お初にお目にかかります。瀬戸千歳と申します。 ちまちま小説を書きつつ、本業はマンガを中心とした書籍関係のグラフィックデザイナーをやっています。 瀬戸内で育ったので海が舞台の話や怖かったり不思議な話をよく書きます。大学では林芙美子と宮沢賢治、大学院ではドストエフスキーの研究をしている先生に師事していました。 デザインのお仕事は個人的にもお受けしています。お店のロゴやらイベントのフライヤー、脱出ゲームの冊子、フリーペーパーの誌面組み、文芸同人誌の表紙や文字組みなどを作っています
5月19日に開催される文学フリマ東京38のお品書きと簡単な説明です。 「秘密結社きつね福」は第二展示場の2階[つ-18]にブースをかまえます。今回はアンソロジーを3タイトル、個人本1タイトル、委託されたフリーペーパー1タイトルを持っていく予定です。 『名刺をめぐる記憶あるいは空想』新刊のアンソロジー、テーマは「架空の名刺」です。「百崎 尋」という架空の人物の名刺が作中に登場するというレギュレーションのもと、14人の作品(小説12、漫画1、写真+短歌1)が載っています。 書
【新刊のおしらせ】アンソロジー 名刺をめぐる記憶あるいは空想 [仕様] カバー・オビ有り B6サイズ(128mm×182mm) 口絵6・本文206、全212頁 小説・短歌・漫画・写真の全14編 作中に登場する名刺付き イベント価格1500円 [書き手] 伊藤なむあひ/犬山昇/大木芙沙子/尾八原ジュージ/紅坂紫/坂崎かおる/鮭とば子/瀬戸千歳/鳥山まこと/橋本ライドン/蜂本みさ/安河内瞳/吉田棒一/ヨノハル [Webカタログ] つ-18 秘密結社きつね福 [イベント情報
いまだにnoteだと狐面スーツである。 書いたり作ったりなど、今年やったよ!のまとめです。今年は公募賞に向けた作品にぜんぜん取り組めず、こないだからよしやるぞ〜!と書き出してはいるものの、ちょっとやらなくなると途端に体力がなくなるもんですね。ナムナム。 1月 CALL magazine vol.2 「恵方」掲載 紅坂紫さんが編集長を務めるフラッシュフィクション専門誌に呼んでいただいた。しかもviol.2である。めっさ嬉しい。毎週月曜日にコンビニで印刷できるネットプリントで
文学フリマ東京37に出店しました。 見本誌・執筆者への献本をふくめ、新刊『アンソロジー 非実在神様』131冊、既刊『アンソロジー 夢でしかいけない街』は26冊ほど手元から旅立っていきました。め〜〜〜〜〜ちゃくちゃ嬉しい。あとお預かりしていたフリーペーパー『ミッドナイト』も用意していた100部すべて手にとっていただきました。本当にありがとうございます! 『夢街』初版の束幅16.2mmで『非実在神様』は8.5mmのため前回の文学フリマ東京36に持っていった106冊の1.5倍く
【新刊のおしらせ】アンソロジー 非実在神様 [仕様] カバー・オビ有り B6サイズ(128mm×182mm) 小説と漫画の全8編・本文148頁 御札風デザインのシール付き イベント価格1200円 [書き手] 犬山昇/大木芙沙子/尾八原ジュージ/木古おうみ/紅坂紫/鮭とば子/瀬戸千歳/橋本ライドン [Webカタログ・お品書き] す-28 秘密結社きつね福 [イベント情報] 開 催:2023年11月11日(土) 時 間:12:00~17:00(最終入場16:55) 入場料
せっかくだから瞬間の感情を書き留めておかなきゃと思って書いている。PCが壊れました。正確にいうと動いてる様子はあるけど画面がまったく映らなくなりました。 使っていたのは2019年製MacBook Pro 16インチで、コロナ禍に入ったタイミング、在宅作業での必要性に迫られて慌てて買ったやつ。本体が24万円、作業効率を上げるためにワイヤレスのキーボードやらマウスやら諸々のアクセサリーもつけてだいたい27万円くらい。会社は27インチのiMacで縦長のサブモニターもつけてデュアル
文学フリマ東京36に出展しました。もう1ヶ月前のこと。 今回の新刊「アンソロジー 夢でしかいけない街」は100+献本用6冊を会場に持ち込みまして、ありがたいことにすべて完売しました。め〜〜〜ちゃくちゃ嬉しい。 上のリンクにある通り厚みが16.2mmあるので、重さもさることながら物理的に持ってゆくのがたいへんで、手持ちのキャリーケース+登山用のリュック+紙袋×2でどうにかこうにかという感じ、アンソロジーなので数が本当に読めませんでしたが、120冊くらい持ってゆく腹づもりでし
【新刊のおしらせ】アンソロジー 夢でしかいけない街 [仕様] カバー有り 数量限定でオビ付き B6サイズ(128mm×182mm) 口絵12・本文196、全208頁 小説・短歌・漫画・写真・イラストの全16編 イベント価格1500円 [書き手] 左沢森/伊藤なむあひ/大木芙沙子/オカワダアキナ/尾八原ジュージ/紅坂紫/坂崎かおる/鮭とば子/白川小六/瀬戸千歳/谷脇栗太/橋本ライドン/本所あさひ/yuca/ヨノハル/Raise [Webカタログ] う-59 秘密結社きつね
続けざまに結婚式があった。4月30日と5月4日。ふたりとも同じバンドで遊んだ友人だったから、余興で演奏をした。よくコピーしていたのはACIDMANとムック、ELLEGARDENなどだったからそこらあたりから選ぼうと思ったけれどベースが違ってしまうことが悲しくて、ぜんぜん関係のない曲にした。 ベースは亡くなった友人の機材を使った。弦はとっくに錆びていたけれど、ボディには埃もなく、よく手入れされているのがわかった。なるだけあの頃と同じ編成で再現したいとのことで私は弾かなかったけ
死んでいたのはおれだったかもしれない。おれはたまたま生きていて、いつ誰に蚊をつぶすみたいにころされるかもわかんないくらいの、そういう社会に身を置いている。あちらから向かってくるおじさんがカバンをごそごそやるとき、ナイフを出されるんじゃないかと思って身構えたり、まっくろなバンが歩道脇に止まっていたら、おれを引きずり込んでぐちゃぐちゃにして海に捨ててしまうんだろうと思ってイヤホンを取ったりする。でもおれがそういうたぐいの不安を吐き出したところで、抵抗すればワンチャン勝てるっしょ
四十九日が済んでも麦野はいまだにやってくる。三日連続のときもあれば、一週間ぱったりと姿を見せないこともある。十日あいたことはない。帰宅する際、カーテンの隙間から光が漏れていると、ああ、またきているんだなと思う。彼女はたいてい床に座りこんで窓から外を眺めている。たまに壁にもたれかかったりも、する。生前から行儀がよかったので、床に寝そべったり勝手にベッドを使ったりはしない。すくなくとも私がいる間は。 麦野はしゃべれないみたいだったが、話しかければうなずいたり笑い返してくれる。
板野かも様が主催の「第1回匿名掌編コンテスト」に参加して、たいへんありがたいことに拙作【霞食い】が1位に選出された。やった〜! Twitterのフォロワーである尾八原ジュージさんが参加表明をしており、概要を読んでみたら基本的なレギュレーションは500字以内・本文中に【試】の文字を使用すること、とのこと。暮れから春にかけて、リプライでお題をもらって420字程度の掌編を書く個人企画を毎年行なっているので、これはかなり得意な方向性のイベントだな〜と思いやってみることにした。 いつ
石階段から砂浜へ降りてゆく途中、流木やら漂着物やら海草やら打ち上げられているのが見えた。覚悟はしていたが、やはり昨夜のうちに抜けた台風が連れてきたのだろう。清掃ボランティアの人たちの姿はなかった。この湾はいつもあとまわしだ。岬の突端にあり、観光客どころかサーファーもこないから、たまに次の台風まで放っておかれることさえある。台風じたいはちっともめずらしくないけれど、私が役目を継いでからはじめてのことだったので、はたしてうまくできるか不安だった。目印にしていた大きな岩はまったく
いまだにnoteだと狐面スーツである。 書いたり作ったりなど、今年やったよ!のまとめです。応募したけど箸にも棒にもかからなかったものは省いた…ら、そういったものがなくなってしまった。8年ほど続いていたのでひそかな自慢だったのだが、はじまったものには必ず終わりがある。ナムナム。 1月 Twitter #リプライでもらった漢字ひと文字のお話 2021年版終了 2018年から年末に行なっている、みんなからリアクションをいただいて小説を書く企画。昨年に引き続いて“好きな漢字”にし
海の防人 今年はじめての嵐が去ったあくる日、わずかに残っていた夏の気配は浜辺からいなくなっていた。水面で弾ける光はまぶしかったが、海から吹いてくる風は冷たかった。打ちあがったごみを今日のうちに処分しておくように。朝礼の際、支配人は厳しい口調で言った。昼用のお弁当を受け取るとき、最後の最後にツイてなかったね、と受付係の弓塚さんは気の毒そうに目を伏せた。でも終わらなかったら期間が延長されるかもしれないよ、藤谷くんまじめだし。僕はあいまいに笑って応えた。彼女を含めたホテルの