美しさと恐ろしさは両立するのか。千早茜さんの「魚神」を読んで
「美しい」という言葉を最後に使ったのはいつでしょうか。
「かわいい」とか「きれい」といった言葉はカジュアルに、そして日常的に使うけれど、「美しい」という言葉は、あまり耳にしない気がします。そして自分の口から出るには、どうも似つかわしくない言葉だなぁと感じています。
だけどこの小説を一言で紹介するとしたら、「怖いもの見たさで夫のLINEを盗み見するような後ろめたさと、モヤのかかった夢の中にいるような感覚に陥る、怖くて美しい小説です」というかもしれません。
注)夫のLINEは