漠然とした不安に負けない身体の手に入れ方について 【その2 前後のスワイショウ】
前回は、直立感を育てると漠然とした不安が解消しますよ、というお話をさせていただきました。
この直立感を育てるために排除しなければならない感覚があります。それは寄りかかるという感覚です。
寄りかからない身体が安全保障を高めた
肘をついたり、足を組んだままご飯を食べたりしたら、行儀が悪い!と叱られた経験、誰しも一度はありますよね。
何かに寄りかかること=行儀が悪いという感覚は、日本で育った人であれば多くの人の無意識に刷り込まれていると思います。
原始時代を想像してみてください。何かに寄りかかっていると、敵や捕食者が突然現れた時に即応できません。
僕は行儀というのは寄りかからない身体を身につけることで生き延びる率をあげようと、古人たちが生み出した誇るべき文化だと思います。
脳を休め、直立の質を高める前後のスワイショウ
さて、というわけで今日ご紹介するのは前後のスワイショウです。
中国生まれのスワイショウは中国武術の基本稽古法として知られています。
ネットで調べると様々なバリエーションが出てきますが、今日は前後のスワイショウについてご紹介します。
まず、図のように足幅と腰の幅を同じくらいにして立ちます。
腰幅に立ったら、一度膝をピンと伸ばします。そして次にピンと張った膝からちょっとだけ力を抜きます。
それから肩を支点に、両手を前後に振り始めます。
振り方は二種類あります。
1、 前に手を振って、力を抜き、後ろに手が行くときは自然に任せる。
2、 1の逆で、後ろに手を振って、力を抜き、前に手が行くときは自然に任せる。
どちらかやりやすい方で結構です。いずれにしても、必ず前後のどちらかは力を抜いて自然に手が振られるようにするというのがコツです。
これを1日15分から20分。寝る前にすると、よく眠れるようになります。
寝る前だけでなく、緊張を取りたい時、リラックスしたい時にいつでもやって大丈夫です。
そしてスワイショウを終わらせるときには、急に止めたりしないで、子供が飛び降りた後のブランコのように、自然に腕が止まるのを待ちます。体が止まっても体の中の感覚はしばらく動き続けるので、それが収まるまで待っていてください。
ここ、結構重要です。
まとめ
立って腕を前後に振るだけなのですが、身体の中に微細な姿勢の変化を起こすことになります。そうすると身体は直立を保とうと、意識できないほど小さな命令を身体に出し続けることになります。やり続けると偏り疲労が解消されてきて、血行も良くなってくるのを実感できるでしょう。繰り返し微細な運動を行うので脳も休まり、漠然とした不安も消えている。
僕も随分、これで助かっています。
簡単にできる上に、続けると直立の質を高めてくれる前後のスワイショウ。是非、試してみてください!
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