Seina Morisako

約9年の東南アジア生活を終えて本帰国。主にアート鑑賞と料理について書いています。感じた…

Seina Morisako

約9年の東南アジア生活を終えて本帰国。主にアート鑑賞と料理について書いています。感じたこと、シェアしたいこと色々書いてます😉

マガジン

  • Art Writing & Photos

    自分が見にいって楽しかったアートに関する文章と写真を載せています。

  • おばちゃんの海外生活日記

  • 2020-2021 Lockdown

    2020年から新型コロナウイルス(COVID-19)で「Lockdown」が行われたマレーシアに住んで感じたことを書いています。

  • 東南アジアで調理家電研究所

    東南アジアで調理家電を使いいかに食を楽しくするか、可能性を探ります。

  • 遠隔電鍋プロジェクトー介護と電鍋

    大同電鍋を使って日本に住む高齢の母とマレーシアに住む娘とその息子が3世代でオンラインで料理をする記録です。 遠隔介護や介護における料理などから感じたことを綴ります。

最近の記事

そこは未来のアーティストたちが起きたら視線の低い鑑賞者は見えなくなった部屋となっていたーなぜ国立西美常設展の作品展示位置が元に戻ったことで私はこんなに落ち込んだのかー

声が小さかった私たちは、再び透明になっていました。 以前ならそんなものだと諦めていたけど、もう諦めたくないから、あたしゃ、書く。私たちの存在を透明にしないで。 知人から「国立西洋美術館の常設展の展示、元に戻ってた」と聞き、私は愕然となった。これだけ書くと「なんのことでしょう」的なので簡単に経緯を説明したい。 2024年3月に国立西洋美術館で「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?――国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ」 という西洋美

    • 「子供連れで美術館問題」において私たちが向き合わなきゃいけない一番大事なことを子連れ鑑賞歴17年の俺に語らせてくれよ、そして。

      本当に、本当にお待ち申し上げていました。 Tokyo Art Beat「子連れ美術鑑賞についてのアンケート」。 まず結果を公表して下さった事に深く感謝したい。正直、対立構造にせずまとめるの、とてもしんどかったと思う。 まとめにくいコメントもあったと思う。本当にありがとうございます、という気持ち。 正直、集計しただけで終わってしまう可能性も高かったと思っていた。 なぜなら相当まとめにくいコメントがあったのではないか?と思っていたから。 私、子連れで美術鑑賞を17年ほど

      • 表現とは自分が生きるために行う行為ーハンセン病資料館に行って感じたことー

        表現について最近より深く考える様になった。その思考の際、どうしてもいかなきゃいけない場所がありました。行けてよかった。 どうしても行きたかった国立ハンセン病資料館を訪れました。 1:私とハンセン病と芸術表現 なぜ私が東村山市の国立ハンセン病資料館で行われた絵画展に興味を持ったのか。それは瀬戸内国際芸術祭の大島を訪問したことから始まります。コロナ前とコロナ後、私は瀬戸内国際芸術祭の時に大島を訪れています。瀬戸内国際芸術祭は初回から訪れているのに、大島にはなかなか行く機会が

        • 第8回横浜トリエンナーレに行ってきた⑤ーホールで館長のトークを拝聴して質問してモヤってドキっとしたー

          哲学という言葉は日本においてなぜ避けられるのか、これはどうも奥が深そうだ。 横浜トリエンナーレを横浜市民として楽しむシリーズも5回目。今回はもう1点、「子供連れ鑑賞者」として思う存分楽しみたくこちらのトークを申し込んでみた。 「子供が(大人と、同時に自分自身で)考える力とは何か」、是非じっくりお話を聴いてみたいと思ったから。 色々な場所で美術館の館長であるの話を拝聴する機会がある私。横浜美術館の館長である蔵屋美香さん個人のお話をリアルで拝聴するのは初めて。とても楽しみに

        そこは未来のアーティストたちが起きたら視線の低い鑑賞者は見えなくなった部屋となっていたーなぜ国立西美常設展の作品展示位置が元に戻ったことで私はこんなに落ち込んだのかー

        • 「子供連れで美術館問題」において私たちが向き合わなきゃいけない一番大事なことを子連れ鑑賞歴17年の俺に語らせてくれよ、そして。

        • 表現とは自分が生きるために行う行為ーハンセン病資料館に行って感じたことー

        • 第8回横浜トリエンナーレに行ってきた⑤ーホールで館長のトークを拝聴して質問してモヤってドキっとしたー

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        記事

          パーソナル編集者をお願いして本当によかったこと

          伴走者がいると安心してぼっちで行ける。 4月からみずのさん主催の「パーソナル編集者」をお願いしている。 実は前からお願いしたいと思っていたのだけど、いろいろタイミングが合わず、やっとお願いすることができた。 4月からお願いする際に水野さんにお願いした際、パーソナル編集者としてアテンドしてもらう方の条件は「私の書く美術に関するnoteを読んで興味を持ってくれる今まで美術に触れてこなかった人」。 美術、文化芸術というのは敷居が高い、と感じる人が多い分野。 私が書いてきた文章は

          パーソナル編集者をお願いして本当によかったこと

          言葉について言葉にすることの難しさを対面で向き合うことで見えてくること➖『翻訳できない わたしの言葉@東京都現代美術館』➖

          東京都現代美術館にて展示されている『翻訳できない わたしの言葉』は私にとってとても深い展覧会になっていた。親愛なる美術の友である友人のキュレーションなので楽しみにしていた。実際に見ると楽しみ以上に発見が多かった。 1:言葉が、翻訳が私にとって重要である理由 ここで「言葉の重要性について」整理してみたい。私にとって「言葉」はとても重要だ。なぜか。それは翻訳という行為が近年の私には生きるために必要な手段になっているからだ。 お世辞にも英語が堪能とは言えない私。だけど、なぜか

          言葉について言葉にすることの難しさを対面で向き合うことで見えてくること➖『翻訳できない わたしの言葉@東京都現代美術館』➖

          第8回横浜トリエンナーレに行ってきた④ー「マヌケ」と素人の乱の文学性と言葉の表現方法の違いについてー。

          第8回横浜トリエンナーレを楽しむ会の4回目は「トークと政治性、そしてその表現手段」について。 今回は「野草:いま、ここで生きてる」実践編を旧第一銀行で拝聴してきた。 今回の登壇はこの3名。 芸術総指揮を務める盧迎華と劉鼎の二人と素人の乱の松本哉氏。横浜美術館の蔵屋美香館長がモデレーターを務めるとのこと。 旧第一銀行会場は何回も通っている。東南アジアの版画文化について思い入れのある私。特にInter-Asia Woodcut Mapping Seriesには深い思い入れがあ

          第8回横浜トリエンナーレに行ってきた④ー「マヌケ」と素人の乱の文学性と言葉の表現方法の違いについてー。

          「わかりやすい」は恐ろしい程にかっこいい。ー「青山悟 刺繍少年フォーエバー@ 目黒区美術館」を鑑賞して感じたことー

          わかりやすいって現代美術においてとても勇気がいることだと思うのです。 最初に明確に定義させて頂きます。こちらの展覧会が開催されている目黒区美術館は解体予定とのニュースがあります。 「この展覧会の関する文章と目黒区美術館再開発計画に関する見解は明確に区別します」ということをここに定義させて頂きます。なのでこの文章に関して目黒区美術館再開発計画に関しては触れません。コメントを求められてもこの文章には紐付け致しません。 私自身は「展覧会に関する文章は芸術活動のみを書き記す」を

          「わかりやすい」は恐ろしい程にかっこいい。ー「青山悟 刺繍少年フォーエバー@ 目黒区美術館」を鑑賞して感じたことー

          Seina Morisako の自己紹介(2024年度版)

          自己紹介はアプデすべきと実感したので改めて。2024年4月版です。 基本的には前回の自己紹介記事のリライトですが、色々付け加えています。 1:Seina Morisakoの基本情報 横浜在住のカナダの大学に正規進学している留学生の母です。現在の拠点は日本の横浜です。2022年8月にマレーシアのクアラルンプールから横浜に帰ってきました。(こちら何度も言ってるのですが今だに海外臭が抜けてないようで「いつシンガポールに帰るのですか」と今だに聞かれるので何度でも言います。現在の拠

          Seina Morisako の自己紹介(2024年度版)

          「見えないものが見えない人」には「見えないものを見える人が大事にしてるもの」がどのように見えるのだろうか。

          第 17 回「shiseido art egg」第 2 期展 野村 在展 「君の存在は消えない、だから大丈夫」のイベント、野村さんのアーティストトークが4月10日の夜に開催されました。 今日このトーク聞いた方がいいって気がしたんですよ。なので午前中母親の家に行って訪問介護をして帰宅したのですが、やはり行くべきって思って再び出かけました。 私の読みってマジ当たる。結果としては本当に行ってよかったです。 野村 在さんは申し訳ありませんが全く存じ上げませんでした。 興味を感

          「見えないものが見えない人」には「見えないものを見える人が大事にしてるもの」がどのように見えるのだろうか。

          第8回横浜トリエンナーレに行ってきた③ー国際芸術「祭」を日本語話者として日本で体験する楽しさと違和感、その感覚の回収方法についてー

          日本語って難しくて面倒くさくて愛おしいですね。 今回の横浜トリエンナーレは、横浜市民パスを購入したので何回も出かけています。 最近は初めて行く方とご一緒することもありとても楽しいです。ちなみに今回は周遊バスがないんですよ(以前はあった記憶)。なのでご一緒する方が初めての場合はこんなルートで回ってます。 そして、私は黄金町をお昼に選択するのは大きな理由があるのです。それは安部 泰輔さんの展示「第6章 安部泰輔「黄金森」+ショップ」を心身に余裕がある時に訪れてほしいから。

          第8回横浜トリエンナーレに行ってきた③ー国際芸術「祭」を日本語話者として日本で体験する楽しさと違和感、その感覚の回収方法についてー

          「言葉にできない」俺の想いを大事にしようー「MAMコレクション017:さわひらき」トークイベントに参加してきました。ー

          こちらの展示のトークイベントに参加してきました。 このトーク。ちょうど上がったタイミングに気がつけました。精神科医の西條朋行先生とさわひらきさんが「さわひらき作品を精神科医的側面からの分析」というスタイルのようでした。 その前に私、パーソナルトレーニングに参加してまして、そこからすっ飛ばして参りました。お馴染みの森美術館。お馴染みのお顔が多くて安心しました。しかし、最初渡されたのはインカム。 ???お部屋、そんなに広かった?? どうもこのトーク、人の出入りを制限しない形

          「言葉にできない」俺の想いを大事にしようー「MAMコレクション017:さわひらき」トークイベントに参加してきました。ー

          なぜ私は子供に文化芸術を実体験させることにここまでこだわるのか

          だって体験しなきゃ、知らないままじゃん。 本当にドタバタした日々を過ごしたまま気がついたら2024年の3月が終わろうとしている。もうすぐ4月だなんて、そんなの聞いてねえよ。 最近強く「自分の立ち位置」について考える。特に自分が好きな文化芸術についてである。最近、SNSに短くこんなん観ました、と投稿したものがそんなに意味があるのか、と思うことが多くなった。フェアとか、イベントがあると一斉に投稿が増える。そのイベントに関係してる人が自分の所属してる場所についてあげるのはわかる

          なぜ私は子供に文化芸術を実体験させることにここまでこだわるのか

          第8回横浜トリエンナーレに行ってきた②ーパンカチーフのワークショップに参加したー

          芸術祭の長時間のワークショップって誰が参加してるの?って思ってたのよ。 さて、第8回横浜トリエンナーレの連続記事第2回目。既に一通り回ったのだけど今回は「市民としての参加」を意識しています。だって横浜市民だもの。 今回はパンカチーフの刺繍ワークショップに参加したことについてです。 パンカチーフとは。 (ナンシー・リウ[劉南茜]、マイケル・ルン[梁志剛]、ジョン・ユー[余在思])(香港)の主要メンバー3人のコレクティブです。。 私は以前、友人でもあるパンロックが参加する展

          第8回横浜トリエンナーレに行ってきた②ーパンカチーフのワークショップに参加したー

          第8回横浜トリエンナーレに行ってきた①ー横浜美術館とBank Artー

          第8回横浜トリエンナーレが開幕でございます。 まずは横浜美術館に行ってきました。 今回は私、横浜市民であるので市民フリーパスを購入。初めての地元開催の芸術祭。「地元民としてどう楽しむか」、という視点で楽しみたいと思います。 横美の展開は一言で言うと面白く、深く、とても重い。トリエンナーレの日本語訳は「3年ごとの芸術祭」。この問いかけの部分がとても多い。展示を受け止めるには相当の体力が必要な気がしました。 本当に久しぶりの横美。ちなみに私はみなとみらいの前もなんとなく記憶

          第8回横浜トリエンナーレに行ってきた①ー横浜美術館とBank Artー

          Bear strikes back but I'm still aliveー20240323 休んでいいし、選んでいい、癌サバイバーの私がキャサリン妃に伝えたいこと。

          お久しぶりです。ちゃんと生きてます。 この闘病関係のnoteだけ読んでる方はいらっしゃる人はいないと思うのですが、私、ちゃんと生きております。 諸事情ありまして配膳のバイトは終了になり(ご迷惑かけたことを深くお詫びします)、本職をしっかりやる時期でしょという啓示にいくか遭遇し、ちゃんと動かねば、生きねば、と思いを新たにしています。 そのような中、キャサリン妃が初期ステージのがんであることがわかり、予防的化学療法もなさっていると公表されました。 最近、10年前のがん宣告

          Bear strikes back but I'm still aliveー20240323 休んでいいし、選んでいい、癌サバイバーの私がキャサリン妃に伝えたいこと。