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「最強」への足がかりー2023櫻坂46を振り返る(中編)

いつもありがとうございます。
こちらは中編になります。
前編をお読みいただいてからの方が、時系列は追えると思いますので、よろしくお願いします。



2023年7月

向井純葉、「メッセージtoひろしま」映像出演

同じく広島出身の日向坂46・竹内希来里との共演。それがこんなに早く実現すると思わなかったというのが正直なところだった。坂道で広島出身というと限られるので、二人で何かできたら面白い、とは思っていたのだけれど。

向井純葉といえば、三期生で唯一合宿に参加できなかった人。その事情は詳しくわからないものの、もちろんどうしてもそうならざるを得ないものだったのだろう。
合宿は、BANをフォーメーション付きで完成させることが最終目標だった。だが合宿後の彼女は、その振りを完成させてきた。
これが最も驚きだった。
指導者も仲間もいない。まさに自力で完成させてきたのだ。その孤独な戦い。

本人にも伝えたが、私はこの出来事一つをもって、向井純葉を最大限に評価する。
たぶんこの先もずっとだ。


Japan Expo Paris出演で初の海外公演

海外公演については、もう何度かnoteにも書いたわけだけど、ただここから半年経って思うことがあるとすれば。

2023年の櫻坂、このパリ公演があるとないとで全く違ったものになっていた気がする。
もしこれがなければ、その後のマレーシアがあったかどうかわからないし、まして年末のAAAもなかったかもしれない。
少なくとも、海外で評価を受けているという印象ができたことが、その後の展開を呼んだと思われるので。

どう見ても、櫻坂2023の最大のポイントだった。


「OSAKA GIGANTIC MUSIC FESTIVAL 2023」出演

この頃の櫻坂のスケジュールがかなり凄まじいことになっていたと思うのは、パリ公演の一週間後が大阪のフェス参加だった、ということ。
いや、実は本当はこの頃に7th制作が既に始まっており、それこそ7th楽曲の振り入れであるとか、MV撮影であるとか、秘密裏に動きながらのそれだったということが最も衝撃だったのだ。
そんな超人的なスケジュールを、涼しい顔してやってのける。まさにプロの仕事。

アイドルという職業を、下に見ている人には本当に知っておいてもらいたい。
いかに努力しているか。そしていかにプロに徹しているか。

初の展覧会「新せ界」開催

私が実際に会場に足を運んだのは8月ではあったけれど、実際とても時間をかけて一つ一つの展示を見ていった。
実に丁寧に、クリエイターチームをはじめとする関係者の皆様が櫻坂46を作り上げているのが、あんなに伝わってくる展示もなかなかないと思った。

そして、出口に吊り下げられていた、彼女たちの言葉。

想いは口にするより、黙ったままでいたほうがいい、と歌う歌詞があり、
一方で、想いは言葉しないと伝わらない、という向きもある
私としては、敢えて言葉にしてくれるから一緒に同じ方向を向ける、というのはあると思っている。

松田里奈の「アニメの主題歌」の影響力は凄まじい。もちろんなんでもいいわけではないが、おそらくその凄まじさを推しメンは知っている。あのYOASOBIの「アイドル」などまさにその代表だ。

田村保乃の願いは、この後しばらくして叶えられた。それも、下半期だけで3回も。彼女のことだから、確実に多くのことを学び取ったに違いない。

現地で見たとき、最も私が衝撃を受けたのは、藤吉夏鈴の言葉だった。この発想力が凄い。アニラの席があれだけ当選しないグループになったので、もし仮に実現するにしてもスーパープレミアチケットになるだろうけど、実現したらそのインパクトは間違いなく強い。

そして、特筆すべきは守屋麗奈のこれ。

2022 櫻坂46 in 東京ドーム。
ドーム使用が急に申請できるはずもなく、例えば一年以上前から練られていたとしたら、菅井友香卒業がその頃には決められ、準備されていたと考えられる。それはつまり、欅坂からの流れがまだ続いていたとも取れるし、ゆっかー卒業は、グループ発足2年弱でもドームでの開催を考えるほどの事象だったということでもある。
ただ逆にいえばそれは、「櫻坂46としてドームに立つに至ったのではないかもしれない」という想いを生ませるのに不思議はない。
Buddiesの中にもし、櫻坂として東京ドームは時期尚早だ、と考える人がいるのなら、メンバーが抱く思いは尚更だろう。

櫻坂が、櫻坂だけの力で、ドームに立つ。

そしてこの想いをしっかりと言葉に残してくれた、守屋麗奈。

これが強さだ。

自信があるかと言われれば、言葉に窮するかもしれない。
ただそうだとしても
それを言葉にするということが、強さでなくて、何なのか。


小林由依、舞台「隠し砦の三悪人」出演

表現が適切ではないかもしれないが、この時期の小林由依を人の一生で喩えてみると、何か生き急いでいるような印象があった。
そしてこのスピード感こそが、何かを予感させるに十分な流れではあったのだ。

楽曲制作、海外公演、そして舞台。
一気に決まったとは考えにくく、それぞれが順番に決まり、メンバーに伝えられたと考えるのが自然ではあるが、小林由依だけはもう一つ同時に進行していたのが、卒業に向けてのプロジェクトだったはず。

とすれば、それぞれの仕事が櫻坂としての最後になる、少なくともそうなるかもしれないという思いがあったと想像はする。
つまり、どの仕事も、自分の全てをもってこなし通す。
たとえどれだけタイトなスケジュールになろうとも、必ず全うする。プロ意識の高い彼女の中にそんな想いはきっとあったはずだ。

その舞台に立っていたのは、紛れもなく小林由依演じる雪姫であり、雪姫となった小林由依であった。
同化していた。
そうとしか見えなかった。
その力強さ、生き抜くという意志、自分が犠牲になったとしても誰かを守ろうする優しさ、その優しさを全うするには強くなければならない。
それは、まさに小林由依そのものであった。

劇中、小林由依の独唱のシーンがあった。
雪姫というより、これぞまさに小林由依そのものであった。

この至近距離で、彼女の切なくも透き通る歌声に涙したことを忘れない。

なぜこれほど心を打つのか。

なんとなく察知はしていたが、数ヶ月後の卒業発表で全てが氷解するのであった。

2023年8月

Blu-ray&DVD「2nd TOUR 2022“As you know?”TOUR FINAL at 東京ドーム〜with YUUKA SUGAI Graduation Ceremony〜リリース

一人、また一人と一期生の卒業生を出し、欅坂46が遠くになりにけり、ではあるのだけれど、アイドルグループの宿命、という言葉で片付けていいのだろうかと常々思っている。
女性アイドルの寿命が短い、というのはよく言われることであるけれど、だとしたらそれは何が原因なのか。

推す側が、若い女子を求めていて、新陳代謝の圧をかけているからではないか、と思うことがよくある。

櫻坂でそんなことはあまり感じたことはないのだけれど(というより、グループの歩んだ道が特殊すぎたために、そういう一般論があまり当てはまらない)、乃木坂や日向坂を推す人々からは聞くことがある。

そういう話をすると、今度は欅坂信者は21人の絆に囚われすぎだからどうのこうの、ということを言い出す人がいるかもしれないけど、そういう話でもない。

新陳代謝を図らなければ、グループが存続できない、という理論がイマイチしっくりこない、というだけなのだ。
顔ぶれが同じだと、飽きるとでも…?
でもそれは顔ぶれのせいではなく、コンテンツそのものの弱さではないのか。

ただそれでも、新規生をオーデで入れる、ということは、運営にそういう新陳代謝を狙っての要素も間違いなくあると思うので、なんとも言えないなとは思うけれど…

自分も参戦したドームの円盤を観ながら、冷静になった今は、そんなことを考えていた。

なぜ菅井友香は、卒業しなければならなかったのか、と。

増本綺良、USJスペシャル動画「ユニハロ」「無敵の日」出演

前年は山﨑天出演のUSJCM抜擢で、かなり界隈が盛り上がったが、2023は増本綺良だった。
これは、確かに英断というか、素晴らしい人選だと思った。

増本綺良というキャラクターをちゃんと熟知していないと、できない起用だと思ったからだ。つまり、USJの関係者の方もしくはCM制作スタッフの方に、確実に増本綺良が伝わっている。と同時に、それは、最初の入口が間違いなく櫻坂46であり、他のメンバーのキャラクターも熟知していただいている可能性があるということでもあって。

そして、しっかり彼女のキャラクターを生かしたCMに仕上がっていた。本当に頭が下がる思いだったし、彼女はきっちりやり切った。これが彼女自身の今後にもつながるだろうし、櫻坂メンバーの今後にもつながるかもしれない。

そんなことを考えながら、CMの最後のきらこの変顔を見つめていた笑

「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2023」出演

まず、本当にロッキンさんには頭が上がらない。
欅坂時代からずっと、出演アーティストに選んでいただいている、という事実。コロナ禍や台風などで開催できなかったときも、しっかり選んでいただいていた。

そもそもがロックフェスであるわけで、そこにアイドルグループというカテゴリに入る人たちを呼ぼう、というのは、結構な勇気がいることではないか、と最初は思っていた。

よく「櫻坂はアイドルでなくアーティストだ」という意見があると、全力でそれを潰そうという輩に遭遇する。まぁ私自身はそこにこだわらなくなってきているので別にどちらでもいいのだけれど、ロックというのは音楽以前に「魂」のことではないのかなとよく思うのだ。

魂という中身をどういう形で表現するか。それがロックミュージックなのかアイドルポップスなのかという違いだけで、別に表現方法などにこだわらなくていいのではないかと。
それこそ観る人にその魂が伝われば、最終的には魂が宿ってくれれば、これ以上ない成功、まさに「ロック」なのではないかと思うのだ。

にもかかわらず、全力で潰そうとする向き、「あんなのロックじゃない」と否定する心こそ、最もロックじゃないと私は思うのだが。

勘違いなら申し訳ないが、ロッキンさんがずっと櫻坂を呼んでくださっているのは、そういう理由からではないかなと思うのだ。
観る人が魂を感じられる。
魂を共鳴させる。
魂が融合する。
それらが感じられるから、呼ばれるのではと。

彼女たちは、ずっとそれに応えてきた。メンバーが変わっても、伝えるべき魂は受け継がれてきたし、これからも受け継がれていくはず。
だから、できることならロッキンさんには、そんな彼女たちをずっとご覧になっていただきたいとつくづく思うのだ。

心からありがとうございます。
よければ、これからもぜひよろしくお願いいたします。


「HUNTER×HUNTER」×「Start over!」コラボMV公開

2023、櫻坂界隈はかなり数字にこだわった年だった。
そのことが、次の展開につながるということが強く理解できたからだと思っている。

「HUNTER×HUNTER」といえば、超がつくくらいの有名作品。その作者である冨樫義博先生といえば、Buddies界隈では有名な方。このコラボは実に激アツだった。
そしてこのコラボ動画、執筆時点で100万回が目前だ。
なんとか年内に、とは思うけれど果たして…

誉田哲也先生もそうだけど、こういうクリエイティブな面で名前のある方々が注目してくださっているのだから、もっと何かできることはあるはずなのになぁと思う。2024年の課題の一つ。


Japan Expo Malaysia出演で二度目の海外公演

Japan Expo Parisも衝撃だったが、このマレーシア公演もまた違う意味で衝撃だった。まさかこの短い期間で二度も海外公演の機会に恵まれるとは、さすがに予想できなかったからだ。
思えば、2023の櫻坂はこの「衝撃」が次から次へやって来る、という楽しさが凄まじかった。当の本人たちは大変だったと思うけれど、予想しようにも予想できない畳み掛けが心地よく、発表されて驚愕する、というのが本当に癖になったのだ。
逆にいえば、その楽しさを知ってしまうと、何もない時期が不安になる。
こんな贅沢な悩みもないものだと思うけれど、中毒性のあるものというのはそういうものである。

パリもそうだったけれど、パフォーマンスを客が収録した上、SNSや動画サイトにアップしても良かったのかどうかは知らないが(運営が積極的に推奨してたとは思えないし、よくて黙認程度か)、権利関係は確かに問題としてあるにしても、広く櫻坂のパフォーマンスを知ってもらえるというのは、メリットも多分にあると思うのだ。
パフォーマンスだけでなく、冠番組についても同じことが言える気がするのだけれど、それはまた別の話。

このときは確か「流れ弾」でほのが捌けて行ったところが話題になった。その後のパフォーマンスや最後の挨拶には笑顔で参加していたので、本当に一時的なものだったのだろうとは思うが、リスクマネジメントがおそらく全員で共有されているのだろうなということが確認できた一幕ではあった。

なにせ、センター曲である。センターが途中で捌けるというのは、場合によっては途中で披露が中止されてもおかしくないレベル。でもそんな状況を他のメンバーだけでやり切ったというのはもっと評価されていい話だと思う。これも、普段からこういうときにどうするか、少なくとも何らかの申し合わせができていないと乗り越えられない話。

そして、演者である彼女たちも、どうしても耐えられないことがステージ上で起きたときはどうするか。それも申し合わされているのだろう。このことが本当に安心感を呼ぶ。

比較するのは違うとは思うけれど、欅坂時代とはここが大きく違う。
欅坂というのは本当にリアルだった。リアルすぎたがために、リスクマネジメントで大人が責任を追及されてもおかしくない場面は、一つや二つではなかった。ただ皮肉なことに、そんなハラハラ感が彼女たちから目を離させず、結果として観る側を虜にしてしまった部分はあった。間違いなく。

話を戻すが。

マレーシアという慣れない土地でのパフォーマンスだっただけに、予期しない出来事が起こるのも想定はされていたはず。まして、今後海外公演が増えてきたとき、何かあったときにどうするかという指針にもなる。

マレーシア公演で特筆すべきは、実にそのことだったように思うのだ。


土生瑞穂、3rdアニラをもって卒業を発表

これも何度も言っていることではあるのだけれど、欅坂が櫻坂に改名するときには、おそらく一期生のほとんどが自身の卒業を頭に浮かべたのではないかと想像する。
そこで実際に卒業したのは、推しメン佐藤詩織さんただ一人だった。
でも、それも生き方。
グループに残るという選択をした残りのメンバーもまた、生き方だ。

ただ、そこでまた頭をもたげてくるのが、例の「アイドルの寿命」という話。

アイドルという立場をどこで区切りにするか。それは本人たちのみぞ知る。たとえ推しであったとしても、こちらが口を挟むべき話ではなく、その決断を尊重するしかない。それはわかる。
わかるけれど、何度経験しても寂しいものは寂しい。こちらだって人間だ。ちゃんと意志もあれば感情もある。推しbotではないのだ。
だから、寂しいと思うくらいのことは、許してほしいものだと心から思う。

彼女が卒業を発表した、8月22日という日。それは。

ちょうど一年前、菅井友香が卒業を発表した、まさにその日だったのだ。
これが偶然だと捉えるBuddiesは、おそらくいない。
一期生が、私たちが考える以上のもので繋がっていると知っている、欅坂から彼女たちを見てきている人にとっては、なおさらだ。


2023年9月

田村保乃、「VOCE」レギュラーモデル就任

モデルという職業を通して櫻坂というグループを見たとき、ここに伸び代がある気がしてならない。
もちろん出版社側、雑誌ブランド側の事情もあるから、ゴリ押しもよくないのだが、雑誌モデル方面の開拓も、今後の課題の一つである。

そんな中で、田村保乃である。

TGCなどでもそうだけど、普段と全く違うメイクを施す彼女たちは、本当に違った一面を見せる。VOCEにおけるほのもその一人で。
このメイクが、何故か目に留まった。
ということは、例えば田村保乃を知らない人にも刺さる可能性があるということでもあるので…
2024年は是非この分野での広がりを期待したい。

「そこ曲がったら、櫻坂?」見逃し配信・新規配信終了

2023は総じてポイントの高かった櫻坂運営ではあるけれど、唯一にして最大の失策はこれだ。
このことに関するあっさり感というのが、欅坂時代の運営の発表と重なる。この、ただの結果報告で終わる感じ。怒りというより悲しくなる。
このお知らせ、よく見るとやはり最後まで「見逃し配信」という言葉を使っている。VR SQUARE側がそういうネーミングだったというのもあるだろうけど、地方Buddiesにとっては決して「見逃し配信」ではない。これが本放送なのだ。「見逃し配信」という言葉は、地上波の番組を観られる場所にいる人が、なんらかの都合で観られなかったときにネットで配信してますからそちらで、という意味合いじゃないのか。
「見逃している」わけじゃない。
初めから観させてもらえていないのだ。
「新規配信は終了になります」という言葉だけで、その後どうなるとか、全くもって観られない人への配慮がない。足りないのではなく全くない。
そしてこの状況は、執筆時点をもってもまだ改善されていない。
配信を実現しようと動いているのか、いないのかさえわからない。

欅坂運営のときに見られた、この血も涙もない感じを思い出してゾッとしている。

櫻坂メンバー、地方出身者が多いことを忘れていないか。

メンバーの親御さんが、自分の娘が活躍している姿を観られるチャンスのはずだろうに。

確かに、契約がどうとか、私たちにわからない部分での何かが原因かもしれない。いや、たぶんそうだろう。
楽曲が話題になって、いい流れが来てるときに自滅するような真似が正しいはずがなかろうよ。

いや、信じていたいんだよ本当は。
櫻坂46の周囲にいる大人は、本当に温かい。
そうでなければ、彼女たちがあれだけのパフォーマンスに集中できる環境ができるわけがない。
そして、そんな彼女たちが活躍している場所を、限られた場所でしか観ることができない状況をよしとしているはずがないと。

2024年、きっと誰もが望む結果を出してくれると信じたい。

7thシングル表題曲「承認欲求」MV公開

7thMVについては、ここでは多くを語るまいと…これも散々書いてきたことだから、というのはあるけれど、年末になってMVや自分のnoteを見返してみても、その当時の思いは、今の自分の中でも矛盾しないと確信する。

毎シングル、勝負の曲に違いないのだが、ターニングポイントであった6thで賭けに出て勝ち、それを受け継ぐ7thで面としての広がりを見せるには、森田ひかるという選択肢しかなかった。
これは今でも確固たる自信があったし、結果間違っていなかったと断言できる。


続きはこちら…

2023年10月〜12月 後編



noteの中でも、櫻坂46・日向坂46に特化した内容ですので、特に二つのグループの推し活を経て、皆様に文章で還元できるよう努めてまいります! よろしければサポートをお願い致します。