に集めて来るネット上の映画関連ニュースを読んで思ったことをまとめたマガジン。
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記事一覧

映画メモ(2024年9月2週目)

今日本では『ジガルタンダ・ダブルX』が公開され、新たなインド映画のヒット作になろうかとい…

ホラー映画から見る現代社会⑤ 移民の見る悪夢

最近ひどく疲れている気がして、なぜだろうかと考えていたが、理由をこう仮定してみた。 あら…

ホラー映画メモ(2024年8月末~9月初)

最近観た映画について書いてみます。 ①Poochandi(タミルホラー)Netflix ②Influencer(米…

映画から眺めるインド社会⑥ インフォーマルセクターの夢、任侠映画

最近、住んでるアパートで住人の男に因縁をつけられた。 手には金の指輪や金の時計がギラギラ…

映画から眺めるインド社会⑤ 田舎の因習は過去のもの?

あの頃より今がよい 映画は我々の集合記憶を反映している。革命や戦乱等で大きな価値観の変動…

映画から眺めるインド社会④ 炸裂する母親パワーと息子

※書き始めたら長くなってしまったので、関連する作品を先に挙げておく。 『バーフバリ 伝説…

異文化パワーに圧倒されていよう ~『バジュランギおじさんと小さな迷子』の再上映に寄せて~

乗れなくて困った『バジュランギおじさん』 私が観たのは、2019年の最初の方、インド人の彼氏と一緒に観に行った。彼は既に母国で観ていて好きだと言っていて、やっぱり見た後彼の目からは涙が出ていた。 私はこの映画観ても泣けなかった。何故なのか未だに分からないが、きっと、びっくりするようなことが一つも起こらない映画だったからではないかと思う。老け込んだものだ。 現地の人ですらひどく心を動かされているというのに…。 そして時は流れ、インドに住み付いた。 最近のボリウッドがこ

映画から眺めるインド社会③ LGBT∞が連帯し得ない地平

今回のテーマは、LGBT∞という集合体の虚構性が見えて来てしまってつらい私のお気持ち表明と、…

竹美映画評99 傷と苦痛が切り開くあっぱれクィア人生! 『Chitrangada』(2012年、…

(2024年9月13日:お恥ずかしいことに映画のタイトルを間違えて記載していた。正しくは『Chitr…

竹美映画評85 神経衰弱ぎりぎりの弱者たち『Bhoothakaalam』(2022年、インド(マラ…

(2023年6月23日:タイトル追記。観て直ぐ書いたので、何度か読み直すうちに、本作に出て来て…

竹美映画評97 サブコンテクストも美味。インドホラーの新しい傑作 ”Bramayugam”(…

そのうちマジで『ホラー映画で巡るインドの旅』という本を書きたいという企画を持っている。需…

映画から眺めるインド社会②:みんなで見られる夢

2/2加筆 一昨年前、「ボリウッドの曲がり角」問題について何度か考えた。 しかし、じきに『パ…

映画から眺めるインド社会①:若い男たちの就職先

最近、『ハヌマーン』というテルグ語のスーパーヒーロー映画がヒットしている。 正直言って、…

竹美映画評95 有害な男性性をデトックスするプラバース 『Salaar: Part 1 – Ceasefire』(2023年、インド)

南インドアクション映画に結構前から飽きていたのだが、二か月も映画館に行けなくて寂しかったからかしら、評判のよいという『SALAAR』を観たくなり、鑑賞した。 これが大当たりだった。とても面白かった。またプラバースには、こういうインドギャングものに漂う有害な男性性をデトックスする力が備わっているという発見もあった。 あらすじ 都市国家Khansaarで深い恩情と友情で結ばれた二人の少年、VardhaとDeva(プラバース)。1985年、Devaとその母親はVardhaに窮