見出し画像

結局、暗号資産の利益にかかる税金はいくらやねん問題

最大55%です。

というわけでビットコインで利益を出したはいいものの「税金が高いんでしょう~?」と思っている方、その通りです。

以上。

利益が20万円以内なら申告不要(実質非課税)

これも今となってはよく聞くと思うが、暗号資産での利益(雑所得)は年間で20万円以内であれば確定申告が不要である。
なので小さいロットでお小遣い稼ぎをした程度なら堂々と全額もらっちゃってよい。
実質非課税なのでこれはほぼNISAです、はい。
また、「年間で」という部分を生かして
毎年20万円ずつ利益を確定させる
というテクニックもある。
例えば100万円の含み益が出ていても、5年にわたって売却すれば毎年実質非課税です。
無論、5年も持っていたら含み益はどんどん膨れ上がると思うが(希望)。

あと、この「申告不要」の件については、「※ただし住民税(約10%)は申告が必要」みたいな注意書きが申し訳なさそうに書いていることが多い。
まぁ、実態としては20万円以内の利益で住民税だけ申告している人はほとんどいないだろう。

数百万円程度の利益なら許容範囲?

さて、ここからが問題だ。
暗号資産の利益(雑所得)はほかの収入(会社員なら給料含む)と合わせた所得税率によって計算して確定申告+納税が必要になる。
細かい税率表は国税庁のサイトで確認してほしいが、平均的な会社員で考えると所得税+住民税(約10%)なので以下のような納税額が算出される。
・100万から1000万くらいの間の利益→30~40%くらい
・3000万円以上の利益→50~55%(上限)

ざっくり、年収別に暗号資産の利益でかかる税金(所得税+住民税)は次の通りだ。※それ以外に収入はない前提とする

年収×利益別の税金(概算)

数百万円レベルの利益であれば、(一般的な収入を得ている人であれば)実はそれほど税率は高くないと思うかもしれないが、株式などの有価証券の場合は自身の収入とは関係なく20%で済むので、金持ちほど暗号資産の税制は不利といえるだろう。
それに加えて「確定申告めんどい問題」も深刻だ。
個人的には100万円程度の利益であれば先述の「毎年20万円ずつ利確スキーム」を使うだろう。
無論、5年も持っていたら含み益はどんどん膨れ上がると思うが(希望)。

更なる楽観論者であれば「持ってればそのうち税制も変わって税率も下がって確定申告も不要になるかも~」と放置するかもしれない。
それも大いにありだろう。
普段確定申告をしていない人にとって、確定申告は(勤務先の会社の規約等との調整も含めて)思っているよりめんどい。
ただ冷静に考えて数百万円もらえるなら十分に費用対効果として見合った作業であるので、そこは「頑張る」ということでよいだろう。

数千万円を超えると半分が取られる

上の表のとおりだが、利益が数千万円(特に3000万円のライン)を超えると年収に関わらず50-55%が税金として徴収されてしまう。
かつ「毎年20万円ずつ作戦」も150年以上かかることになるので半分近い納税からは基本的に逃れられないようになっている。

まず言わずもがなだが、申告をせずに逃げ切れるなどと思わないことだ。
それは立派な脱税(犯罪)であるし数千万円レベルで脱税を行うとその罪も当然重くなり、起訴される可能性すらある。
また、国税局もそれほど大きなお金の動きとなると見逃さないし、数年たってから指摘が入るケースも多い(特に暗号資産が相場として上がっている時期であればなおさら目を光らせるだろう)
起訴されるとまではいかなくても無申告の所得については「無申告加算税」として(50万円以上の場合は)20%が加算される。
大前提として「税金を払わない」は考えないほうが良い。倫理的にではなく、もともと高い税率に加えて20%+αを支払うというのは期待値として損だからだ。

合法的に税金を減らす方法はあるか

さて、数千万円以上も儲かったんだから半分くらいキチンと納税しなさいと言われればそれまでではあるが、やはり投資家としては株式等の譲渡益税20%(NISAなら0%!)と比べると相当不利であるし、海外では非課税という国もある中でこれだけの税率を喜んで払う人も少ないだろう。
実際に暗号資産投資のために海外に移住する人も多いし、それにより結果的に多くの機会損失を日本にもたらしているとして、税制を変えようと奮闘する政治家もいる。

「ビットコインETF」の誕生で海外では先立って暗号資産に株式や投資信託同様の税制を適用できるようにもなっているので今後のことはわからないが、少なくとも現時点の日本において暗号資産における課税を減らすことはできるのか(もちろん完全合法で)というのは個人的にも非常に興味深い研究テーマなので別の記事にゆだねる。
もしよければそちらも見ていただけると嬉しい。

さて、この記事のテーマに戻る。
暗号資産の利益にかかる税金は、

最大55%です。

サポートいただいた場合は全額クリエイターとしての活動費に利用させていただきます。