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22.09.29_TAGOE活動記

先週まで名古屋のギャラリーでの展示が終わり、日常が戻ってきた。さて、今日はTAGOE5期の2回目。テーマは川です。朝、ぼんやりした頭で今日何をするかを考えていたら、目と耳と鼻と口と手、つまりはそれぞれの知覚だけを使って川をリサーチしてみたらおもしろそうだなあ、という考えが浮かぶ。リサーチやフィールドワークは見るだけでなく、聞くことであり、嗅ぐことであり、味わうこと、つまりは全体で感じていくことが大事だと思う。そういった意味で、あえて1つの知覚に限定して川をリサーチしていくことで、均一的な捉え方に面白い偏りがでたり、かえって全体を深めていくことにもなるだろう。

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あいにくの曇り、やや雨もぱらつく天気だが、まずは田越川を上る方向でフィールドワークに出かける。目係り、耳係り、口係りって最初はどういうこと?という雰囲気だったけど、一生懸命説明したら分かってくれた。こうやってすぐに出掛けることができるのも、テーマが川だからだろう。今回はほぼ、外に出掛けて何かを見つけていきたい。

サツキとヒフミは目係り、目はいつも優位に使っているから逆に難しい。でも目というのも絶対ではないから、そこが揺らぐような発見ができると面白い。さっそく、ヒフミが川面に落ちる雨の波紋の美しさを見つける。現れては消えてを繰り返し、それがある種の美しさをともなって感じられるのは、そもそも目の能力あるいは機構がそうさせる。また、川下に降りると水面に対して低く雨が落ちるのを見ることができるので、雨のしずくが白く見えて電飾が付いたり消えたりするようにも見えるとヒフミ。波紋の紋様Tシャツが良いんじゃない?とか、もうさっそくそれをどうやって落とし込もうかを考えている。サツキはヒフミの発言を受け止めながらも、さらに個人的な感性を見つけていこうとしているのが感じられて、あいかわらず頼もしい。

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キホとアサキは、口係り。何かを喋れば良いんでしょ?テレビレポーターやるーと言うので、口って言っても味覚だから舌とかのことだよ?と言うと、でもやってみなきゃ分からないじゃん、おもしろいかもしれないんだからと言い返される。川の水を飲むってのはさすがにお腹が痛くなるから、想像で飲んでみるとか、と投げかけてみる。すると、色々アイディアやものがたりが浮かんできたよう。ヒマリとルアンは鼻係りで、とにかく匂うことで何かを見つけていく。歩くたびに匂いって微妙に変化をしていて、特に今日みたいな天気だと、コンクリートの濡れた匂いや、川のやや濁ったような匂いも分かりやすく感じられて、匂いと色を結びつけてみたら?など話しがでる。最終的には、ヒマリは泥に絵の具を垂らしてみたような匂いがしたというので、では来週それを試してみようということになる。コウノスケとキナリは耳。川から発せられる音にも、いろいろあることに感覚を集めていく。ポチャなのかポチャリなのか、サワサワなのかサラサラなのか、知覚と言葉の差もおもしろい。

帰ってきて、感じたことを共有する。準メンバーのキナリのドローイングが、音を可視化するパラメーターのようなものを描いていて、それにヒントを得てiPhoneのレコーダーに出てくる波形をスクリーンショットを撮り、それをトリミングしてミニマルアートの作品のようにしてみる。はい、これで3万円、になるかもねぇ。みんな目を丸くしていた。なるわけないじゃん!いや、それがなるかもしれないのがアートだ。と偉そうな僕。

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次回は変速予定で1週間後、今日の感覚をどうやって形にするか、手を動かしてみようと思う。果たしてどのようなTAGOEなりの川ができあがるだろうか。

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