見出し画像

UVレジン出力品のお話

皆さん、ガレキ作ってますか?
アヤドリ技研の塗装がヘタクソな方でお馴染みのはやさかです。
デジタル原型によるガレージキット制作を始めて早二年ぐらい。
この短い間にも3Dプリンタの性能はどんどん進化し、UVレジンも日々進歩している感じがします。
最近は出力品のクオリティも上がっており、そのまま販売する機会や、ガレージキットの一部のパーツを出力品にするといったことも行っており、この辺りで一度わかりやすく出力品の取り扱いについて書いておいた方がいいかなと思いまとめてみました。当ディーラーの商品をお買い求めの方には是非一読して頂きたいです。

アヤドリ技研ではデジタルで原型を制作し、それを3Dプリンタで出力。表面処理や必要に応じてアナログ調整を加え、完成した原型を使ってレジンキャストで複製し、それを販売しています。複製に関しては前記事でも軽く触れているので、興味のある方はどうぞ(https://note.com/simozuki485/n/n25bc9661124c)

で、出力品の場合はこうした工程を踏まず、3Dプリンタで出力したものをそのまま売っているわけです。
レジンとだけ書いてあると同じものかと思ってしまう人もいるかもしれませんが、素材が違うので取り扱いも結構変わってきます。

今回の記事は、あくまで当ディーラーの出力品キットやガレージキットを買った方に向けた内容なので、現在使っているレジンをベースに話をします。こちらですね。
https://siraya.tech/ja/collections/japan-resin-sales

細かく説明すると長くなるので簡潔にまとめると、UVレジンは

・茹でたりレジンウォッシュにつけたりする必要なし!
・塗装の前にプライマーを吹く必要なし!

コレです。離型剤は使っていないので、通常のレジンキャストキットのような最初の儀式が必要ないのです。
シリコン型を使って複製しているのではないのでパーティングラインの処理なども必要ありません。


しかし、世の中いい事ばかりではありません。出力品は出力品で、

・サポート部分の処理が必要
・積層痕がある場合がある

サポート

残念ながら現在の3Dプリンタの性能では空中に物体を生成できないので、地面からサポートが生えてきます。これを処理する必要があるのですが、「乱暴にしたら本体まで折れちゃった♡」などの報告が散見できます。特に細かいパーツの場合は、切れ味の良いニッパーやデザインナイフを使って優しく処理してあげましょう。切り取った後はヤスリで綺麗にしてあげましょう。
サポート処理に関しては最近のキットの出力品を例にりくさんが記事を書いているので参考にしてみてもいいかもしれません。(https://note.com/rikukurokawa/n/n438ecdd5cd73)

また、出力品の表面は一見きれいでも、よーく見ると断層のようなラインが入っていたり。年輪のようなものが見受けられる場合があります。積層痕というやつですな。600~800ぐらいの紙ヤスリやスポンジヤスリで表面を慣らしてあげましょう。

UVレジンもメーカーや商品によって違いがあるのですが、現在我々が使っているUVレジンの特性としては

・加工しやすい
・靭性が低めなので力をかけたりすると折れやすい
・質感がいい感じ

などのメリットとデメリットがあります。
特に強度に関しては、市販のプラモデルのような感覚で取り扱うと破損の恐れがあるので、乱暴に扱ったりせず、上述のサポート処理の所で書いたように丁寧に扱ってくださいね。はやさかもこれを書いている前日に参加した同人イベントで、片付けの際にデカブツのサンプルを床に落として壊しました。

ごめんな…あとで必ずクレイジー・Dで直してやるから

もし折れてしまっても瞬間接着剤とかでくっつくのでどうか泣かないでください。

以前使っていた高靭性の水洗いレジンは、強度はあるものの加工しづらく、キットにするには難しく、そのまま商品にするにも色味がイマイチだったりというのがありました。一長一短なので選ぶのも難しいですね。

新商品もどんどん出ているので、そのうちキレイで安くて加工しやすくて頑丈なUVレジンが出てくるかもしれませんが、現状としてはこんな感じです。
キットの説明書などにも注意点は書いてあるので、購入の際は必ず目を通して頂けるとありがたいです!

最後に当ディーラーの出力品キットも購入できるBOOTHへのリンクを貼っておきます。課金してアヤドリ技研を応援しよう!!
https://ayadori-factory.booth.pm/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?