三編 柚菜

読んだ本や、その他小説に関することを自由気ままに綴っていこうと思います📚

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小匙の書室1 簡単な自己紹介

 本が好きだ。  正確には小説が、それも文芸やミステリが好きだ。  どうも、初めまして。  私、三編柚菜と申します。  本格的に読書を始めて、はや四年。  すっかり本棚に囲まれて最期を迎えたいと思うほど、本の世界にのめり込んでいます。  さて。  先述のとおり私は小説が好き、なのですが。  「好きだ」「好きだ」と餌に群がる鯉みたいに喚いていても、所詮は数多いる読者の一人の小さな声でしかないわけで。  それでも溢れてやまない気持ちを我慢できず、とうとうブログに手をつけるに

    • 小匙の書室200 ─忍鳥摩季の紳士的な推理─

       ちょっと頼りない女の子と先生。二人の行く先々で発生する、超常現象。  空間ループ、ストップ現象、タイムリープ──。  世界は、不可思議に満ちている。  〜はじまりに〜 穂波了 著  忍鳥摩季の紳士的な推理  『超常現象を利用した殺人事件』と聞けば読み逃す手はありません。あと、表紙から漂っている清涼感も素敵だなと。  で、たまたまときわ書房さんの方で為名入りができるサイン本が発売されていたので購入しました。  さて内容についてですが。  先生と主人公である摩季の関係には

      • 小匙の書室199 5月の読書振り返り

         今年がはじまって、五ヶ月。はやいですね〜!  あとひと月で半年ですよ、半年。  いずれ上半期のベスト10も考えなきゃいけないですね。  さあそんな、時の流れをガッツリ感じてしまった5月。  私の総読書冊数は19  総読書頁数は6107  でした!  最近は読書スランプに陥ることもなくすいすい読み進められているので、このような数になったのでしょう。  ⇩それでは今月の読了本をご紹介⇩  冬期限定ボンボンショコラ事件/米澤穂信  2004年にはじまり、20年の時を経て、〈

        • 小匙の書室198 ─告白撃─

           アイツを、片想いから解放してやりたい。  だからアイツから私に告白させて、断りたい。そのためのプランを練ってほしい。  親友の千鶴からそんな協力を頼まれた果凛は、告白大作戦成功のために動き始めて──。  〜はじまりに〜 住野よる 著  告白撃  ついにきました私の大好きな作家、住野よる先生の新作!  発売告知から今日までずっと楽しみにしていました!!  ときわ書房さんでちゃっかりサイン本を購入しました!!!  ──さて、今作のテーマは『告白』です。それも好意の成就では

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        小匙の書室1 簡単な自己紹介

          小匙の書室197 ─致死量の友だち─

           学校で凄惨な虐めに遭っているひじりはある日、些細なきっかけから似た境遇に身を置くクラスメイト──夕実と出会う。  心を通わせた彼女たちはやがて、『毒』を用いた復讐計画を練り始めるのだが──。  〜はじまりに〜 田辺靑蛙 著  致死量の友だち  その不穏な装幀に惹かれ、手に取りました。ただ例の如く「よし、取り敢えず買えたからあとで読もう」という気になり、気付けば積読として熟成させてしまいました。そしてやはり、文庫化してしまったのです……。  まあそんな私の怠慢さは横に置き

          小匙の書室197 ─致死量の友だち─

          小匙の書室196 ─ミステリーツアー─

           ニュージェネレーションのミステリ作家は、どんなミステリを読むのか。解体新書的ツアーをとくと堪能あれ──。  〜はじまりに〜 講談社 編  ミステリーツアー  6/12発売。  MRC〈メフィストリーダーズクラブ〉のLINE配信で行われていた『ミステリーツアー』が、ついに書籍となって刊行されます!  以前にも同系統の書籍として『ミステリースクール』が刊行されており、こちらはミステリの書評家による『“謎”の講義』だったのですが、本作は『“謎”のツアー』となっております。

          小匙の書室196 ─ミステリーツアー─

          小匙の書室195 ─推理大戦─

           日本で見つかった聖遺物。それを巡って各国を代表して集った“特殊な”名探偵たち。  果たして勝利を掴むのは誰だ──。  〜はじまりに〜 似鳥鶏 著  推理大戦  単行本刊行当時に「あ、面白そう〜」と思い手に取り、しかし気付けば今日に至るまでおよそ3年も積読。ついには文庫化されてしまいました。  本作の魅力はなんといっても、世界最強の名探偵を決める戦いです。  帯にならんだ四字熟語からして、相当の熱意がこもった作品なのだと察せられますね。特に『論理饗宴』なんてロジック好きの

          小匙の書室195 ─推理大戦─

          小匙の書室194 創元ミステリ短編賞1次通過作

           ミステリの各賞レースがつつがなく終わりを迎えても、瞬きの間にまた新しいレースが始まっていきます。  数々の素晴らしいミステリを眺めていたい気持ちはあるけれど、そればかりではせっかくの新芽を見過ごしてしまうので、ここは新たに気持ちを引き締めていかねばなりません(……と肩肘張っても仕方ないけれど)。  ──さて、5/23。  東京創元社が主催する『第二回創元ミステリ短編賞』の1次通過作が発表されました。  応募総数496作品!  そのうち48作品が通過!!  およそ十分

          小匙の書室194 創元ミステリ短編賞1次通過作

          小匙の書室193 私流、次に読む本の見繕い方

           読書を始めたての頃、私の中にあった常識は、  ・購入した書籍を読み終えるまで新しいものを買わない。  でした。  それはすなわち、「せっかく購入したのに読まずにいるのは作者に対して失礼だ」という想いがあったからです。  ただまあ、今にして思えば、それは『好きな作家の数』が片手程度だったからこそ打ち立てることのできたモットーだったわけです(まぁ、読まずにいることの後ろめたさは相も変わらですけれども)。  で、現在。  私は『好きな作家』の新刊はもちろんのこと、『◯◯賞

          小匙の書室193 私流、次に読む本の見繕い方

          小匙の書室192 ─月光ゲーム Yの悲劇’88─

           夏合宿のためにキャンプ場にやってきた英都大学推理小説研究会。しかし山の噴火によって、陸の孤島と化したキャンプ場に閉じ込められてしまう。  そんな折、一人が殺されて──。  〜はじまりに〜 有栖川有栖 著  月光ゲーム Yの悲劇’88  私がミステリを読む上にあたって大切にしているのは、『その真相がいかに論理的に解決されるか』ということです(それも後出しの情報などなく、論理を導くために必要な伏線がしっかり貼られていると尚良い)。  最近のミステリにおいて、そうした論理──

          小匙の書室192 ─月光ゲーム Yの悲劇’88─

          小匙の書室191 ─ゲームの名は誘拐─

           人生をゲームに準える男が、プライドを賭けて仕掛ける勝負。  その誘拐は、成功するのか?  事件は、犯人側の視点のみで描かれる──。  〜はじまりに〜 東野圭吾 著  ゲームの名は誘拐  6月に、亀梨和也さんを主役とした連続ドラマがWOWOWで放映されます。  その告知をSNSで知った私は、「もしかするとドラマのネタバレ感想が流れてくるかもしれない!」という危機に瀕し、積読から引っ張り出してきました。  ※ちなみに連続ドラマWでの実写化は、『ダイイング・アイ』『さまよう刃

          小匙の書室191 ─ゲームの名は誘拐─

          小匙の書室190 参加したいイベント

           読書を本格的な趣味とし始めてから、はや5年。  これまでたくさんの作品と出逢い、その中には一生忘れられない読後感を味わった一冊も含まれているわけです。  数年前までの私ならば「は〜面白かった、よかった、素晴らしかった」なんていう感想で済ませるだけでしたが、5年もやっているとね、思うわけです。  あ〜著者様に会いたい〜〜〜〜!!!!!  って。  サイン本を買う、というのは著者が間違いなく一度はその書籍を触れたことを意味するので、まあ間接的には対面しているわけですが、それよ

          小匙の書室190 参加したいイベント

          小匙の書室189 ─六法推理─

           大学校内の辺鄙な場所に存在する『無料法律相談所』──通常『無法律』。少女の依頼をきっかけに、法律の視点に重きを置く古城のモラトリアムに変化が起きて──。  〜はじまりに〜 五十嵐律人 著  六法推理  気付けば文庫化していた作品。そればかりか続編も刊行されている。となれば早く読まねばならない。そう思って手に取りました。  五十嵐先生の作品は『幻告』が初読み。文体の馴染みやすさと法律に立脚した深い人間ドラマが素晴らしく、以来、前作読破を目指す作家の一人になりました。  今

          小匙の書室189 ─六法推理─

          小匙の書室188 ─紙鑑定士の事件ファイル 紙とクイズと密室と─

           新業界雑誌に掲載された、懸賞クイズ。“密室”にまつわる謎に紙鑑定士の渡部が挑戦するのだが、やがて本物の密室殺人事件へ繋がっていき──。  〜はじまりに〜 歌田年 著  紙鑑定士の事件ファイル 紙とクイズと密室と  第18回『このミステリーがすごい!』受賞作『紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人』から始まる〈紙鑑定シリーズ〉(私が勝手に命名付けたもの)、第三弾。  本シリーズの特徴として、  ・主人公が紙の知識に通暁である。  ・模型やフィギュアといった童心をくすぐられ

          小匙の書室188 ─紙鑑定士の事件ファイル 紙とクイズと密室と─

          小匙の書室187 ─斬首の森─

           ある団体から逃げ出した男女グループ。しかし逃げた先には不可解な森が広がっていた。そして翌日、メンバーの一人が首だけを残して発見される。  これは、人の仕業なのか。それとも──。  〜はじまりに〜 澤村伊智 著  斬首の森  氏の作品は新刊が出るたびに読んでいる、というわけではないけれど、気になったタイトルは購入して読んでいます。本作もまさにその流れでした。  舞台は、何か人ならざるものが跋扈している(らしい?)森。鬱蒼としたそこでのサバイバルも大変なのに、あまつさえ『供

          小匙の書室187 ─斬首の森─

          小匙の書室186 三島由紀夫賞発表

           ⇧まずはどうぞ、こちらもご覧ください⇧  新潮社が企画する、この時期の二つの大きな賞。  それが、『三島由紀夫賞』と『山本周五郎賞』。  ⇩山本周五郎賞についてはぜひ以下の記事をご覧ください⇩  山本周五郎賞と比べて三島由紀夫賞は私に馴染み深いわけではないけれど、過去の受賞作を振り返ってみれば『旅する練習』や(未読だけど)『かか』『阿修羅ガール』など、知った作家の作品が並んでいるので、絶対に無縁とは言い切れない賞なのです。  であれば、せっかく『山本周五郎賞』も取り上

          小匙の書室186 三島由紀夫賞発表