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学校教育用のさまざまな掛図。軍隊をさりげに差し込み、神の話で盛り上げ、日本の四季を自慢ー源流はここか!
収蔵品は家じゅうのあちこちの空間に押し込んでいるのですが、きのう、かなりの不都合を発見したので、掛図の整理がてら、あれをこっちに、それをそっちに、とやっていました。そこで、掛図の話の続きです。
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こちら、保存状態良好の国民学校初等科2年(今の小学校2年)前期用「エノホン掛図」。文部省発行です。1941年11月22日発行で、こちらは同日翻刻印刷された12月15日発行のもの。つまり、太平洋戦争開戦直後です。低学年の図工用です。海軍を意識して軍艦の工作の図が入っています。
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そして、普通に花の模様なんかが続いたかと思うと…
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戦車、高射砲など、今度は陸軍に配慮した兵器の参考写真です。それにしても、わざわざ爆弾の大小を示す写真の意図は?
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そして、虫の模様に。日常に軍隊があり、需要もあるからでしょうが、こうした教育を通して軍隊へのあこがれを育てる狙いもあったでしょう。
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こちら、1942年6月発行のものを翻刻して1943(昭和18)年6月に発行した国民学校初等科第3学年(今の小学3年生)前期用の「初等科修身掛図」です。こちらは保存状態が悪く500円で入手したものの、とにかくめくろうとすると紙の繊維の結着力が低下していてさらに割ける状態だったので、業者さんに裏打ちしてもらい、二けた万円かかったかなというものです。掛図の形状はしていませんが、平面に並べて展示できるようになりました。
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当然ですが、教科書と並行してご説明すればなおよいのですが、ここでは雰囲気だけ。何しろ、場面数が20と大変多く、ポイントだけどうぞ。まずは、イザナギ、イザナミの国作りの雰囲気。混沌をイメージさせるのは難しいでしょうから、こういうのは絵の出番ですね。
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そして、天照大神を祀っている神宮の絵がしつこく続きます。
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このようにして「日本は神の国」であるとしつこく教えたのでしょう。1943年となると、修学旅行もないので、その代わり的な側面も。
そして体を鍛える武道や体操。そこの最初にるのが八紘之基柱というのが、国の為に強くなること、という目標を示します。
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そして繰り返される四季のイメージ。「日本には四季がある」と今でも自慢するのは、こんなところが起源でしょうか。それにしては神様で枚数を使い過ぎたのか「冬」がありません…。たぶん後期用には…。
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大国主命に国を譲ってもらうよう、兄弟の神様が遣わされた、国譲り神話が出てきます。これも、土着の人の征服話なんですが、神様のお話で平和裏にーという作られたものであることが明らかですね。
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まあ、教科書は比較的残っていますが、こうした掛図と一緒に保存すると、より力を入れていたのがどこか、よくわかります。ちなみに石ジェンナーの図も出てきました。犠牲精神を学ばせようとしたのでしょう。そういう部分は都合がいいかなと思ってしまいます。
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こうして皆さんにご紹介することで、思わぬ整理もでき、自信も改めて学習の機会になっています。頑張って続けていきます。
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