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雑記

日記にもならないような、自分の気持ちをダラダラ綴った駄文

羽根虫

部屋の中に羽根虫が飛んでいたので 何の気なしにパチリと弾くと 音もなく地面に転がった
華奢な足をばたつかせながら 再び飛ぼうとあがく姿に
自分がとても重い罪を犯したような気持になって
私は罪悪感から逃れるように 羽根虫を紙で包んだ

寂しい王国

夕暮れの街を歩くと 無性に何処かへ帰りたくなる
しかしそれがさっぱり分からず 私はとても恐ろしい
いつの間にか帰り道を忘れてしまった 寂しい王国

祖父が死んだ日

祖父の棺桶に 色とりどりの花々が散りばめられた
棺桶に溢れた花は 持って帰って良いと渡された

暫く家で咲いていたが やがてゆっくりと花は枯れていく
骨のようになった茎を そうっと指で摘まむと ボロリと花びらが散った
萎びたそれを塵箱に放り込み 青臭くなった水を捨てた時
私は初めて 祖父が死んだのだと寂しくなった

あの子

日が落ちた道を歩くと 何処かの家の夕飯の匂いがする
なんでもない他人の家の日常を覗きながら
私は中学校の時 いっとう仲の良かった友達との帰り道を思い出す

彼女は中学を卒業したあと 難しい病気を治すのだと 遠い場所へ行ってしまった

それ以来便りもない 顔も忘れた かわいいあの子



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