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静中の静は真の静にあらず

精神の静かな場合の静は、真実の静ではなく、道中の静かこそが真実の静であって、真の静とは静かな中に動を収めているものだ。(洪応明:こうおうめい)

中国・明代の万暦年間(1573-1620)の
洪応明(こうおうめい)の
『菜根譚(さいこんたん)』に
見られることば。

日常生活の喧騒の中で、静寂を得ることによってのみ、
天から授かった本来の自分の本質を真に理解することができる

さらに詳しく述べると、
快適な状況での
単なる安らぎは、
真の安らぎには
ならないという。

むしろ、
真の安らぎとは
逆境の中で
得られるものであり、
精神の作用に
導かれた心と
体の複雑な働きを
明らかにする
ものである。

というエッセンスが
込められています。

『菜根譚』の
生き生きとした
ページには、
知恵の宝庫があります。

意外なことに、
この本は
中国よりも日本で、
特に禅宗信者の間で
人気を博しました。

写真素材:桜の頃の金沢城「石川門」、加賀百万石

1822年、
加賀藩(現・石川県)が
『訓点文』を
出版したのをきっかけに、
見識ある解説書が
次々と出版される
ようになりました。

本書は、
この時代に
流行していた
哲学的言説を
要約したもので、
世俗的な事柄の
複雑さを
掘り下げています。

一貫して
シンプルさを
受け入れ、
逞しく試練に耐え、
物質的な欲望から離れ、
揺るぎない集中力を
維持することで、
最終的に境界を超えた
悟りを得ることができる。

写真素材:滝のある風景

真の静寂は
絶対的な
落ち着きだけでは
得られない。

その代わり、
真の静寂は
動きの中に
現れるものであり、
天界の調和のとれた
バランスと呼応する
ものであると
主張しています。

類語
・楽処の楽は真の楽にあらず

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