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自由への渇望か、すねに傷持つ者の大脱走か。アメリカを目指す中国人不法移民たち

こんな記事を読みました。

ここ1年ほどで急増しているという、南米〜メキシコを通してアメリカに不法入国しようとする中国人の話です。特に今年はその増加が目覚ましく、今年3月の時点ですでに去年一年分の人数(約2万人)に追いつこうとするペースのようです。

その旅路の過酷さや、不法移民の集団の中では中国人が群を抜いて身なりがいい(=お金を持ってそう)らしいということ、中には中国側のスパイと疑われるような人間もいることなど、いろいろ興味深いことがあるのですが、僕が気になったのはこうした中国人が祖国を捨て、アメリカを目指した動機の部分です。

男性の1人に話を聞くと、彼は中国の安徽省を1月に出発し、マカオ、香港、モロッコを経由して、エクアドル、その後、中南米を北上して「2カ月かけてここまで来た」という。その道程は、ジャングルを越え、悪質な警察官が逮捕をちらつかせて金をせびってくるなど困難を極めたという。そこまで苦労して来た理由を聞くと「自由と民主主義を求めて」と話していた。(中略)

ある男性は「私の地元は経済が本当に良い。それでも中国政府に未来が見いだせないから来た」と熱弁していた。

           

要するに、移民を目指す彼らは現体制への不満や経済的な先行きへの不安、そして自由・民主的な価値観を求めて、大きなリスクを冒してでもアメリカを目指していると自称しているわけですが、個人的にはこれに大きな疑問があります。

端的に言うと、あなた方が新天地を目指す理由は、そんなに立派なもんですか? という、少し意地悪な邪推を持っています。

以下、印象論の域を出ないし、不法移民に出ようとする知り合いがいるわけでもないので推測を多分に含みますが、その前提でお読みください。

危険を犯す必要、ある?

僕が「自由を民主を求めて」とうそぶく不法移民たちの言葉をいまいち信用できないのは、正直「そこまでの現状か?」という疑問があるからです。

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