虐待の責任は? 虐待論Ⅴ-4
1.構造としての虐待 abuse/虐待は、虐待した職員の道徳観の欠如や易怒性などの性格の問題や専門性の欠如等の個人的な要因によって起因するものではなく、もっと複雑かつ構造的な要因で発生するのだと思います。
例えば、介護における関係の非対称性(権力性、抑圧性、暴力性)、パノプティコン的権力、パターナリズム、職場で語られるボキャブラリーや言葉遣いなどの言語環境、文化的環境、エビデンス重視の科学的思考(対象化・客体化・数値化)、業務日課至上主義にみられる効率化信仰、組織の閉鎖