また悩ましいお客さんがいらっしゃいました。 OK!カモン! 60代くらいかな?男性。 (あなたのお口元、それは、、、どうなっているのですか?マスクを何枚重ねてますの?) 複数枚の布を厚く重ねたマスクのトップはアベノマスク。 私の目には、重ね付けで盛り上がっているマスクしか目に入ってこない。 菌に対しての、並々ならぬ用心深さなのか?その存在感ありすぎる重ね付けマスクのせいで、男性の話しがなかなか聞き取れない。 『はっ?えっ?はいっ?なんですか?』 (やっと聞き取れたとおも
一番安い宝くじは、1枚100円。 100円くじは、いつでも売っているわけではないから、常時売ってる宝くじで一番安いものは1枚、一口、200円。 次が300円。ごくごくたまに、1枚500円なんて強気な金額設定のくじも発売される。 (これはあまり売れない。) この国で、一番還元率の悪いと言われているこのギャンブルくじを、通りすがりにフラッと買う人もいれば、生活の一部に組み込み、必須なものとして買う人もいるわけでして。 宝くじは、発売70周年だそーな。 私が生まれたときから発売
閉店1時間前に現れた親子。 小柄な母と大きな息子。 なぜそんなに?と思うほど、みょうにへりくだった口調の母親が気になった。 『あのぉぉぉ、すみません、こちら何時までですかぁ?』 閉店時間を告げると、 『あぁぁぁ、よかったぁ、まだ1時間ありますね〜、ありがとうございます、ありがとうございますぅ』 『まだ時間あるって!間に合ったね!よかったね〜!』息子に言った。 まじまじと親子を見る。 20歳前後の息子さんは、何か障害があるのだろう。 親子は、揃いのお手製マスクをしていた。
トイレで。 清掃中だった。 立ち入り禁止ではなかったので、清掃作業の邪魔にならないように使わせてもらう。 使用中で閉まっていたドアが勢いよく開いた。出てきた若い女の子。二十代くらい。 清掃している人に向かって 『ねぇ、ちょっとぉ、ペーパー入ってないよ!』 うーーーーーっ!! (あんたさぁ…そんな言い方はないでしょう?) 自分の親、それ以上かもしれない年齢の人に対しての物言い。 (あなたの親が、あなたみたいな子にそんな言い方をされたとしたら?どう思うよ?) トイレを出ると、中の
な〜んか私って、道端のお地蔵さんみたい。 お地蔵様を拝むように私を拝んだところで、もちろんご利益などは微塵もありませんよ〜。 なに?なに?なに〜?! 窓口の前で不意に立ち止まる人。 微笑みながらこちらに向かってペコリ。 こんな人がたまにいる。 ほとんどがご老人なのだが、若い青年が立ち止まり、笑顔でペコリと頭を下げてきたこともある。 知り合いの誰かと間違えている? どんな勘違いをしているのだろう?謎でしかない。 しっかりと目が合うので、私も頭を下げて一礼はするものの、どこか釈
「推し」とは?改めて検索してみた。 「推し」とは、人に勧めたいほど好感を持っている人物のことだそーだ。 去年、私は恋に落ちた。偶然で奇跡的な出会い。 去年からずっと、私は彼に夢中だ♡ 寝ても覚めても、仕事中も(笑)彼のことばかり考えている私。 彼は私の推し…? 彼を人に勧めたいとは思わないので、推しではない。「好きな人」ということになる。 テレビを流し見していると、「推し」についてやっていた。 インタビューを受けていた若い女の子2人が、推しについて語る中で『推しは尊い』と
ずっと独り言を言っている年配女性。気になるし、気味が悪い。 当選結果が記してある表を見ながら呟いている。物の隙間からそっと観察する。《見ちゃう》 とくに変なところはないのだが、あまりにも長時間いるし、ブツブツ言っているので、 『どうかなさいました?』声をかけてみる。《言っちゃう 聞いちゃう》 気色ばんだ顔で 『いいの、いいの!時間潰しなんだからぁ!』 (時間潰し?あ〜そうですか。ごゆっくりどーぞ。時間の潰し方なんて他にもいくらでも…) 普段私は、日に何十枚と受け取る申し込み
駆け込むようにやってきた外国人女性。 パッと見で40代。 『oh my god、oh my god……』あとは聞き取れないが、胸に両手を当てて興奮気味になにやら言っている。 興奮している人や怒っている人への対応は、敢えて抑えたトーンで冷静に! これ鉄則!接客の仕事をして覚えたことの1つだ。 優しくやさ〜しく、落ち着いたトーンで 『いらっしゃいませ〜どうしましたか〜?』 『ア、アタリ!コレアタリネ!ワオッ、アタリネ!アタリ!……』続く言葉は、何を言っているのやら、サッパリわか
昨夜遅くに降り始めた雨が本降りになっている。 こんな日に仕事なんか行きたくないよー! 嫌だ嫌だー!と言ったところで、どうしようもない。行くしかない。 この冬、手袋を無くしてしまった。 新しく購入しようと出かけてみると、2月なのに、もう春物ばかりになっていた。 冬物は隅の方に置いやられている。品数も少ない。 なんで?季節ジャストじゃダメなの? そんなに先取りしなくてもいいのに… まだまだ寒いのにさぁ。 逆も。毎年思う。まだまだ暑いのにさぁ。 秋冬物を見ているだけで暑苦しい。
執拗にナンパしてくるお爺ちゃん。 7〜80代?わからない。お元気だこと。 「カスハラ」なんて言ったところで、きっとわからないだろうね。 女性が1人で働く仕事場には、しつこく声をかけてくる迷惑な男性がたまにいる。 『◯◯さ〜ん、また惜しかったんだよ〜、ナンバーズ1つ違い。次は当たりそうだな。当たったらどうしようかな?どうしよう?なにしたい?どこに行きたい?◯◯さん、欲しいものある?』同じことを何度も何度も言っている。 (ボケちゃったのかな?) 『ねぇ、◯◯さん、どうしようか?当
同世代女性が来た。 『すみません、ちょっといいですか〜?』 『なんでしょうか?』 『あの〜、こちらは○○社さんの宝くじ屋さんですよねぇ?』 『そうです…』 近々この会社の面接を受けるという女性は、聞きたいことがあると言う。 『分からないことがあるのでしたら、会社の方に直接問い合わせれば…』 『あの〜、私、現場の方の話を聞きたいんです!』 (現場の方の話し?) 『ネットに口コミとか出てますよ〜』 『ええ。知ってます。ネットは全部チェックしましたから。実際に働いてる方の意見、生の
『どうしたの?目が痒いの?花粉?』常連客のお姉様に声をかけられて、ハッとする。 言えるわけないじゃん。ウィンクの自主練してました!なんて。 『そうなんですよ〜、花粉かも。な〜んか目が痒くって』 『あたしもクシャミ連発よぉ、早めに耳鼻科行かなくちゃ』 『そうですよね〜』 常連の外国人客。スラリとした白人男性。年齢不詳。 芸人の、ひょっこりはんを彷彿とさせる容姿、イケメンではなくて(私基準)ひょっこりはんぽくても、このお客さんの去り際は、オーランド・ブルームだ!ではないけど、
今日って、もしかして…日本人のお客さんより、外国人のお客さんの方が多かった?! なんて日が稀にある。 宝くじがお好きな外国人の常連さん達。 常夏の国から来たある女性客は、日本の冬がツライと嘆く。 『ワタシ、フユハイツモ、ゲンキナイダカラネ、フユ、キライ、カエリタクナルヨ』 話しを聞くと、冬の期間は少し鬱っぽくなってしまうらしい。 なんとな〜く元気のない彼女の背中に 『あったかくして、風邪ひかないようにしてね〜!』こんなことしか言ってあげられない。 観光客らしき人達がますま
『あのさ、宝くじなんか当たらない!とか言う人達っているじゃない。そういうこと言ってるヤツらって、なにも知らないんだよな。賢い人はさ、当たりが高額になればなるほど、当たったなんて、人には言わないから。黙ってるもんだよ、賢い人はね!』50代くらいの、別段賢そうにも見えないスーツ姿の男性が話しかけてきた。 (なんですか?俺は当たったことがあるんだよ!とでも言いたいんですか?) なぜか急に、突如として、その男性の話しかけに興味を失くした。 話しを長引かせたくないときの常套句。 『
人。 宝くじ屋さんに来る人は、買う人。当たりか?ハズレか?を調べに来る人。 換金しに来る人。 通りすがりに、ただなんとなく世間話しをしていく人。まったく知らない人なのだけど、立ち止まって微笑みながら会釈をしてくれる人。 いきなり話しかけてくる人。 『もうすぐね、トランプがまた復活して、台湾は民進党になるから!世界は変わるよ!』突然言われて呆然とする。 『だろ?お姉さんもそう思うだろ?覚えといた方がいいよ』 って言われてもねぇ…無難に『へぇ〜そうなんですね〜』と返しておく。
羞恥心についての雑感記。 よしっ!今だね! お客さんが途切れたのを機に、休憩を取る。 「◯時◯分〜◯時◯分まで休憩」の札を出す。ブラインドを半分下げて、内側から施錠もした。 いざ!重いドアを開けて外へ。鍵をかけていると、 『おーーい!おーーーーい!』 遠くから聞こえてきた。雑踏の中の雑音。 さてと。 『宝くじーー!休憩なのーー?どっか行っちゃうのーー?』 声のする方に目を向ける。 ニット帽をスッポリかぶり、遠目にも着膨れているのがわかる年配女性が、自転車を横に携えて私に向か