六角明雄(中小企業診断士・経営コンサルタント・ビジネス書作家)

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家です。 最新刊は「図解で…

六角明雄(中小企業診断士・経営コンサルタント・ビジネス書作家)

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家です。 最新刊は「図解でわかる経営の基本いちばん最初に読む本」( http://amzn.to/2lu3fU4 )。 地方銀行出身で、資金調達支援を中心に、BSCの導入支援、セミナー講師などをしています。

最近の記事

DX推進にはエンゲージメントが必要

[要旨] 会社でDXを進める際には、エンゲージメント、すなわち、社員と会社の間に存在する強い信頼関係が必要となります。しかし、エンゲージメントは必ずしも高い会社ばかりではないので、エンゲージメントが十分ではない会社は、DXを進める中で、エンゲージメントを強化していくことが得策と考えられます。 [本文] 今回も、前回に引き続き、冨山和彦さんと望月愛子さんのご著書、「IGPI流DXのリアル・ノウハウ」を読んで、私が気づいたことについて述べたいと思います。前回は、DXは必要な

    • 中小企業こそDXのインパクトが大きい

      [要旨] 中小企業の中には、DXは必要ないと考えている経営者の方も少なくないようですが、むしろ、DXが遅れているという状況は、改善の余地が大きかったり、競合を出し抜くチャンスがあるということでもあるため、積極的にDXを取り入れることが望ましいと言えます。 [本文] 今回も、前回に引き続き、冨山和彦さんと望月愛子さんのご著書、「IGPI流DXのリアル・ノウハウ」を読んで、私が気づいたことについて述べたいと思います。前回は、DXとは、デジタルを活用した既存事業の磨き込みによ

      • DXとは将来のためのリソースの捻出

        [要旨] 冨山和彦さんによれば、DXとは、デジタルを活用した既存事業の磨き込みによって、人的・資金的なリソースを捻出し、そのリソースを使って新たなチャレンジをすることだそうです。そして、その新たなチャレンジのうち、いくつかが実を結び、やがてその新たなチャレンジは、既存領域となっていき、その既存領域でDXを推し進めるループを回すことが、安定的な事業の発展につながるそうです。 [本文] 今回も、前回に引き続き、冨山和彦さんと望月愛子さんのご著書、「IGPI流DXのリアル・ノ

        • 『武器オリエンテッド』は避けるべき

          [要旨] DXの導入は、当初は自動化や省力化などから始まることが多いですが、そこから、さらに顧客に付加価値を提供できなければ、DX導入の効果は半減します。しかし、システム会社などからの提案を安易に受けて、DX導入を目的化してしまう、すなわち、「武器オリエンテッド」になってしまえば、その意味はなくなってしまいます。 [本文] 今回も、前回に引き続き、冨山和彦さんと望月愛子さんのご著書、「IGPI流DXのリアル・ノウハウ」を読んで、私が気づいたことについて述べたいと思います

          DXとは『デジタルで変わる』こと

          [要旨] デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、「人間の生活のあらゆる側面において、デジタルテクノロジーにより、あるいはその影響によってもたらされる変化のことだと理解できる」と定義されており、デジタルで変わっていくことが広くDXと言えます。現在は、必ずしもこの定義に厳格に従う必要はないと思われますが、専門用語を正しく理解するところから、正しい経営判断ができるようになっていくと言えるでしょう。 [本文] 経営共創基盤(IGPI)グループ会長の冨山和彦さんと、同社取

          フライトプラン無しの運航はありえない

          [要旨] ドラッカーは、「目標は絶対のものではなく、方向づけであって、未来をつくるために、資源とエネルギーを動員するためのものである」と述べています。すなわち、組織的な活動である事業活動に臨むにあたって、組織の構成員の考え方や足並みを揃えたり、必要な資源を明らかにして、それを調達するために必要ということです。 [本文] 今回も、前回に引き続き、経営コンサルタントの國貞克則さんのご著書、「財務3表一体理解法『管理会計』編」を読んで、私が気づいたことについて説明したいと思い

          間接費は作業量による配分が最も適切

          [要旨] ドラッカーは、「今日、総コストの極めて多くの部分が直接費ではない、特定の製品のコストを知るには、コストのうち、膨大な部分が比例配分によって決定されるような数字は役に立たない、明確な焦点のない事業のコストは、作業量による配分が最も現実に近い唯一の計算となる」と述べ、ABC会計(活動基準原価計算)を提唱しました。 [本文] 今回も、前回に引き続き、経営コンサルタントの國貞克則さんのご著書、「財務3表一体理解法『管理会計』編」を読んで、私が気づいたことについて説明し

          将来はわからなくても事前の対策は可能

          [要旨] 経営コンサルタントの國貞克則さんのかつての顧問先は、競業企業や顧客企業の、幅広く、かつ、ディープな情報を入手し、それに加えて個々の営業担当者の現場の声を拾い上げ、3か月先の販売数量を見通していました。こうすることで、収益機会を逃さないようにしたり、損失機会を回避したりする対策を打つことが可能であり、販売活動の効率を高め、利益の増加に資することができます。 [本文] 今回も、前回に引き続き、経営コンサルタントの國貞克則さんのご著書、「財務3表一体理解法『管理会計

          管理会計で現場の動きを把握する

          [要旨] 経営コンサルタントの國貞克則さんのかつての顧問先の電子機器販売会社では、製品毎、顧客企業毎、営業拠点毎、営業担当者毎のデータなどを取得していました。その結果、ある、営業担当者の営業成績が上昇すると、次は、その担当者の所属する拠点の営業成績が上昇するという動きがわかるなど、現場の状況を把握することができました。 [本文] 今回も、前回に引き続き、経営コンサルタントの國貞克則さんのご著書、「財務3表一体理解法『管理会計』編」を読んで、私が気づいたことについて説明し

          管理会計は経営判断に利用するツール

          [要旨] 財務会計に基づいて作成される貸借対照表や損益計算書は、会社の過去の営業成績を株主などに説明する目的で作成されます。一方、管理会計で作成される資料は、経営者が会社を存続させることを目的に、適切な判断を行うために利用するものです。 [本文] 経営コンサルタントの國貞克則さんのご著書、「財務3表一体理解法『管理会計』編」を拝読しました。國貞さんは、同署で、まず、管理会計とはどういうものなのかということについて述べておられます。「管理会計とは、そもそも何なのでしょうか

          不祥事後の対応はミッションに基づく

          [要旨] 1982年に、米国のJ&Jの製造している頭痛薬のタイレノールに毒物が混入され、7人が死亡するという事件が起きましたが、その際、同社は全米の製品を回収しました。この事件は、同社に責任があるわけではないのですが、同社がクレドに基づく行動をとったことで、大きな評価を得ることになりました。 [本文] 今回も、前回に引き続き、経営コンサルタントの岩田松雄さんのご著書、「共感型リーダー-まわりが自然と動く、何歳からでも身につく思考法」を読んで、私が気づいたことについて説明

          エンパワーメントと権限委譲

          [要旨] 組織を活性化する手法に、エンパワーメントと権限委譲があります。前者は、部下が自己成長し、さらに力を発揮できるような環境づくりやサポートが成功の鍵となります。一方、後者は、意思決定の迅速化や管理者不足の解消を目指します。 [本文] 今回も、前回に引き続き、経営コンサルタントの岩田松雄さんのご著書、「共感型リーダー-まわりが自然と動く、何歳からでも身につく思考法」を読んで、私が気づいたことについて説明したいと思います。前回は、部下の人事評価については、できるだけ、

          採点ではなく満点を

          [要旨] 部下の人事評価については、できるだけ、ファクトベース、つまり、事実や数字を持ち出して議論することが大切です。すなわち、「採点ではなく満点を」であり、全員が目標達成できる方向で話し合うことが大切です。こうすることで、部下は、会社のミッションに基づいた活動ができるよう能力を高めることができるので、会社の効率的な事業活動に資することになります。 [本文] 今回も、前回に引き続き、経営コンサルタントの岩田松雄さんのご著書、「共感型リーダー-まわりが自然と動く、何歳から

          KPIはミッションに紐づいた目標

          [要旨] 優れたリーダーは、まず、ミッションにヒモづいた明確な目標設定を行い、各部門、各従業員に、(1)責任範囲、(2)求められるパフォーマンス、(3)業績の評価基準を理解してもらいます。こうすることで、事業活動が効率的になり、業績が向上することにつながります。 [本文] 今回も、前回に引き続き、経営コンサルタントの岩田松雄さんのご著書、「共感型リーダー-まわりが自然と動く、何歳からでも身につく思考法」を読んで、私が気づいたことについて説明したいと思います。前回は、一般

          悪い報告に『ありがとう』と言える上司

          [要旨] 一般的に、組織は悪いニュースを隠ぺいするためなら、時には社会倫理さえ犯す危険性が報告されています。しかし、本物のリーダーは、どんなに耳が痛いことでも、貴重な真実を話してくれる人物を歓迎します。そこで、リーダーは、意識的に声を上げることが、とても大切であることを、組織に徹底すべきであり、何でも言える風通しの良い組織を作っていくことが求められます。 [本文] 今回も、前回に引き続き、経営コンサルタントの岩田松雄さんのご著書、「共感型リーダー-まわりが自然と動く、何

          『ビッグワード』は使ってはいけない

          [要旨] 経営コンサルタントの岩田松雄さんは、ビジネススクールなどで、わかったような、わからないような、定義がはっきりしない抽象的な言葉である、「ビッグワード」は使わないようお伝えしているそうです。なぜなら、定義が不明確であれば、当然、聞き手には話し手の伝えたいことが伝わらず、時間や労力が無駄になるからです。 [本文] 今回も、前回に引き続き、経営コンサルタントの岩田松雄さんのご著書、「共感型リーダー-まわりが自然と動く、何歳からでも身につく思考法」を読んで、私が気づい