見出し画像

言葉のことばかり【リアス式】

リアスって誰?

『リアス式海岸』ってのが
あるじゃないですか…。
あの「リアス」って、
いったい何なんですかね?

普通に考えれば、なまえをつけた人の名前、
ってことになるんでしょうが、とすると
「リアス海岸」でよさそうなもんですけどね。

まあ、「オギノ式」ってのもあるんで、
一概には言えないですけど…。
ただこの場合は荻野さんが考え出した「方式」
ってことだからよくわかるわけで、
リアスさんがガタガタの海岸を
造ったわけではないですからね。
ちょっと謎です。

ひょっとすると「リアス式」という
関数のグラフがあって、これがガタガタで、
ってことはないですよね。やっぱり…。

「式」を辞書でひいてみたら
『型』っていう意味もあるみたいで、
これだとすると、イタリアかどっかに
「リアス」っていう名前の海岸があって、
その型に似ているってところから付いた。
というのがちょっとだけ信憑性が高いですね。

スはどこへ行った

で、正解は
『スペイン北西部ガリシア地方の
 リア(ria 入江)の多い海岸にちなむ』
だそうで…

うーん、おしい。
イタリアじゃなくてスペインだった…。

しかし、となると
『ス』はどこに行ったんでしょう。
やっぱり「ス」が「式」なんですかね。
いやいや「s」は複数だ。
リア(入り江)がいっぱいある
海岸ってことだから…。
やっぱり「式」がどこにもないぞ…。

そもそもスペイン語も複数形ってsがつくのか?
…知らない。

リアスの記憶

そもそもリアス式海岸についての記憶って
妙なところをはっきり覚えていて、
妙なところを全く覚えていないことに気づいた。

「リアス式海岸」と
「フィヨルド」の違い…とか、
四大河文明の四つ…とか。
黄河文明は黄河。
エジプト文明はナイル川。
インダス文明はインダス川。
あれ?ガンジス川ってのもあったけど、
これなんだっけ…?
メソポタミア文明はメソポタミア川…
じゃなくてなんだっけ…?
チグリスユーフラテスだっけ、
これって川の名前だっけ?
チグリスユーフラテス川…じゃなくて
チグリス川とユーフラテス川だよなあ…。
なんでこれだけ二つ川があるんだっけ?
途中で合流するんだっけ?
ウクライナ地方は肥沃な黒土地帯。

肥沃ってなんだ……?

こうやって妄想は
どんどん繋がっていくんだが
なぜか知らないけど覚えてるのは
変な名前のものばっかりだ。

逆に言うと名前が平凡だと忘れてしまう。
変なことって実は重要だ。

式は行ってしまった

調べてて驚愕したのだが、
今の教科書だと
「リアス式海岸」は「リアス海岸」と
表記されているらしい。
なんと平成20年から。結構前からだ。

「リアス」そのものが入り江の地形を表す語であるので、あえて「式」を入れる必要はなく、地理学・地形学の学術用語としては「リアス海岸」という表記がより適切であるとされるようになりました。

帝国書院HPより

まあこれって最初に疑問に思ったことなんだが
いざ取られてしまうとこの寂しさは何だろう。

偉い人は正しいことをするけど、
正しいことは大概つまんなかったりする。

まあ若い人からすればもともと「リアス海岸」で
これはこれでちょっとかっこいい名前だけど
やっぱこれじゃ地名になっちゃうんだよな。

「式」の持ってる怪しさが
あのガタガタ海岸と相まって
いい感じ作ってたんだよなあ。と思った。
帰ってきてくれないかなあ。式。

次回の言葉は「失礼します」です。

この記事が参加している募集

名前の由来

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?