ユキノ@卯月

ユキノと申します。永遠に駆け出しの物書きです。 好きなものを好きな時に。読んでくださる…

ユキノ@卯月

ユキノと申します。永遠に駆け出しの物書きです。 好きなものを好きな時に。読んでくださる皆様に感謝を。

マガジン

  • Missing

    櫻坂のメンバーが登場するファンタジー作品。

  • 中編まとめ

    中編をまとめました。他の方の企画に参加させていただいた時のものも含まれます。

  • "From my past"まとめ

    シリーズ長編"From my past"のまとめです。

  • "オタメシカノジョ"~seasonⅡ~

    "オタメシカノジョ"の続編になります。

  • 君と僕の行方

    櫻坂メンバーのシリーズ長編です。宜しければどうぞ。

最近の記事

Missing 第5話

_________ 第5話 絶望と突破口  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 翌日。私はレッスン。天は撮影で午前中が終わり、夕方までもうあまり時間がない。 あれからピーターは私の部屋でずっと瞑想している。作戦を練ってくれているみたい。 夏鈴と麗奈ちゃんは今日はレッスンには来ていなかった。 マネージャーさん達が何やらザワついていたからやはりそういうことなのだろう... 心配だがレッスンはいつも通りこなし、帰宅するともう天は帰ってきていた。 天:おかえり、ひかる。 ひかる:..

    • 甘い媚薬

      _____チョコレート...多くの人を惹きつけてやまないお菓子。もちろん私も大好き。 そして明日は2月14日。バレンタインデー。 女の子が意中の人にチョコレートをあげる日だ。 『所詮お菓子会社の陰謀だ』などと宣う人もいるが、恋する女の子の背中を押してくれる素敵なイベントだ。 かく言う私もそんな恋する女の子の1人。 明日の一大イベントに向け、休みだと言うのに早起きして台所に立っている。 ひかる:んーと...チョコレートを細かく刻んで湯煎...お湯で溶かすってこと..

      • Missing 第4話

        __恐ろしい出来事から数分後。 私たちは自宅に辿り着いた。 リビングのソファに座ると、疲れと忘れかけていた恐怖に眩暈を覚える。 さっきのは...何? 聞き間違いじゃなければあの巫女さん私たちのこと...殺そうと...してたよね? ...いや、今はピーターの話を聞こう。考えるのはその後でいいや。 私はソファにもたれ、ゆっくりと深呼吸した。 __脳裏に焼き付いた恐怖を和らげる為に。 __________ 第4話 "The nine tailed fox" __

        • From my past 第7話

          目を覚ますと、そこは自室のベッドの上だった。 どんな夢を見ていたのか思い出せないが、背中がじっとりと湿っているのを感じる。 身体を起こし、スマホを見ると午前7時。 確かひかるの部屋にいたはずだが...疑問を胸にベッドから下りると、机の上に見慣れない紙...いや便箋か。 そこには見慣れた字で 『流石に同じ部屋で寝るのは寮母さんにバレたらヤバいかもしれんけん、 2人に手伝って貰って部屋に運びました。 体調悪かったらすぐ連絡して。 もし元気やったらみんなで朝食堂行こ。

        マガジン

        • Missing
          6本
        • 中編まとめ
          14本
        • "From my past"まとめ
          8本
        • "オタメシカノジョ"~seasonⅡ~
          3本
        • 君と僕の行方
          9本
        • "オタメシカノジョ"(完結)
          8本

        記事

          Missing 第3話

          ひ・天:おはようございますー! 夏鈴:おはよー、朝から元気やな2人共。 天:夏鈴ー!会いたかったでー! あの信じられない出来事から3日が経ち、今日は天と私、そして同じグループメンバーの藤吉夏鈴の3人で雑誌の撮影だ。 夏鈴:んもぅ...天!あんまひっつかんといてや... 天:えへへー、そんなこと言って嬉しいんやろー? あの日から天は前以上に元気だ。 私も、悪夢に苛まれることがなくなり、穏やかそのもの。 夏鈴:もー!ひかるも笑ってないで助けてや... ひかる:ふ

          Missing 第1話

          2人で朝食を食べながら窓の外を見る。空が白けてきている。もうすぐ日が昇る頃だ。 天:じゃあ...まず公園でお散歩してー、その後水族館にしよー! ひかる:賛成! 食事をしながら2人で話し合い、今日の予定が決まった。 久しぶりのデートに、気持ちがだんだん高揚してくるのを感じる。空の食器を片付け、お互い準備もそこそこに、まだ薄暗い中部屋を出た。 天:早朝からお散歩なんて健康的やん! ひかる:んー、涼しくていい気持ち... 私たちは近所の公園を散歩する。早朝の空気は昼間

          オタメシカノジョseasonⅡ『和ぐ空の向こうに』第二話

          ___あの鮮烈な出会いから1週間。 "彼"はあからさまに私を避けている。 講義中は私の目に入らないように私より後ろの席に座り、グループ活動等の少人数になる時も、私と1番遠い所へ行ってしまう。 和:(...気を遣わせちゃってる...のかな...やっぱり...) だとするなら悪いのは完全に私だ。唐突ではあったが、彼は別に悪いことをした訳ではない。 ___私が受け止められなかっただけ。 和:(...何かこういうのいつも上手くいかないなぁ...) 考えてみれば恋愛など

          オタメシカノジョseasonⅡ『和ぐ空の向こうに』第二話

          Missing 第2話

          __違和感。 いつから感じていただろう。 そもそも何に対して? 今のこの状況は何一つ正常ではない気がする。 __喋るうさぎのストラップと水族館に来ているなんて。 天:ひかるー!見て!タツノオトシゴ! ひかる:...ふふ、そうやね。 あんなに不審がっていた割にはしゃぐ天を眺め、私は物思いにふける。 ___この胸騒ぎは一体何なのか、と。 _________ 第2話 ~case H&T~ _________ 結局あの後私たちは相談した結果、予定通りデートしよ

          Missing ~序曲~

          ___目の前さえも見えない暗闇。 誰かの声が聞こえる。1人ではなく大勢。 『...もう、終わりかな』 『やっぱり荷が重いんだよ...』 『...がっかりだな』 幾重にも重なるネガティブな言葉たちは耳を覆っても脳に直接響いてくる。 たまらず私は走り出す。暗闇の中どこを目指すでもなく。 しかし追ってくる声が止むことはない。 どこまでも __どこまでも ___________ Missing ~Overture~ ___________ 「っ!!!」 悪

          Missing ~序曲~

          究極の二者択一

          ◯◯:...17時か... 霞む目でデスクの上の時計を見ると同時に、定時を知らせるチャイムが鳴る。 ◯◯:...山下さん。後やっとくから上がっていいよ。今日定時日だから。 隣の席でパソコンとにらめっこする新入社員に声を掛けると、彼女は申し訳なさそうにこちらを伺う。 彼女は新入社員の山下瞳月さん。僕の直属の部下で現在絶賛トレーニング中。 瞳月:...すみません...終わりませんでした... ◯◯:いいんだよ。昨日より全然進んでるじゃん。進歩進歩! 瞳月:...あの

          究極の二者択一

          オタメシカノジョseasonⅡ『和ぐ空の向こうに』第一話

          突如として現れた暗雲を切り裂く稲光。 しかしそれは私にとっては __眩しくて疎ましいものでしかなかった。 ______________ オタメシカノジョseasonⅡ 第二話 "ドンテン" ______________ 時が止まったかと思うほどの静寂__ それほど今の状況は異質なものだった。 和:(...聞き間違いじゃないよね?) 『一目惚れしました、付き合ってください』 確かにそう聞こえた。 驚きのあまり声の出ない私を他所に隣で美空が騒ぎ出す。 美空:

          オタメシカノジョseasonⅡ『和ぐ空の向こうに』第一話

          From my past 第6話~過去と現在~

          __僕は過去に縛られているんだろうか。 思い出すことさえ出来ない朧気な過去に__ ______________ 第6話 "過去と現在" _______________ 部屋の前で蹲る僕を意外に強い力で抱え込み、ひかるは自分の部屋へと連れて行ってくれた。 ◯◯:...ご...ごめんね... ひかる:...気にせんでいい。それにしても美空に何言われたん?全くあの子は... 『不確かな過去を探すより...幸せな未来を見た方が...いいんやない?』 一ノ瀬さんの言葉

          From my past 第6話~過去と現在~

          三年days #2

          今思えばほんの些細なことでしかなかった いつもより少し帰りの遅い彼 急に変わった音楽の趣味 私といる時必ず伏せて置いてあるスマホ __分かってたんだ、きっと。 目を背けていただけ。この残酷な現実から でも私は知っている __誰よりも私が残酷だと。 __________________ 本を閉じると、新しい本独特の香りがする。 それにしても随分と鮮烈な文章だ。 説明のつかない感情と息をゆっくりと吐きだし、物思いに耽った。 夏鈴:... よく行く本屋が大

          強がりなラベンダー

          ◯◯:...ただいまー。 仕事を終えて足早に到着したアパートには当然僕以外の誰もいない。 それでも何となく『ただいま』と言ってしまうのは何故だろうか。 ◯◯:...はは...1人って思ってたより寂しいものですね..."ひかるさん"... 玄関に飾ってある写真立てを手に取り独り言ちる。写真立ての中の彼女は今日も凛々しい。 同じ部署の先輩にあたる"森田ひかる"さん。僕の恋人。 小柄で愛らしい見た目からは想像もつかないほどの敏腕ぷりで、若いながら課長の職を務めるキャリア

          強がりなラベンダー

          無敵の三ヶ条!

          『...では今月の営業成績を発表する...』 堅苦しい空気が流れる。月に一度の緊張の瞬間だ。 全く...部長にも困ったもので、毎度わざわざ営業担当を全員集めて名指しで成績を読み上げている。 これでは皆のストレスが高まるばかりだ。 オレの名前は高木〇〇。この営業課の課長を任されているのだが、部下達同様にこの悪習に辟易としている。 『...以上だ。良かったものは慢心せず、良くなかったものは努力を怠らぬように。解散!』 部下達は部長がいなくなったのを見計らって、一斉に喋

          無敵の三ヶ条!

          オタメシカノジョseasonⅡ『和ぐ空の向こうに』

          『止まない雨はない』 『陽はまた昇る』 どちらも『辛いことはいつまでも続かない』と言うような比喩だ。 __しかし。 雨を降らせているのが自分自身だったら? 夜明けが来るのを望まない自分がいたとするなら? _____________ オタメシカノジョ ~seasonⅡ~ 『和ぐ空の向こうに』 Prologue "イナヅマ" _____________ 仮に自分を"少女漫画のヒロイン"だと考えた時。 その漫画はどんなお話になるだろう? 何の変哲もない人生

          オタメシカノジョseasonⅡ『和ぐ空の向こうに』