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コロナ禍、長期化で仕事はどうなる?〜被害者はホワイトカラーおじさんというホラー〜

10年前、会社がフレックス制度入れた時、結局10時ギリギリのエレベーターから毎朝吐き出されてくる人達は、フレックス制度を使って生産性を上げてる人やワークライフバランスを改善している人でなく、朝起きなくて良くなってラッキーという人達だった気がする。(集団で毎朝同じメンバーが出てくる)

リモートワークも同じかもしれない。

リモートワーク自体、全く否定しないし、僕の様なポートフォリオワーカーのフリーランスは既にそのスタイルに慣れてるし、もっと積極的に推進すべきと思ってる。

リモートワークのビデオ会議では、リアルと違った環境でより本質的なコミュニケーション能力が必要とされる。
空気を読んで、隣で耳打ちとか、立ち話での事後調整とかできない。(チャット機能を使いこなせばより効果的にできかもしれないが) 全員の前で明確に発言し、コンセンサスを得る必要がある。今までは会議室の端で目立たなかったかもしれないがボーっとしてたり発言しないと画面一面の1人として普通に目立つ。

会社が新しい価値を生み続ける為に必要な知恵の創造、意思決定、コミュニケーションの総量は変わらない。

本質的に価値を生み出している社員は、PCやメール、Slack等で知的作業もしくは現場で作業を行っているから、リモートになろうが、仕事内容も変わらない。

「日本的経営が育成してきた組織特殊的な人的資産の役割」(岩井克人, 「会社とはだれのものか」)だけのおじさん(*注)達の存在価値が問われていく。

「ラッキー、会社行かなくても意外と仕事回るじゃん」って思ってる人は危ないかもしれない。それは経営者の目線では、あいつ会社にいなくても回るじゃん、と気づかれたのと同じかもしれない。

なので(普段からバリバリ仕事できている社員以外で)リモートでも一見うまく仕事が回った気がしている社員は、下記の点に留意する必要がある。

①あなたの仕事自体、会社がオフィス賃料と交通費と固定給を支払う必要のない仕事の可能性がある(価値がゼロではないが業務委託で良いのでは?と)

②部署自体が海外アウトソーシングの可能性がある。(今でも日本語のコールセンターのほとんどは海外)

③会社全体として(喧喧諤々の議論の必要のない)会議/打ち合わせを回しているだけで新しい価値を生み出してない可能性がある。

いずれにしても①ならあなたが長期的には会社に正社員としては必要とされなくなるし、②なら部署自体が海外にアウトソースされる可能性があるし、③なら長期的に会社自体が社会から要らなくなる。

その「可能性がある」というだけだけど。

世の中が正常化したときに、今、コロナウィルスで短期的に困っている人達、劇団員、シェフ、音楽家、アーティスト、スポーツマン等、リアルな環境で価値を生む人たちが、再び熱狂的に再評価される。

(これだ、これを待っていたんだ)

そして、ホワイトカラーで、人間関係とか組織特殊的なスキルしかなく、リモートワークで存在価値がないことが証明された人たち(とにかく家に居場所がないのでネクタイ締めて朝早く会社来るというおじさん*注)そしてその人たちだけの会社に冬の時代が来る。

取引先訪問も、「あ、30分のビデオ会議で良いですよ、あれ便利ですよねー、資料事前に見ておくので送ってくださいー」となっていくと思う。全身に雰囲気を漂わせて隣りに黙ってスーツで座っていた白髪のおじさん(ハゲでもいいけど)も、PC画面の端からは、圧もかけられない。(チラ)

「もう、会社に来なくていいよ」

って言われたときに
A「ええ、僕も(私も)今回、そう思いました。個人会社作ったのでこれからは業務委託でお願いします」

B「・・・(会社が唯一の居場所だったのに。。)」

となるか。

今回のコロナウィルスは、ドイツ、フランス、アメリカ含め全世界に拡散が確認されてしまった以上、長期化は避けられない。
次の「国民の皆さん」の戦いが、違うところで既に始まってる。

注* これ、おじさん以外にも、おばさんや若者も本来あり得るのだが、日本の特殊な雇用状態で、こういう類型の人の90%以上が大企業の場合おじさんなのでこう記述しています。




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