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地元愛強めの昭和生まれフリーランス。 化学屋さんから調査屋さんに転向して気付いたら20…

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地元愛強めの昭和生まれフリーランス。 化学屋さんから調査屋さんに転向して気付いたら20年近く生活者の行動と意識を探り続けていました。 人生回り道しすぎて常に迷子ですが、悪運だけは強い(らしい)。生きろ。

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【入社エントリ】アラフィフからのリスタート。Z世代の熱量の中で。

マーケティング・リサーチ、いわゆる生活者調査をメインの仕事にしてきた僕が、最近とある出会いの機会に恵まれ、成長真っ盛りのベンチャー企業にジョインすることになった。 その企業の名は「僕と私と株式会社」。 “Z世代の企画屋さん”として、Z世代に特化した企画・マーケティングに強みを持つ企画会社(に留まらない勢いさえ感じる組織)だ。 今回は、僕と私と株式会社(ぼくわた)に入社したての自分が、ぼくわたでの仕事、それを通じて感じたことなどを、「入社エントリ」として記録していこうと思う

    • Z世代っぽさって何だろう

      Z世代の企画屋「ぼくわた」に入社してから3ヶ月が経過した。結構怒涛の毎日で、いつの間にか会議回数も増え、それなりに忙しい日々を送っている。 これまでジョインしていた会社は調査系の仕事がだいぶ減っていることもあり、低稼働状態が続いている。気付けば「ぼくわた」が自分の本業になりつつある。 時々クライアントから求められるのが、「Z世代(若者)っぽい価値観を知りたい」というオーダーだ。Z世代が確実に消費の主人公になりつつあることの証左だと思うが、Z世代っぽさ、Z世代ならではの価値観

      • 結婚式ロス

        40才を過ぎたあたりから、すっかり結婚式からご無沙汰になってしまった。 20代後半から30代にかけて、平均で年に1~2回、多いと3~4回ほど誰かの結婚式に参列する機会があり、嬉しいし有難いことだったが、いわゆるご祝儀貧乏みたいになっていた時期があった。 大学のサークル仲間や先輩、新卒で就職した同期、会社の同僚、親族の結婚式などに幾度となく参列し、新郎新婦に向けて「おめでとう」と笑顔を向ける。自分自身の結婚式で呼んだ相手からも大抵は招待状が届く。結婚式自体は恐らくプランナーが

        • 昔書いた短編小説をリライトしてみました。メルマガで掲載した作品で前後半に分かれてる。前後半の「間」があった方が自分の作品らしさが出る気がしてそのままに。 創作大賞にはカスリもしないだろうけど、当時の乾いた人生観と戸惑いがよく現れた作品だった気がしています。

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        【入社エントリ】アラフィフからのリスタート。Z世代の熱量の中で。

        • Z世代っぽさって何だろう

        • 結婚式ロス

        • 昔書いた短編小説をリライトしてみました。メルマガで掲載した作品で前後半に分かれてる。前後半の「間」があった方が自分の作品らしさが出る気がしてそのままに。 創作大賞にはカスリもしないだろうけど、当時の乾いた人生観と戸惑いがよく現れた作品だった気がしています。

          【短編小説】フリーネス(後編)

           じゃあ、『職場の教養』をお願いします、大崎君。  はい、○月□日木曜日、“笑顔の力”。Aさんの働く事業所では、連日のように深夜まで残業が続きます。Aさん以下、5名のチームは――、  僕はブラインドの隙間から外の景色を眺めている。国道沿いの回転寿司店、カーショップの看板が見える。遠くには団地のマンション群が林のように建並んでいるが、工業地域であるこの地区には全体的に背の高い建物が少ない。 一つ一つの建物は細胞のように並んでおり、無数の電線が毛細血管のように走っている。寂れた

          【短編小説】フリーネス(後編)

          【短編小説】フリーネス(前編)

          「製紙研究室は、永岡室長が開発会議のため飯田橋事務所に出張です、17時頃戻ります。青山係長と島田主任が、水溶紙の試作立会いのため三島工場、大崎さんが導電パルプの評価で愛媛大学に出張です。3名とも戻りません。中田さん、岡本さんが有休、ほか出勤です」  背後に立っていた同期の新井君が小声で、ほかっていうか一人じゃん、と言って笑う。その通りだった。全体昼礼はまだ続いている。デバイス材料研究室は、赤池主任がキャリアテープの試作で明日まで福島工場、佐伯君と佐藤さんが認識装置の展示会で

          【短編小説】フリーネス(前編)

          君はそこで、輝いていた。

          仕事の関係や体調面など、様々な理由で活動自体は1年限定だったが、かつて弾き語りシンガーの真似事をしたことがある。 2004年から2009年にかけて、5年間にわたる文芸系のメルマガを発刊していたが、その活動を一旦終え、僕は何らか新しい創作的活動を欲していた。 当時の妻とは別居関係にあり、週末は1人の時間を持て余していた。国内SNSの走りであるmixiで暗い日記を書いたり、友人知人の近況をチェックする日々。社会人になり、転職で新卒同期との繋がりも希薄になり、出会いと言えばmix

          君はそこで、輝いていた。

          思考すること。言葉を紡ぐこと。

          マーケティングや広告の領域に留まらず、ありとあらゆる動画コンテンツがインターネットに溢れている。YouTubeやTikTokだけではない。InstagramもX(Twitter)も、ニュースサイトやレシピサイト、雑誌コンテンツ、クラウドファンディングに至るまで、今や動画がコンテンツの主役となっている。タイパを志向して動画は倍速再生する、といった消費行動も当たり前になってきた。 インターネット以前から、文字情報(新聞)→画像情報(雑誌)→映像情報(テレビ、映画)といった形でオ

          思考すること。言葉を紡ぐこと。

          Canvaを調査レポートに使いたい(が…)

          調査報告書をCanvaで書くことにチャレンジしているのだが、かなり難航している。 一般的な調査報告書、特に定量調査のレポートはグラフのオンパレードだ。クロス分析が基本だから円グラフを使うことは少ない。横帯グラフや棒グラフ、棒+折れ線グラフなどに加え、数表も多用する。当然数表は全対比で差がある部分をハッチングしなければならないし、それらの条件付き書式に対応するオフィスソフトはExcelが一般的だ。 多くの調査会社では、Excelで作ったグラフをパワポに貼り付けるのが通例だし

          Canvaを調査レポートに使いたい(が…)

          フルリモートリサーチャーとして。

          最初の会社で叩き込まれた調査の基本地方に住んでフルリモートで仕事をする。 コロナ禍を経て、今や珍しくなくなった働き方だ。以前も書いた通りで、リサーチ会社というのは基本的に東京に一極集中していることもあり、自分も東京以外でこの仕事ができるとは想像していなかった。 リサーチは現場を見ることから始まる。 紙アンケートを基本とするCLT(会場調査)や店頭・街頭調査、グループインタビュー、エスノグラフィーなど、オフラインの各種手法は、現場を見ることで初めて体感・実感できる情報が数多い

          フルリモートリサーチャーとして。

          調査を仕事にする者として

          マーケティング・リサーチ、いわゆる生活者調査を20年ほど仕事にしてきた上で、僕自身が常に頭の片隅に置いておきたいと思うことが2つある。 1.見る対象はデータではなく「人」 2.解釈するのも「人」 それぞれ考察してみようと思う。初めに言っておくが、考察の先にあるものはビジネスノウハウやTipsではなく、個人的な哲学だ。それはもしかすると、諦めや絶望に近いものかもしれない。 見る対象はデータではなくて「人」定量調査(アンケート調査)の一般的な思考法としては、データ集計など

          調査を仕事にする者として

          リサーチャーに憧れて。

          マーケティングリサーチャーという職業にどんなイメージをお持ちだろうか? 華やかなマーケティングを陰から支える仕事人、緻密な性格で頭の固い人、データ分析職人、色々あるだろうがどれも当たらずとも遠からずだ。 いわゆるマーケティングリサーチを専業とする調査会社の数としては、マーケティング・リサーチ協会の正会員社が全国で110社(2024年5月1日現在)。そのほとんどが東京に一極集中している。事業会社でリサーチを仕事にしている人を除くと、極めてニッチな業界だ。 マーケティングの世

          リサーチャーに憧れて。

          「愛してる」を言わずに愛を語ること。

          言葉を扱う者として。 noteというプラットフォームに載せることで、どんなに使い古されたフレーズも、薄っぺらい表層的な言葉も、何となく「それっぽく」見えてしまうという現象が多々あり、言葉を紡いだ上で「磨きをかける」一連の作業を省略してしまう傾向が時として見受けられる。 もちろん言葉を練り上げ、焼成し、研磨し、ギラっと光るレベルにまで昇華する凄腕の作家さんやクリエイターさんもいるが、全員が全員そうじゃない。特にビジネス系・自己啓発系のアカウントに顕著だと思うのが、「奥行きの

          「愛してる」を言わずに愛を語ること。

          伝説のnote酒場《回顧録》

          note始めましたが初めましてではない理由 noteがここまで一般に普及し、様々な企業がnoteを使って情報発信をするようになるとは思っていなかった。既に当時のアカウントは残っていないが、実はnote古参組の僕である。 noteがまだ社名変更する前、株式会社ピースオブケイクだった頃、僕は自分の文章発信の場としてnoteを使い始めていた。高校時代に文芸部に所属していた僕は、あまり文章を書くことへのハードルが高くなかったこともあり、発表の場に飢えていたこともあり、新しいプラッ

          伝説のnote酒場《回顧録》

          自己紹介が苦手だ。

          出会いは自己紹介から始まる。自分が子どもだろうと、大人だろうと、自己紹介してください、と言われる機会は出会いの数だけあり、そこで何を印象付けるかが、その後の関係性構築に極めて重要な役割を果たす。 うん、知ってる。 どれだけ年月を重ね、そのような機会に何度となく立ち会ってきたとしても、改めて「自己紹介してください」と言われると、僕は途端に何を話していいかわからなくなってしまう。 自分語りが苦手なのは、過去にフォーカスしていないから。そう言えばカッコいいのかもしれないが、単

          自己紹介が苦手だ。