見出し画像

スポーツ映画①

※今回の記事は映画「ミラクル」(2004年/ギャヴィン・オコナー監督)に関するネタバレの恐れがあります。

学生になったころあたりから私は、スポーツ映画を観るのが大好きになりました。当然の流れでスポーツ映画のDVDを集める事が趣味となりました。ノンフィクションもフィクションもどちらも片っ端から集めています。そういうわけで、今では恐らく全てのスポーツを題材にした映画は揃っていると自負しています。時間があれば、何度も観た作品でも家でエアロバイクを漕ぎながら鑑賞しています。

画像1

何故こんなにもハマってしまったのか、を考えると、それはそこに誰かを「励ます」シーンがあるからです。スポーツ映画には必ずと言っていいほど、「心に火をつける」「勇気を与える」という鼓舞するシーンがあります。

特に実話であれば、映画の中でのこういったシーンは、プロのコーチである私には大いに参考になるのです。つまり、コーチングの勉強として楽しみながら学んでいます。たとえばハドル(円陣)を組んで、チームリーダーが行う短めの鼓舞だったり、ゲーム直前のロッカールームで監督が少し長めの語りかけだったり、と。こういうシーンはスポーツを愛する者なら胸が熱くなります。

中でも、2004年に観た実話映画「ミラクル」は、特に心を揺さぶられました。

画像2

この映画は、1980年冬期オリンピックのアイスホッケーアメリカ代表の話です。1979年にアメリカ代表の監督となるブルックス氏が、世間からは絶対に勝てないと言われていた、当時世界一、絶対的王者のソビエトに勝つという目標を掲げ、チームを作り上げていきます。そのころのアメリカ代表は、ソビエトを倒すどころか、そこまで勝ち残ることさえ無理と言われていました。そんなチームは快進撃を続け、そして、とうとうソ連との決戦の日を迎えます。ゲーム直前、ブルックス監督は最後の仕上げとしてロッカールームで選手たちに語りかけます。結果、選手のやる気にスイッチが入り、勇気を与えて、チームをひとつにするのです。このシーンはアメリカでは非常に有名で、また人気の高いシーンです。そのシーンの日本語吹き替え版の映画から抜粋して、監督から選手への語りかけをご紹介させてください。


偉大な瞬間は偉大なチャンスから生まれる。

お前たちのチャンスは今夜だ。

それをその手でつかみ取ったんだ。

1試合だ。

10回戦えば9回ソビエトに負けるだろう。

でも、今日のこの試合は違う。

今夜はソビエトと肩を並べてとことん食らいついていく。

そして完全に封じ込めるんだ。

必ずできる!

今夜は俺たちが世界で最も偉大なホッケーチームだ。

お前たちはホッケーをするために生まれてきた。

今夜、お前たちがここに来たのは運命だ。

その時が来た!

ソビエトの時代は終わった!

もういいだろう。いい加減、聞き飽きた。

どこに行っても「ソビエトはすごい」という話ばかり聞かされ続けた。

でも、もう古い!

時代はお前たちのものだ!

さあ必ず奪い取ってこい!

~映画「ミラクル」(2004年/ギャヴィン・オコナー監督/ブエナビスタ・ホーム・エンターテイメント)より~


どうでしょうか?「よし!やってやる!」という気分になって来ませんか?
ここで、もう一度ブルックス監督のゲーム直前のロッカールームでのこの言葉を読み返してみてください。しかし、今度はアイスホッケーをみなさんがしているスポーツに置き換えて、ソビエトをライバルチーム、倒したいチームに置き換えて読んでみてください。

更に心がヒートアップして来ませんか?みなさんには是非ともこの映画を観て頂きたいと思います。

アメリカではあまりにもこのシーンが人気で、モノマネする人が多くいるそうなのですが、2010年4月4日、レッドソックスの本拠地開幕戦前に、当時5歳の少年Joshua・Sacco(ジョシュア・サッコ)君がこの映画ミラクルのブルックス監督になりきって同じスーツを着て、ホッケーをベースボールに、ソビエトをヤンキースに置き換えて、レッドソックスの選手に熱く語ります。私はそれをテレビで見た時は驚くのと同時に、とても幸せな気分になりました。その時、松坂大輔投手も笑顔でジョシュア君のスピーチに聞き入る姿もありました。

余談となりますが、この映画の主役ブルックス監督役は、あのハリウッドスター「カート・ラッセル」が演じています。消防士の兄弟の映画「バックドラフト」の兄役と言えばすぐに浮かぶかもしれません。

ちなみに千葉ロッテファンの方は、以前ロッテに在籍していたマット・フランコを覚えていますか?私は、ロッテ在籍時は一緒にしていませんが、メッツ在籍中大変仲良くしてもらいました。また話は脱線しますが、英語をあまり話せない私を彼は、少しでもリラックスさせようと、日本の童謡の歌「ドングリコロコロ」を覚えて来てくれて、私の横で歌い出しました。2人でドングリコロコロを一緒に歌ったのはいい思い出です。唐突になぜこの話をしたかというと、実はこのマット・フランコのお姉さんが、なんとカート・ラッセルの奥さんなのです。 

話は逸れましたが、このほかにもコーチングのヒントになるスポーツの映画はたくさんあります。次回も宜しくお願いします!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?