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絶望するにはまだ早すぎる。西武が39試合目で自力優勝消滅。若手選手は活躍。エース高橋光成投手が勝ち出せば、一縷の望みはある

アメリカの作家レイモンド・チャンドラーの名作「長いお別れ」には「ギムレットにはまだ早すぎるね」という有名なセリフがある。私は西武の選手たちに、こう伝えたい。「絶望にするにはまだ早すぎるね」。今季39試合目で自力優勝の可能性が消滅した、しかし若手は着実に成長しており、エースの高橋光成投手が勝ち出せば、一縷の望みはあるはずだ。

18日にアウェーの福岡でのソフトバンク戦。西武は2-3と逆転負けを喫して、今季13勝26敗となり、借金は今季ワーストの13に膨らんだ。最下位の西武は首位を走るソフトバンクに14.5ゲーム差をつけられた。

西武が今後、残り104試合に全勝した場合に勝率は8割1分8厘。対するソフトバンクは残る西武戦14試合に全敗しても、ほかの91試合に勝てば勝率8割3分となる。これで西武の自力優勝は消滅したことになる。

今季5度目の4連敗となった西武だが、5月の自力優勝消滅はあまりにも早い。今季まだ39試合。チームの歴史の中で、前身のチームを含めても1950年と1971年の41試合目を抜いて最速となってしまった。

チームの主砲だった山川穂高選手がソフトバンクへFA移籍。新天地で今季12球団最多タイとなる10本塁打、打点は両リーグトップの38をマークしている山川選手。西武は大砲を失い、打線の迫力が弱まった。これが今季の低迷につながっている。

開幕前は先発陣が充実しており、西武を優勝候補に挙げている専門家もいた。しかし現状は投打がかみ合っていないため、なかなか白星を重ねられずにいる。

ただ若手選手は着実に伸びている。18日の試合では、5試合ぶりにスタメン出場の若林楽人選手が、二回に左中間へ一時は逆転となるツーランを放った。

プロ4年目の26歳。これまでの3シーズンの通算本塁打は3本。今季はすでに3本のアーチを描き、自己シーズン最多となった。

また投手ではプロ6年目の23歳渡辺勇太朗投手が今季初先発のマウンドに立った。6イニングを投げ、許したヒットは3本。与えた四死球は7と荒れ気味だったが、1失点と粘りの投球を見せた。

19日のソフトバンク戦には、連敗ストップを託され、ルーキー左腕の武内夏暉投手が先発する。ドラフト1位の22歳。今季3勝を挙げ、リーグ4位タイにつけている。

若手選手は着実に成長している。これに今季未勝利のエース、高橋光成投手が勝ち出せば、チームは勢いに乗り、レオ軍団は地平を駆けるだろう。

西武は自力優勝の可能性が消滅しただけで、優勝の可能性そのものが消えたわけではない。松井稼頭央監督は「一つ一つやっていきますし、最後の最後までやっていきたい」と前を向く。

そう、絶望するにはまだ早すぎるのだ。西武の巻き返しに期待したい。

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