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誰もわかっていない静岡県の知事事情①

川勝平太前静岡県知事が5月9日、静岡県庁を去っていった報道がありました。そしてお決まりの、「川勝県政を振り返ってどうでしたか」「悪いこともあったけどいいこともあったね」と、オール静岡のニュース番組が報じていました。

川勝前知事が辞職に至ったのは、静岡県のメディアのせいもあるという認識がなさすぎるだろう。静岡県には、静岡新聞を擁するSBS静岡放送、CMを一部流さないで日テレグループから排除されそうになった静岡第一テレビ、報道色を出そうとしているのに形だけの静岡朝日テレビ、フジテレビの衰退と共に色褪せてしまった昭和の局という感じのテレビ静岡がある。反川勝前知事を前面に出していたのは静岡朝日テレビで、以前民主党政権が政治家の揚げ足をとられまくって衰退したのを彷彿とさせる批判ぶりでした。

例えば今年初頭、能登半島地震の後の中部圏の県知事のテレビ会議に出席しなかった、と。それは無礼ではないか、と。そしてそれは静岡新聞社の主催する念頭行事に参加していたからだ、と。

だったらなぜ静岡新聞やSBSを批判しないのでしょうか。というのも、呼ばれたから行ったのではないでしょうか。静岡新聞やSBSは、会議があるという状況を知っていたら新年のコメントだけくださいと秘書に依頼すれば良かっただけのことです。

そして、日本の会社や行政機関(市役所や役場)で行われている会議がいかに無駄かと言われているのに、他の県よりも前に能登半島に入って一生懸命お手伝いをしていた静岡県なのに、「テレビ会議に出席して一致団結する様子をみせてほしかった」と、愚の骨頂ともいうべき批判を静岡朝日テレビやテレビ朝日を筆頭にしていたのです。

根回し」という日本独特の悪習がある中で、会議では決まった人が決まった発言をし終了する。他の人からすれば、メールで回してくれればいいだけのこと。私がとある役場の会議に参加した時に、異なる意見があったので発言したところ、その後で担当者からどれだけ嫌味を言われたか。
その無意味な「会社の会議」「役所の会議」に、知事本人が出席をしなければならないというのです。

静岡大学の井柳美紀氏という教員まで駆り出していました。川勝前知事の言葉尻にどんどん尾ヒレをつけて、散々川勝前知事を批判していた人物と思います。井柳氏は「単なる」専門家であり、県民の声の代表でも何でもないのです。

そして最後の辞職の日には、多くの県庁職員が拍手で見送り、各局ともにお涙ちょうだい的な報道を垂れ流していました。川勝前知事は、圧倒的な票差で勝ち、就任した知事です。テレビ局の担当者の判断で、政治を動かすべきことではないのです。

小泉政権の後の、福田、麻生、鳩山、菅…と、まさにマスコミの揚げ足取り報道がどれだけ多かったか、国民は忘れてしまったのでしょうか。マスコミは批判の対象になるべきではない?各国の自由度ランキングでも70位にまで落ちたのに、でしょうか。

お粗末なことがもう一つ。静岡県には横並びで夕方の情報番組があります。その一部で、週に1度程度出演する東京のタレントやコメンテーターが、お門違いなコメントを残す。なぜならその番組がそういうコメントをするような事前知識を与えているから。タレントやコメンテーターは自分たちで賛否両方の意見を知らないまま番組の言う通りのコメントをする。そうしなければ、何の告知もされず降板させられます

川勝前知事が、致命的なエラーを起こし、回復不能な何かをしでかしたのならわかりますが、今回の一連の動き、意図的に火種を作った静岡県の一部メディアに全責任があると思います。

今、その局はとても嬉しそうに静岡県知事選を報じています

くだらない。