2024/1/28 読んだ本

西洋美術史に興味があり、関連した本を読んでいる。

いちばん親切な 西洋美術史 単行本(ソフトカバー) – 2016/7/15
池上英洋 (著), 川口清香・荒井咲紀

こちらは図版が多くわかりやすい。時代間の繋がりが年表になっていて、また本文中にも随時記載があるのがよい。文量が少なくて読みやすかった。

西洋の美術 単行本 – 2014/4/21
菊地 健三 (著), 島津 京 (著), 濱西 雅子 (著)

こちらは文章が多く難解な部分もあるが、内容が濃い。近代芸術から現代芸術に至るまでの流れが丁寧に書かれていた。

そもそも西洋美術に興味を持ったきっかけは、美大受験がテーマの漫画にハマったことが大きいように思う。その後、美術館に何度か足を運んだが、抽象画の意味がわからなくて、宗教画の魅力がよくわからなかった。個別論の書籍として、カンディンスキー、マレーヴィチ、モンドリアンの本は読んだことがあり、そこで抽象画の評価には美術史が深く関連していることを知った。

ざっくり言うと、それまで絵画の対象は具象物(実際のものを観察して描くことが多い)だったけれど、具象物を記号化(キュビスムがこれに近い)や抽象化したもの、さらに完全に頭の中で描いた色や形の抽象に広げられたのが功績らしい。

宗教画についても、キリスト教の中での物語や聖書のワンシーンを切り取っているものだと知って、なるほどと思った。そこにはキリスト教の時代背景も関連している。美術の鑑賞の取っ掛かりとして美術史を知っておくのは効果的だなと思った。

しかし、一連の流れを浚ったことはなかったので、今回ひととおり西洋美術史を学ぼうと思った。

印象に残っている箇所としては、絵画の対象となるものと意味の変容だ。初期キリスト教の時代では、当時文字を読める人=聖書を読める人が少なかったため、宗教を広げるためのツールとして宗教画が描かれてきた。絵にするとわかりやすいので。最初は神性が強調されて、キリストは無表情に描かれていたが、苦しみの表情を帯びるなどより人間らしい表現へと変わっていく。ちょうどこの頃にルネサンスが興る。遠近法が生まれ、絵に奥行きが生まれる。写実に少し近づいたように思う。

その後、貴族の権威を示すための宮廷画家が生まれ、さらには神話的なできごとではなく実在の「今」の事件を描いた作品や市民の風俗を表した作品、風景を描いた作品など、新たな対象とともに絵画の新たな意味が生まれてくる。

画家を仕事として見ても、宗教人から宮廷のお雇い、市民に絵を売る個人事業主、収入源も違えば仕事の仕方も違うのだろうなと思う。

西洋美術史のことを全部浚えたとは思わないので、また忘れたら読み返していくのがいいように思う。日本美術も今度見てみようかな。

美術史の話をしているけれど、感覚的な鑑賞ができる作品も好きなので、そこの感覚は忘れたくない。区分でいうとポスト印象派が一番好きだ。筆触分割や点描が好きなだけです。

以下、散文です。

この前キュビスム展に行った。シャガールの絵が強く印象に残っている。色遣いが鮮やかだけれど、どこか不気味な印象を持った。子どもの頃に見る夢のような感じ。鮮やかだけれど暗くて、眼が大きくて、驚いた。他の作品は暗くないものもあったので、そこだけ暗い印象を受けたことが不思議だ。描かれている人物の表情が暗かったからかもしれない。

マグリットの作品集を買った。
マグリット400 単行本(ソフトカバー) – 2023/6/9
ジュリー・ワセージュ (著)

マグリットの作品面白い。初期は不気味で暗い作品が多いが、後期は不思議だけれど暗さはなくてニュートラルな印象。誰かが以前マグリットは大喜利だと言っていた。頭を使って描くようなモチーフで、ここまで膨大な作品を残せていることがすごいと思う。


ついに買ってしまった。明るい部屋。アイドルマスターシャイニーカラーズの影響です。まだ最初の最初しか読めていないけれど、写真に対する哲学論考。写真は対象物を写しているものなので、写真を写真として対象物と切り離して考えるのは難しい、といったことにはなるほどと思った。直接コミュに関連する描写はないかもしれないけれど、ライターの考えに影響を与えているかもしれない。



ノクチルのイベントコミュが追加されたので、ひいと言っている。「いきどまりの自由」。いきどまり、息止まりだとしたら、浅倉透の話だ。G.R.A.D.を読んでください。自由律俳句って。自由からそこに行き着いたとしたらすごすぎる。アイドルと自由律俳句って。俳句のことがよくわからないけれど、ありのままを言葉(しかも極めて短い)にするのだとしたら、浅倉透がやっていることだ。自由律俳句なのでリズムにも縛られていない。

「自由律俳句とは、五七五の定型俳句に対し、定型に縛られずに作られる俳句を言う。季題にとらわれず、感情の自由な律動を表現することに重きが置かれる。文語や「や」「かな」「けり」などの切れ字を用いず、口語で作られることが多いのも特徴である。」wikipediaより。

「感情の自由な律動を表現することに重きが置かれる」だとしたらすごすぎる。律動だから、浅倉透は。

結局アイドルマスターシャイニーカラーズの話になっちゃったな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?